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舞台奏組〜薫風のセレナーデ〜全8公演レポ

  舞台奏組〜薫風のセレナーデ〜全8公演レポ 如月紫水@連投失礼 2013/10/06 23:04:23
  第一幕その2 如月紫水 2013/10/06 23:05:24
  第一幕その3 如月紫水 2013/10/06 23:06:42
  第一幕その4 如月紫水 2013/10/06 23:07:44
  第二幕その1 如月紫水 2013/10/06 23:10:41
Re: 舞台奏組〜薫風のセレナーデ〜全8公演レポ [返事を書く]
第二幕その1

ちなみに、今回は15分の休憩。3分間ショッピングはありません。

休憩の度にロビーに出て、ぎりぎりに戻るということをこの公演中はやっていたのですが
戻った際に、会場に響くのはサクラ2のBGMでは無く、大粒の雨音。
豪雨の中に居るような錯覚を覚えるほどのリアルな音に包まれ、徐々に客電が落ちて二幕の始まり。
暗転に響くのは、女性の歌声。

「あなたに愛された 口には出して言われなかった
だけどわかっているわ」

艶のある歌声とともに舞台下手階段にスポットが当たるとそこには和服姿の紫が。
着物の柄、髪型ともに正之助が持っていたあの人形と同じ。

♪夢の夢こそ

まさか、ここでゲストの方の歌が入るなんて思ってなかったのですが、雰囲気が変わるという意味で二幕の幕開けとしてはピッタリだと思いました。
公平先生がご自身のブログでおっしゃっていた「石川さゆりのような艶歌」に思わず納得するしかない、大人の世界観が表されていました。

「あなたに愛された この花赤く色づくように
心はあなた色に 染まる

この身は傀儡 身を捨てて 操り糸は三味の音
お初 徳兵衛 道行きと
夢の夢こそ あなた」

歌いながら階段を降り、舞台上手側で間奏に入ると同時に舞台段上下手に紫色の着物を身にまとい、傘を持つ正之助が。
その存在に気づき、紫は足早に階段を上がり傍へ。
すると、雨が降ってきたのか、二人で空に視線をやると正之助はすかさず手にした傘を開き、懐から布を取り出し紫の肩をそっと拭く。
ですが、紫はそっとその手に触れて止めると、その布を正之助の襟にかけて情を隠すように離れる。

「あなたを愛してる 行きつ戻りつ言わぬが花と
小指を噛んで泣いた」

それでも追いかけて傘を差し出し、肩を抱く正之助とともに下手階段を下りて舞台へ。


「あなたを愛してる 街の明かりが雪にかすんで
冷えた心で思う あなた

此の世のなごり 夜もなごり
死んでいく身をたとえれば あだしが原の道の露
夢の夢こそ あなた」

「お初 徳兵衛」、そして二番「此の世のなごり〜道の露」までは曽根崎心中より。
人形浄瑠璃の演目としても有名な悲恋の話。それはそのまま、この二人の行く末を連想させて…
見つめてくる紫に、正之助はただ微笑み、最後は傘をその手に持たせると自分はさっと上手へはけ
紫はその背を見つめ歌い上げる。

「夢の夢こそ あなた」

切ない表情から目を伏せ、しずしずと上手へはける紫。
拍手、そして暗転の後、場面は変わり下手に奏組五人が揃うかなで寮サロンへ。

ソファに腰掛け、ルイスに傷の手当てをしてもらうヒューゴの後ろに源三郎、源二。
ソファと揃いの椅子に腰掛けるジオがヒューゴの話に耳を傾けます。

ルイス「確かにその男は、デノンマンサーと言ったのですね」
ヒューゴ「間違いない」
源三郎「デノンマンサーって何なの?」
ヒューゴ「魔の音、魔音を操る者……デノンマンサーは魔音をもって降魔を操り
     更には人の心を魔音で浸食することで、降魔化させることも出来る」
源二「何だよそれ、めちゃくちゃじゃねぇか!」

思わずヒューゴの後ろに回り叫ぶ源二に源三郎が「じゃあ僕たちが遭遇したのは降魔化された…人?」と推測を口にすると
ヒューゴがさらに情報を重ねる。

ヒューゴ「降魔化するのは人だけではない」
ジオ「どういう意味だ?」
ヒューゴ「あの正之助という男が話しかけていた人形……あの人形も降魔化している」
ジオ「なんだと?」

