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歌謡ショウファイナル「新・愛ゆえに」レポート

  歌謡ショウファイナル「新・愛ゆえに」レポート 如月紫水@順次修正中 2006/08/27 07:15:19
  第一幕その2 如月紫水@順次修正中 2006/08/27 07:16:03
  第一幕その3 如月紫水@順次修正中 2006/08/27 07:19:53
  第一幕その4 如月紫水@順次修正中 2006/08/27 07:20:46
  第一幕その5 如月紫水@順次修正中 2006/08/27 07:21:47
  第一幕その6 如月紫水@順次修正中 2006/08/27 07:22:28
  第二幕その1 如月紫水 2006/08/27 07:24:13
  第二幕その2 如月紫水 2006/08/27 07:24:49
Re: 歌謡ショウファイナル「新・愛ゆえに」レポート [返事を書く]
第二幕その2

そして、舞台のセンターに残ったのは薔薇組の二人。
動き出した街の人たちを眺めて、琴音さんが扇子を仰ぎながらしみじみと呟きます。

琴音「それにしても、昨日あんなことがあったのに銀座の人たちは本当に元気よね。
   もう、いつものように歌って踊って、ホント楽しそう。」
菊之丞「はい。」
琴音「ついつい、つられてあたしたちも踊っちゃったわね。」

つられて、の割には随分とノリノリだったじゃないですか。(笑)
ということは、紅蘭もたまたま通りがかった散歩中だったというところでしょうか。

菊之丞「でもホント、庶民は逞しいですよね。」
琴音「喉もと過ぎれば、熱さを忘れる…都会の生活なんてそんなものよ。」

今日流れた巻頭ニュースも

街人「号外号外!!上野タワー建設、政府承認だ〜!」

菊之丞「あ、一枚くださ〜い!
    (記事を見て)…うわぁ〜!地上400メートルの電波塔、上野に建設ですって!
    ついに始まるんですね、蒸気テレビ放送!」
琴音「上野?芝・増上寺横じゃなくて?」
菊之丞「いえ、上野って書いてありますよ。」

へぇ、上野になったんだ〜と通行人も呟いています。どことは、一般には言われてなかったのでしょうか。
琴音さんはなんだか訳知り顔で頷いてますが、菊ちゃんはあまり深く考えてない様子で下手のオケピ横へと行きます。

―――15・16日〜斧彦バージョン

上でも書きましたが「♪居酒屋〜」で、そのカフェの中から焼き芋をかじる斧彦さんが登場して紅蘭がビックリしてました。(笑)
その後、とくに踊るわけでなく食べてるだけなのにちゃんと郡舞いに参加しているように見えるのはすごいと思います。

紅蘭が去った後も、菊ちゃんと琴音さんの間に立って、マイペースにお芋を食べ続けています。(^^;;
菊ちゃんの「庶民はたくましい」発言の後

斧彦「あ○×※▽」
琴音「ちょ、ちょっと斧彦!何言ってるのよ!?」

お芋を口に入れすぎて言葉になってません。(笑)
思わず斧彦の両隣に立つ菊ちゃんと琴音さん。

琴音「あ、わかった!あたしも逞しくなりたいって言ったのね〜
   …じゅうぶん逞しいじゃないの!ってちゃんと計算して食べなさいよ?」

その琴音さんがフォローを入れて、なんとか話を進めてました。(^^;;
あと「喉元過ぎれば〜」では、斧彦さん首にかけていた水筒から熱いお茶を汲んで飲むと「あちちちちっ」と大慌て。心配した二人が駆け寄るも、そのときにはもうけろっとしてるんです。

斧彦「あら、喉元過ぎれば熱くないわね。」
琴音「なに言ってるのよ!」

説明台詞を体現してくれました。(^^;;
そして、それに続く、下手から上手へと向かいながら琴音さんが低との霊的防御について話しているのを菊ちゃんの前、真ん中からしゃなりしゃなりと歩きながらつける斧彦さん。
説明を終えて、琴音さんが振り向くと鼻と鼻がぶつかるくらいの距離だった斧彦さんに「近すぎるわよ!」とツッコミを入れてました。(笑)

それに続く菊ちゃんの高音リアクションの後、琴音さんが「皆さん見てるじゃない!」と言った後に…

斧彦「オラァ!なに見てるんだよ、ああっ!?」

斧彦さんが切れたーーーー!?(爆)
街の人に向かってずんずん進んでいく斧彦を、琴音さんと菊ちゃんが慌てて取り押さえます。

琴音「ちょ、ちょっと!!
   ご、ごめんなさいね…普段、この人すご〜く優しい人なんですよ。」
琴音・菊之丞「みなさん、本当に申し訳ございません!」(礼)
斧彦「(二人の静止を振り切って)なんでこんな奴らに謝んなきゃいけぇねんだよ!ああっ?!」
琴音「ちょ、ちょっと斧彦!!本気で行かないでよ!追いつくの大変なんだから!」

二人が場を納めようと頭を下げれば、また行っちゃうし。(^^;;
あわや、あと一歩で!というところで琴音さんがなんとか追いついて斧彦をセンター付近へと戻します。そう、最後の締めなのですが…

琴音「でも……なんか疲れちゃった;;」

琴音さん、すごく大変そうでしたものね。(^^;;

琴音「(気を取り直して)なんだかんだ言っても、三人揃って楽しかったわよね!」
菊之丞「はい!」
琴音「(斧彦を振り返って)あ、あなたは食べてただけだけどどね。」

これで出番終わり?という流れになっているんですが、もちろん「やだーー!」や「もっと見たい!」という掛け声が掛かります。

琴音「嫌よね!嬉しい〜〜あたしも嫌よ。
   でもね、みなさん。
   もうちょっと見たいってところでやめておくのが美味しいのよ。
   腹八分目。これが、テーマです!
   それではみなさん!薔薇組と、三幕でお会いしましょう!!」

この腹八分目、その後もず〜〜っと使われてました。
言いえて妙とも言える発言ですものね〜


―――18日〜三人娘バージョン

「太正浪漫」のシーンの「♪ラジオが〜」の部分で下手の建物後ろからかすみさんを先頭に三人娘が手に肉まんを持って登場。
紅蘭の「♪これも蒸気」で、ちょっと高く上げて肉まんを主張していました。(その後、通行人に肉まんを渡してダンスにも参加。
紅蘭が去ったあと、普段なら薔薇組が前にいるのですが、今日は由里ちゃんを真ん中に上手にかすみさん、下手に椿ちゃんが前に出ます。

由里「あーあ〜…昨日は大変だったわ〜……あの騒ぎで深夜まで会議になっちゃって…」
かすみ「文句言わないの。いろいろな後処理をするのが、私たちの仕事でしょ。」
椿「最前線は花組さんがやってらっしゃるんですから、とにかく!バックアップしていかないと!」

椿ちゃんは、風組として役に立つのが嬉しい!という感じで笑顔です。

由里「それはもちろんわかってるわよ!けど……昨日、新しく出来たイタリア料理のお店を予約していたのよね〜…」
かすみ「由里〜…あなた仕事とプライベート、どっちが大事なのよ。」
由里「それはもちろん!あれよ!」
かすみ・椿「あれ?」

あれ!と指したのは下手方面の天井。なに?と顔を二人が向けると、舞台の奥から号外を持ったお兄さんが駆け込んできたので
由里ちゃんすかさず「号外くださ〜い!」と駆け寄っていきました。

椿「もう、由里さんってほーんとポジティブですよね!」
かすみ「そうねぇ…」
由里「(号外を読んで)うわーーー!!!大変、椿!かすみさん!これこれ!!
   (呼ばれた二人が由里に駆け寄る)地上400メートルの電波塔、上野タワー建設ですって!!
   とうとうはじまるのね〜蒸気テレビ放送!!(椿に号外を渡して、上手へ。)
   上野に世界一のタワーかぁ…すごーい、毎日通っちゃうな〜〜!!」