思わず立ち上がるジオに、救急箱の蓋を閉じたルイスが四人を見渡しながら立ち上がる。

ルイス「その正之助さんについて調べてきました」
源二「お、おお」
ルイス「元は淡路の、文楽の家元、下村文楽軒に拾われた孤児だそうです」
源三郎「みなしご?」
源二「文…楽?」
ヒューゴ「人形浄瑠璃、か……」

ピンと来ていない源二が先程までジオが座っていた椅子に腰かけるとヒューゴがさりげなく情報を加える。
ここで、上手は過去の世界となり、上手段上には先程同様、紫の着物姿の正之助が書見台の前に座る姿が。

ルイス「詳しくはわかりませんが、とにかくその下村文楽軒という
    人形浄瑠璃の師匠が親代わりとなり、人形遣いとして厳しく育てられたそうです。
    そしてそこで…正之助さんは女給をしていた女性と恋に落ちた」

鈴の音が鳴り、下手のかなで寮側が暗転し、上段上手にスポットが当たると正之助の元にお茶を運んできた紫が膝をつく。
微笑んでお茶を差し出した紫に正之助が深刻な顔で「父上の容態はどうだ?」と尋ねると、その表情は一瞬にして曇り、黙って首を振る。
その様子に正之助は「そうか…」と短く呟き、懐から銭袋を取り出す。

正之助「ではこれで、何か精のつくものを買ってやるといい」
紫「な、なりません……このような事をなさっては父上や旦那様に叱られてしまいます」

恐縮し、深々と頭を下げる紫に正之助は「黙っていれば良い」と引かぬ姿勢。
居住まいを正し、顔を上げた紫を真直ぐに見つめる。

正之助「お前の父上は私の家族も同然。少しでも、何かの助けになりたいのだ」
紫「でも……!」
正之助「お前は昔から、親の居ない私を本当の姉弟にように気遣ってくれた。だから私は―――」

銭袋を紫の手に持たせようとするも、それよりも早く紫の声が正之助の動きを止めさせる。

紫「正之助様………私は…あなたの事を姉弟などと思ったことはございません。私は…っ」
正之助「紫……」

その先の言葉を紡ぐことを、目を反らしてためらう紫だったが、そんな紫を正之助はただ黙って抱きしめる。

紫「正之助様……」
正之助「ようやく師匠からも一人前と言ってもらえるようになった。
    私は、これまで私を支えてくれたお前に恩を返したい」
紫「正之助様と私では、家柄が違いすぎます…!」
正之助「構うものか。私も元は根なし草の孤児だ。何に寄り添うておらねば倒れてしまう。
    それに…(紫を真直ぐに見つめ)私は昔から決めていたのだ。寄り添う相手はお前しかおらぬと」
紫「正之助様……」
正之助「必ず幸せにする。だから、私を信じて…私に、お前を守らせてくれ」

真直ぐな想いを告げられ、紫も「嬉しい…っ」と涙ぐむ。
想い通じあった二人の間に、涼やかな鈴の音が響き、その音につられるように正之助が空を見上げる。

正之助「風……」
紫「え?」
正之助「風の香りがするな。寄り添いながら咲く草花の香りを、風が運んでくる」

ここで、二人の回想は一旦途切れ、舞台の照明は再び下手のかなで寮へ。

源二「ふ〜ん…で、二人は結婚できたのか?」

期待を込めた源二の言葉に、ルイスは表情を曇らせ首を振る。

ルイス「いえ…」
源三郎「え?なんで?まさかやっぱり―――」
ルイス「理由の矢は思わぬ方向から飛んできたようです。
    浄瑠璃の師匠、下村文楽軒はその頃腕を上げ、自分よりも人気の出てきた正之助を妬み……殺害を企てたのです」

穏やかならぬ理由に、聞いていた四人とも驚きを隠せない。

源二「殺害!?正之助を?」
ヒューゴ「まさか…」
ジオ「どうやって?」

下手が暗転し、再び上手に照明が入ると、上手上段から和服に丸眼鏡をかけた男性に、必死にとりすがる紫の姿が。

紫「お願いします旦那様…!!どうか…どうかご容赦ください!!」

膝をつき、指をついて必死に頭を下げる紫ですが、立ったまま腕を組んだ旦那―――下村文楽軒(演じているのは襟戸役の山沖さん)は一笑に付す。

下村「なぁに、簡単な事だ。(懐から小さな紙包みを取り出し)この薬を正之助の食事に、ほんの少し盛るだけの事…」

目の前に落とされた紙包みを凝視し、下村の足元に返すと立ち上がり顔をそむけた紫は「で、できませんそのような事…!私には決して……!!」
と断固拒否しようとしますが、続く下村の言葉は残酷なもので