新しいもの好きのモガである由里ちゃんにはこの上なく魅力のある話題のようですね。
そして、同じく実家が近くにある椿ちゃんも期待に目をキラキラさせています。

椿「(かすみに号外を渡し、センターに向かいながら)すごいなぁ〜!
  上野にタワーができたら、浅草も変わるんだろうなぁ〜
  外人さんもいっぱい来ますよね〜!(そうね、と頷くかすみさん)
  あ、ねぇねぇ外人さんってもんじゃとか、おせんべいってどう思うんだろう?」
由里「(ちょっと首をかしげて)もんじゃと、おせんべいって思うんじゃない?」
椿「そうですか?」
由里「そうよ。ほら、マリアさんだって都こんぶを「都こんぶだ…」て食べてたじゃない!
   ピクルスだって思ってないわよ〜」
椿「そ、そうですよね〜〜!あはははは…!」

そのものはそのものってことですね。
椿ちゃんのあははははという笑い声に、後ろを行き交いしていた人たちも、釣られて笑うと、その中でも一際大きく響く声が。
下手の奥から羽扇子で優雅に扇ぎながら琴音さんと菊ちゃんが臨戦態勢な気配をまとって前に出てきましたよ!

琴音「あらあら、あんなところにお三人さんがお揃いで。」
菊之丞「はい。一昨日まであたしたちも三人揃ってましたよね、琴音さん!」

ライバル心むき出しです。(笑)上手へとまとまった三人娘がむっとした表情で薔薇組を見ていると琴音さんが「ええ。でも、たった二日間だったから、あまり大きな声で言えないけどね;;」とぼやいてはいますが、菊ちゃんは「ちょっと、号外見せてください!」とかすみさんの手から号外を半ば強引に奪い取って紙面に目を通す菊ちゃん。

菊之丞「本当だ…地上400メートルの電波塔、上野タワー建設ですって〜!」
かすみ「あ〜ら、それ…もうわたしたちが言いました!」

負けじとセンターに歩み出てくるかすみさんに、菊ちゃんではなく琴音さんが距離を縮めてかすみさんの横に出てきます。

琴音「あらあらあら、それはどうも……
   ご苦労様でし、た!!」
二人「バーシバシバシバシバシバシ!」

ひ、火花散らしてますけど!!(汗)
薔薇組と風組ってこんなライバル関係でしたっけ?
ふんっと同時に視線を外すと、様子を窺ってた由里ちゃんと椿ちゃんと入れ替わり。

由里「さっ!キムラヤであんぱん買って劇場に戻りましょう!」
椿「さんせ〜い!キムラヤのあんぱんには、真ん中に、桜の花がついてるんですもの…」
三人「ね〜〜!」
由里「(ちらっと薔薇組を見て)そう桜!薔薇じゃなくてよかったわよ、」
三人「ねぇ〜〜!!」
琴音「ちょっとちょっと!なんか棘のある言い方ね。」
由里「(下手の方へ回りこんで、挟み撃ち状態)薔薇には、棘がありますもんね〜〜!」
椿「(由里と同時に軽く琴音さんと菊ちゃんの肩に触れる)チクッ!あ、刺さった!」
かすみ「さ、急いで消毒よ!」
由里・椿「はい!」

べーっと結局ライバル心むき出しのまま、三人娘は上手へとさっさと行ってしまいました;;
19日の夜では「あ、ヒゲだ!」となぜか髭が刺さってしまい「時間的に出てきちゃうんですよ!」と菊ちゃんがリアリティある返しをしてました。(爆…ヒゲつながりで、由里ちゃんと椿ちゃんは去り際の動きがヒゲダンスっぽかったです。)
残された二人、特に菊ちゃんは号外を持つ手をぷるぷる震わせて悔しそうです。

琴音「ちょ〜〜っとかわいいからって!まったく!!」
菊之丞「も〜〜!たまに出てきたら偉そうに〜!くやしい〜〜!!
    上野タワーが出来たら、天辺から叫んでやる。
    (ぱんっと大げさに手を叩いて膝をつく)誰か、助けてくださーーい!!」
琴音「…誰も助けないと思うわよ。
   人様を助けるのが、あたしたちの仕事でしょ。人様に助けられてどうするのよ。」

この悔しがり方、19日夜はちょっと尋常じゃなくて思わず琴音さんが「本気になっちゃダメよ、本気になっちゃ」と一言付け加えてました。
で、菊ちゃんが立ち上がったところで琴音さんが「ねぇ、それはそうと芝・増上寺横じゃないの?」と聞いて話の筋を元に戻してました。

最終日である20日・夜ははじけてましたね〜!
アンパンの下りのあとからアドリブモード。

椿「気がついたんですけど…薔薇組の、薇の字って、漢字で書くと…」
由里「草冠に、微妙の「微」!!たしかに!!」
三人「微妙〜!!微妙〜〜!!微妙〜〜〜!!」
琴音「ちょっと!」
椿「(構わず)みなさんもご一緒に!」
三人「微妙〜!微妙〜〜!!微妙〜〜〜!!」

三人で薔薇組に指を指しながら、言いながら上手へと入って行きました〜もちろん、お客さんも掛け声に巻き込んで。(笑)そのまま上手へと去る三人に琴音さんと菊ちゃんは抗議の気配満々。

琴音「ちょっと待ちなさいよ!」
菊之丞「ちょっとちょっとちょっと!
琴音「それやり逃げって言うのよ、あんたたち!(爆)
   失礼ね、全く……あたしが「び」で、この子が「みょう」!」
菊之丞「えっ?」
琴音「あたしが「び」で、この子が「みょう」!
   (菊之丞を指して)微妙〜!!微妙〜〜!!あたしもやり逃げ!微妙〜〜…てウソよ。」

ところが、琴音さんは三人娘のネタに乗っかっちゃいました!(笑)
そのまま、同じように上手へと菊ちゃんを残して行こうとしましたが、寸前でちゃんと戻ってきてくれましたよ。(^^;;

菊之丞「琴音さん……一人にしないで下さい。」
琴音「大丈夫よ。」
菊之丞「ホントに、いくら中途半端だからって酷いですよね。」
琴音「ほんとにね。」

で、ここから芝・増上寺横じゃないの?という話に入っていきました。
あー…余談ですがその薔薇の字ですが……実際は微妙の微じゃないんですよね〜…ちょっと違うんです。真ん中の部分、一角薔薇の方が多いのです。(^^;;


―――――


菊之丞「でも良かったですね!上野スラムを撤去すれば、万年町界隈も綺麗になります〜
    そこに世界一のタワーが立って……うわぁ〜〜!すごーい!」
琴音「んもう、バカね。本当の狙いは、天海僧正の怨霊封じでしょ。」

下手のオケピ横に立って、これから立つであろうタワーを想像して、目を輝かせる菊ちゃんに、琴音さんは扇子で軽く叩いて裏事情を呟くと

菊之丞「あーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
琴音「ーーーーーーーー!!って、人が出ないトーンでリアクションするんじゃないの!」

菊ちゃんは物凄く高いトーン(女性の悲鳴に近い)で叫び声をあげてしまい、琴音さんにつっこまれてます。(笑)
街の人もその声に一瞬止まって菊ちゃんたちを見ますが、すぐに動き出してました。
そして、琴音さんも上手に向かって歩き出します。(菊ちゃんはその後ろを歩く)

琴音「いい?上野は、天海が江戸を霊的防衛とするための拠点じゃないの。
   ほら、芝・増上寺には徳川の霊廟があるでしょ。
   あとは、裏鬼門。それから、本所押上の春慶寺周辺も候補だったわね。
   …天海が施した霊的な力は排除不可能。
   だからせめてそれを制御する為に、タワーを建てるのよ。
   恐らく…東京に六つのタワーが作られるはずよ。
   その第一のタワーが、ようやく決定したってことね。」

上手まで辿り着くまでに、琴音さんは帝都の霊的事情を語る。
なるほど……ということはこの太正時代では帝都タワー的なものがこれからドンドン建つわけですね。
それに、くっついていた菊ちゃんも首を何度も縦に振って納得。今度は下手へと向かいながら補足説明を。

菊之丞「なるほど…そうでした。
    都市の繁栄には、膨大なエネルギーの噴出によってもたらされる。
    けど、そのエネルギーには善悪は無くて、放って置くと都市は、繁栄の名の下に愛を食らいつくし…!!
    悪徳の住処と化す…!きゃ〜!!
    その悪を防衛するために、花組さんたちの霊的エネルギーが必要なんですね〜」