下村「ならば、病気の父親がどうなっても良いと言うのだなぁ」
紫「父上が……」
下村「貴様は私の企てを知ってしまったのだ。加担する以外(薬を拾いあげる)
   ここの職を失う道しか残っておらん」
紫「お、お願いします!!どうか…どうか!!」

再び必死に膝をつき頭を下げる紫ですが、下村の心は変わらず

下村「ならん!…よいな、必ず!仕留めるのだぞ」

震える紫の手に、強引に薬を握らせ高笑いと共に上段上手へとはける下村をそれでも紫は「旦那様!!」と叫びながら追いかける。

ここで過去から現在、上手から下手へと照明が変わり、ルイスが険しい表情で事の顛末を語る。

ルイス「嫉妬に狂った下村文楽軒の行動は、常軌を逸していたという話です」
源三郎「それで、どうなったの?」
源二「その紫って女は?」
ルイス「…自害しました」
源三郎「……冗談でしょ?」
ルイス「本当です。正之助さんに、一通の手紙を残して―――」
ジオ「手紙?」

ただただ不幸な方にしか進まない話に、思わず言葉を詰まらせる源二と源三郎。
言葉にせずとも、ヒューゴも周りと同じ心持のようで、語りながら最下手へと歩くルイスの背中を見つめる中、再び場面は上手へ。
上手から現れた紫はすっかり憔悴しきった様子で、その右手には小刀が

紫「……前略、正之助様。
  先立つ私をどうかお許しください。
  この世の現(うつつ)は世知辛く、どうにもならぬ事ばかりにございました…
  ただ…そんな中で出会えた正之助様は、私にとって光にございました…!」

想いを馳せるように、振り返り、上手上段を見上げると、そこには呆然と佇む正之助の姿がスポットに照らされる。

紫「…暗闇で包まれた暖かな光りは、私の一生の宝にございます。
  私は…その光りを失いとうはございません……
  (膝をつき前を見据え、小刀を構える)ただ、その想い一つにございます」

それだけ告げると、紫は首筋に当てた小刀をためらいなく引き、その場に倒れ込む。
残されてしまった正之助もまた、絶望に目の前を閉ざされ、力なく膝をつく。

紫(声)「正之助様、お願いです。どうか…どうか今宵の食事には
     決して手をつけることは無きように…その器には、毒が盛られておりますゆえ」

紫の必死の訴えが終わると、丁度配膳係(演じ手は暮役の高橋くん)が件のお膳を持って正之助の前に置く。
再び、正之助の耳には紫と過ごした時に聞こえた鈴の音が。

正之助「風だ……」
食事係「…は?」
正之助「風の薫りがするな…」
食事係「はぁ……失礼します」

正之助の言葉の意を解さず、形だけの礼をして段上下手へ去る食事係。
一人になった正之助は、穏やかな表情で椀を手に取り、一気にその口へ汁を流し込む。
苦悶の表情を見せたのは短い時間で、ほどなくして正之助もその場に倒れ込む。

倒れた二人を残したまま、下手に照明が移動し、源二がストレートに感情を表す。

源二「どうして、なんで食っちまったんだよ!手紙読んだんだろ?」
ルイス「理由はわかりません。ただ……」
源三郎「ただ?」
ルイス「(四人を振りかえり)一命は取りとめました」
ヒューゴ「なぜだ?」

ヒューゴの疑問に答えがかえる事は無く、拍子木の音と共に下手側が暗転し、上手側の二人にスポットが当たる中、
地に響くような声を発しながら緋独楽が舞台中央から現れると同時に、頭を押えながら紫が身を上げる。

紫「う、うぅ……これは一体…!?(緋独楽の存在に気づき、後ずさる)
  貴方は……!?」
緋独楽「時間が無い。急がねばこの男は死ぬぞ」

そう言われ、初めて緋独楽の傍らで動かない正之助の存在に気づき、紫は驚きに目を見開いて駆け寄る。

紫「正之助様…?正之助様!!!
  (すがりつき)どうして……文を読んではくださらなかったのですか…!」
正之助「(うっすらと目を開け)紫……生きていたのか…」
紫「いいえ、私は死にました。正之助様はこっちに来てはなりません…!!」
正之助「…お前のおらぬ世界に生きて、何の意味がある…」
紫「正之助様……」
正之助「すぐに…追い…かけ……」