この補足説明の最中、舞台の奥では、下手側で商売をしていた千葉助さんの屋台に、靴磨きの人、政、チンドン屋の兄ちゃんが柄の悪そうな態度で駆け込み、ラーメンを食べていた人たちから強引に器を奪い取り、中身をかきこんで一気食い!!ちょうど菊ちゃんは「愛を食らいつくし、悪徳の住処と化す…!」と言っています。な、なるほど…小さいけれどそういうことですね;;
調子が出てきた菊ちゃんが再び下手のオケピ横に着いたときに、最後の一言に対して琴音さんが注意します。

琴音「ちょ、ちょっと菊之丞!口が過ぎるわよ!」
菊之丞「あーーーーーーーーーーーー!!!」
琴音「ーーーーーーーーーー!!!だから、またそういう大きいリアクションしないの!
   ほら、みなさん見てるでしょ!
   あ、あのすみません。どうぞお気になさらず続けてください〜」

琴音さんが通行人の皆さんに頭を下げると、怪訝そうに見ていた人たちも徐々に動き出して、薔薇組の二人もその雑踏に混ざるように下手から上手へと琴音さんを先頭に歩き出します。

琴音「でも…なんだかんだ言って、楽しかったわよね。」
菊之丞「はい。」
琴音「歌ったでしょ。踊ったでしょ。そして…ちゃ〜んと説明も出来たでしょ。」
菊之丞「はい!」

ええ、ばっちりでした!(^^)
ですが、琴音さんはここであることに気づいて歩みを遅めてセンターで止まります。

琴音「あれ?…ってことは…あたしたちの出番は、おしまいってこと?」
菊之丞「はい。」
琴音「え…二幕これだけ?」
菊之丞「はい。」
琴音「でも、まだ始まったばかりよね……?」
菊之丞「はい。」
琴音「…そ、それでは皆さん!薔薇組と三幕でお会いしましょう〜!」

菊ちゃんが淡々と返事をしたので、琴音さんはちょっとうろたえつつも、笑顔を作ってそう告げると、二人揃って上手へと向かって行きました。上野に行くようです。

初日はこんな感じでアッサリ目だったのですが、日にちがたつとお別れの台詞にも「やだー!」と掛け声がかかるようになって、それ以降少し増えてましたね。

―――13日・夜

琴音「嫌よねぇ〜〜今始まったばかりだものね。
   …でも、台本上しょうがないわよね。これ以上アドリブで繋ぐことも出来ないし!(爆)
   じゃあ、なにから始めようかな〜〜……って嘘よ!
   じゃあみなさん、薔薇組と三幕でお会いしましょう〜!」


―――14日

この日は長かったですね〜琴音さんの「出番、これだけ?」の台詞を受けて客席から「ヤダ〜!」と声が掛かると

琴音「嫌よねぇ〜折角出てきたのにね。
   一幕なんて、キャラクター衣装着てないんだから!
   なによ、あま〜いあま〜いって。」(笑)

白鳥じゃなくて、そっちですか。(笑)

琴音「今回は、千穐楽ネタをやってはいけないということなので
   中日でやりたいと思います。(笑)
   ……ここからは、台本に無いわよ。
   菊之丞!あなたにとって、愛ってなに?」
菊之丞「へっ?」
琴音「へっ?じゃないの、聞いてた?」
菊之丞「いえ、ずっと長い独り言で急に振られたので驚いちゃって…;;
    愛を感じるとき…そうでうねぇ……
    カーテンを開けっ放しで、着替えをしているときに見知らぬ人が
    「カーテン、開いてますよ」ってそっと閉めてくれたときに、愛を感じます。」
琴音「……それは、もちろん男よね?」
菊之丞「あ、大神さんだったら嬉しいです♪」

嬉しいんですか、菊ちゃん。(笑)

菊之丞「あ、琴音さんにとっての愛ってなんですか?」
琴音「あら、あたしの愛?
   …あたしの愛は、舞台とこの会場のお客様の心が一つになったとき…
   それが、あたしの愛よ。……美しい〜〜〜!!」

発音的には「うつくすぃぃぃ〜〜!」なんですが(笑)
うんうん、綺麗に纏まってます!
ですが、菊ちゃんは自分の発言に感動している琴音さんの肩をぽんぽんっと叩き

菊之丞「琴音さん…その台詞、くさいよ!!」

と、およそ普段の可愛らしい声とは真逆の低いトーンで一言!
ですが、それがあまりに唐突だったので琴音さんもこちらも少々面食らってしまい
琴音さんの「なによ、それ!」というツッコミに、号外で顔を隠して照れてました。(^^;;

琴音「それでは皆さん、薔薇組と三幕でお会いしましょう〜!」

心なしか、二人とも早足で去っていきました。(笑)
15日・昼以降、ここの締めは「でもみなさん。もうちょっと見たいな、食べたいなと思ったところでやめておくのが、大人です。腹八分目!これが、テーマです!」となってました。(笑…で、この後「薔薇組と三幕でお会いしましょう〜」に続きます。)
コレ以降、去り際の台詞に必ず「腹八分目」と言う様になっていました。

―――――


薔薇組の二人が号外を片手に上手へと向かうと、街の人々も動き出し、背景もそれに合わせ変わります。
所変わってここは竹やぶが近くにある小さな神社。時刻は夕方。逢魔ヶ時…上手から、もんぺ姿の女性が赤ちゃんを背負って通りがかります。

―――初日・千穐楽

下手から通りがかった金田先生が、それを優しい目で見てすれ違うと、神社の前で立ち止まって巾着からお賽銭を取り出し、それを投げ入れて鈴を鳴らして願い事。

金田「どうか、いい台本が書けますように。」

二回手を叩いて目をつぶる金田先生。そこに、上手からさくらがやってきます。

さくら「金田先生!」
金田「あ、さくらさん!さくらさんもお参りですか?」
さくら「ええ、ここ芸能の神様ですから。」

なるほど。小さいけれど舞台に携わる人にはご利益がある神社なのかもしれませんね。
二人で笑顔をかわし、さくらが金田先生に話題を振ります。

さくら「金田先生、台本の方はどうですか?」
金田「いや、それがでげすね〜最後の最後で行き詰っちゃいましてね。キメ台詞が思いつかなくてね〜
   こう、お客さんをグッと惹き付けるビシッと決まる台詞を書きたいんですが、それが書けない。
   だから、神頼みってやつですよ。」
さくら「台詞だけに頼らなくてもいいんじゃないですか?もっと役者を信頼しても―――」

お恥ずかしい、と扇子で扇いでいた金田先生ですが、さくらの一言に一瞬にして険しい顔になります。

金田「…なんだって!?」
さくら「!!…す、すみません…余計な事を言いまして…」

その怒ったような口調に、さくらは顔をうつむき、肩を小さくして金田先生を直視できません。

金田「役者を信頼しろって!?」
さくら「出すぎたマネを…!」
金田「仰るとおりですよ!(え?と顔を上げるさくらさん)
   いや、さくらさんありがとう!今ね、見えてきましたよ舞台に立つクレモンティーヌが!
   純情可憐な花売り、クレモンティーヌ!(手を組んで、右足を伸ばした乙女のポーズを取る金田先生)
   ……うん、見えてきた。ありがとう!さくらさん、ありがとう〜!!」

なにか吹っ切れたように軽い足取りで下手へと去っていく金田先生を、さくらは手を振って見送ります。

―――――


それを暖かい目で見るのは、ボロボロの鞄を手にした武田です。下手から入ってきて、神社の前で立ち止まると、お賽銭を投げて鈴を鳴らして手を合わせます。

武田「ボスとアニキ!それから、街のみんなが健康でありますように!」

ああ…武田はダンディ団と銀座という街を愛していたんだなぁ…としみじみ。
手を二回叩いてそう願うと同時に、さくらが上手からやってきて声をかけます。

さくら「あ、武田さん!」
武田「さくらさん…!」
さくら「ご旅行ですか?」
武田「いや…ブラジルに、帰るんすよ。」

武田が手にしていた鞄を見て訊ねた答えは、意外なものでさくらは「え?」と驚きを隠さずさらに聞きます。

さくら「…ダンディ団、辞めちゃうんですか…?」
武田「…辞めました。
   それで、事業をやろうと思うんです!
   ブラジルの小さなコーヒー農園の権利を買いました。
   額に汗して、がんばってみようかなって!」

ですが、その目的が真面目に生きようと前を向いているものだとわかったさくらさんは、ぱっと笑顔になって語りながら前に出た武田の隣に立ち、力強くその手を握ります。

さくら「頑張ってくださいね、武田さん!」
武田「(さくらに手を握られて)は、はい!
   …俺、花組さんにたくさん夢貰いました。
   だから、ギャング辞めてブラジルに帰るんです。
   俺、夢に向かって走ります!
   だから、花組さんも舞台…頑張ってください!」
さくら「……はい!」

鞄を手に、自分の向かいたい先を見る武田がみせた笑顔に、さくらはしっかりと頷く。
それを見た武田は立ち去ろうとするのですが、はたと気づいて鞄を置いてポケットからホイッスルを取り出します。

武田「あ…じゃあ、俺、最後に踊ります!」
さくら「結構です。」

が、さくらさんは武田の顔の前にすっと右手を出してやんわりと、だけどはっきりと爽やかな笑顔で断ってました。(笑)
一瞬吹かれた笛がぴゅるるるる……とむなしい音を出してポケットに戻されます。(爆)

武田「そ、そうっすよね……
   あ!じゃあ手紙、書きます!」

が、さくらさんは先ほどと同じようにすっと右手を前に!
思わず、持ち直した鞄をドンっと落とす武田ですが、さくらの手はすぐに下ろされて、今度は優しい笑顔を浮かべて頷きます。

さくら「……はい。」

よ、よかった…と思わず呟く武田です。(笑)
気持ちを新たに、鞄を持った武田は数歩下がってさくらに頭を下げる。

武田「じゃあ、あっしはこれで…お元気で!」
さくら「……さようなら…」

さくらも、武田に別れの言葉を口にして頭を下げました。
新たな場所へと旅立つ武田はそれ以上、何も言わず下手へと走り去って行きました。
それを、見えなくなるまで見送ったさくらは、自分を納得させるように数回頷く。

さくら「…よし、あたしも頑張るぞ!」

ぐっと拳を握って、決も新たに武田がお参りしていた神社に同じように鐘を鳴らして、手を合わせます。

さくら「……愛ゆえにの舞台が、上手に出来ますように。」

願いを込めてぱん、ぱん!と二回叩いた瞬間、空気を切り裂くような女性の悲鳴が!!

さくら「!!」

緊迫した音楽が流れると、神社の裏や上手から人造人間たちが現れて、あっという間にさくらを取り囲みますが、そこは数々の戦場を切り抜けてきたさくらさん。
即座に構えを取り、襲い来る人造人間たちをかわし、神社のすぐ横にあった崩れた木材の一つを手にすると、それを刀代わりに突きつけます。

さくら「……懲りないわね。」

ひと睨みし、再び激しい攻防戦を繰り広げ、なんとか活路を開けるか、というところに響く声が!

モンスター「ソコマデダ!」

声と共に下手側の竹やぶの裏から現れたのは、無表情の剣を手にしたモンスター。
だが、空いているもう片方の手には、先ほど通りがかった赤子を抱えた女性が!

さくら「卑怯な!その人を放してください!」
モンスター「オマエ、観念スレバ、コイツ助ケル。」

無造作に女性を前に転がすと、赤子だけは傷つけまいと必死に抱える女性を足蹴にするモンスター。
さくらは、その女性と以前取り囲む人造人間たちを順番に見た後、武器としていた木材を手放す。

モンスター「オマエ、バカ。他人ノタメニ、命ステル。」
さくら「……その人を放して。」

さくらの行動に冷ややかな声を発するモンスター。務めておだやかな声のさくらに、一応は女性を立たせますが…

モンスター「…三人トモ、死ネ。」

どんっとさくらの方へ突き出すと同時に「どりゃああぁぁ!!」と剣を振り下ろす!間一髪、女性を引き寄せて、背中に回したさくらが攻撃を再開した人造人間たちの刃を受け止めつつ、上手に向かうよう肩を押す。

さくら「早く逃げて!早く!!」

叫ぶさくらに、必死に女性は頷いて上手へ。
多勢に無勢、かばいながら戦っていたさくらに隙が出来る。

モンスター「モラッタッ」
さくら「!!?」

そこを、モンスターは味方である人造人間ごとさくらを背中から貫く。
そして素早く剣を引き抜き、すれ違いざまにさくらをさらに切る。(さくらと共に貫かれた人造人間は、一時倒れるも、さくらが切りつけられてる間に立ち上がって普通に動いている)
切られたさくらは、舞台中央で力なく崩れ落ちる。が、それでもなんとか立ち上がろうともがくさくらにモンスターは何も言わずに近寄る。

カンナ「お〜〜い、さくらぁ〜!」

突如聞こえてきた声に、一瞬顔を上げるモンスターですが、それに構わず倒れるさくらの腹部に留めの一突き。

さくら「っぁ!!」

びくっとその衝撃と痛みに目を閉じたまま顔を一瞬上げるさくら。
だが、すぐに力なく頭を落とすと、びくびくと身体を痙攣させて、一言も喋れない状態に。
やはり無感情に剣を引きずるように竹やぶの裏へと去ったモンスター。人造人間たちも、クモの子を散らすように神社の裏や上手に。
一人取り残されるさくら。
そこに、先ほどの声の主である首に手拭いをかけたカンナが下手からやってきます。

カンナ「さくら〜、お参りすんだか〜?
    …って、さくらっ!!!」

予想だにしていなかった惨状に、一瞬にしてカンナの声が緊迫したものに。
さくらに駆け寄り、背中を起こして支えるも、さくらの現状にうろたえるばかり。

カンナ「大丈夫か、さくら!?すごい血だ(手拭いで傷口を押さえて)……誰にやられた?!」
さくら「モ、モンスター…に……」
カンナ「おい!傷は浅いぞ、しっかりしろ!」
さくら「(カンナの手を取って)カ、カンナさん…あたし、もう……ダメです……」
カンナ「何言ってんだ!お前がいなきゃ「愛ゆえに」の幕が開かねぇだろ!
    なに、こんな傷、医療ポッドで一晩寝りゃ…!」
さくら「…………」
カンナ「おい!さくら!!…なんとか言えよ!!
    死ぬなぁ!!!さくらーー!!!」

がくり、と首から力の抜けたさくらを、泣きながら抱きしめるカンナ。
カンナの泣き顔にスポットが当たり、ゆっくりと消えて暗転。
如月紫水 <pphxugfhew> 2006/08/27 07:24:49 [ノートメニュー]
  第二幕その3 如月紫水@順次修正中 2006/08/27 07:25:32
  第三幕その1 如月紫水 2006/08/27 07:26:23
  第三幕その2 如月紫水@順次修正中 2006/08/27 07:26:58
  サプライズ&ハプニング集1(12日〜17... 如月紫水@順次修正中 2006/08/27 07:28:13
  サプライズ&ハプニング集2(18日〜22... 如月紫水@順次修正中 2006/08/27 07:28:40
  │└皆様へのお返事 如月紫水@でざいやさんまで 2006/08/29 20:14:18
  レポお疲れさま〜。 BAKO@九州華撃会No.12 2006/08/27 11:37:34
  まってました!! 朱天 2006/08/27 20:30:41
  あっ、したー!(部活調・バレ大有) Rudolf 2006/08/27 23:28:58
  レポートお疲れ様です エル・カシン 2006/08/27 23:31:40
  楽しく拝読いたしました 松沢了 2006/08/28 00:33:45
  おお・・・やはり詳細だッ! とりなべ 2006/08/29 11:23:24
  BB配信視聴完了 銀次郎@桐島家 2006/08/29 20:54:43
  お疲れ様です。 涼蘭 2006/08/29 21:54:06
  毎回お疲れ様です。(ついでに、外でのモニタ... KeNJI 2006/08/31 23:03:05
  │└読ませて頂きました。 ローズ%↑紫水さんにもレスあり 2006/09/01 19:38:41
  はじめまして、如月紫水さん。 しぇれ 2006/09/04 00:30:04
  ようやく読み終わりました 夢織時代 2006/09/11 00:25:44
  おつかれさまでした。 でざいや@帝国遊戯団MG組・「黒」 2006/09/16 12:26:12

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