それだけ告げて、目を閉じ、腕の力が抜けていく正之助に、必死に呼びかける紫。
そんな二人の様子を傍らで見ていた緋独楽がニヤリと笑う。

緋独楽「どうする?今ならまだ間に合うぞ。今なら…
    これからもずっとそやつの傍らに居られる手立てが一つだけある」
紫「……そのような事が…そのような事ができるのですか?」
緋独楽「もちろんだ」

話に耳を傾ける紫に、ハッキリと答えた緋独楽はその答えを聞く前に動かぬ正之助の身体を担ぎ上げ「ただ、条件がある。ふはははは…!」
と笑いながら上段上手へ去る。紫は「条件……」と呟きつつも、その後を追う。

上手に誰もいなくなり、紗幕が下りた所で再び下手にスポットが。

ジオ「…つまり、そこのデノンマンサーが関係していると?」
ルイス「おそらく」

あくまでも推測、ということは先程のやり取りは当人達しか知らない取引だった、ということですね。

ヒューゴ「正之助は命と引き換えに、目の光りを失った。
     そして紫は、降魔化し人形に宿ることで、正之助の光りの代わりとなった―――
     これで全ての辻褄があう」

推測ですが、ほぼ確信を得た結論に、ジオがさらに考察を重ねる。

ジオ「我々が遭遇した傀儡集団と、最近横行している人さらいの事件が繋がっているとすると……
   ターゲットは、若い女性ということになるな」
源二「若い、女性?」
ルイス「そういえば…音子さんはどうされたのでしょう?」

源二のつぶやきにハッと気づいたルイス。
周りも同じようになぜ居ないのか見当がついてないのですが、ただ一人、源三郎だけは視線を泳がせていて

源三郎「それが……」

言いかけるのですが、背を向けてそれ以上の言葉をつぐんでしまう源三郎。
しかし、源二にはそれだけで察しがつき「まさかあいつ、夜の見回りに!?」と口にすると
他の三人の表情も変わる。

ルイス「見回り?」
ジオ「どうして音子くんが?」
ヒューゴ「ミヤビ…っ」

立ち上がり、すぐさま寮を出ようとするヒューゴですが、その反動で傷が痛み、その場で膝をついてしまう。
すかさず源二が近づき支えながら椅子に戻すと「ヒューゴは休んでろ。行くぞ、源三郎!」といち早く上手に向かって駆けだす。
まさかあの口喧嘩からこんな事になるなんて思ってなかった様子の源三郎も「うん……」と素直に頷いて、兄を追おうとすると、ジオが声をかける

ジオ「俺は浅草の方を回ってみる」
源二「じゃあ俺達は銀座方面だ!」

方々に動きだすと同時に、時刻を告げる鐘の音が10回鳴る…と言うことは、ただいまの時刻は22時というところでしょう。
残ったルイスは救急箱を手に持ち、険しい表情で腕を押え一点を見つめるヒューゴに声をかける。

ルイス「ずいぶんと詳しいようですね。デノンマンサーについて」
ヒューゴ「………………」
ルイス「…どうされますか?やはり今夜はおとなしく―――」
ヒューゴ「いや!……すぐに、追いかける…」
ルイス「……わかりました」

静かに返事をすると、そのままルイスは下手へとはけ、残ったヒューゴは
幼い頃の記憶を手繰る。
銃声の中で「母さん!姉さん!」と叫び、その赤い背景から続けて前奏が流れてきます。

♪悲しみのソナタ

こちらもショートバージョン。
一番から転調してラスサビへ。転調部分に差しかかる前に舞台上段、紗幕の向こうにスポットが当たり
源二や弓を持った源三郎、レイピアを手にしたジオとルイスが次々に現れ音子を探して奔走していく。

そして最後に、紗幕が上がった舞台中央奥から上段に現れたのは及び腰になりながらも懐中電灯であたりを照らし、気丈に前を見る音子。
今回、みんな音子ちゃんと一緒に歌って踊っていたので、どうするのかと思っていたらこうくるか…!と初日はひそかに唸りました。
前回のヒューゴの歌では守りたい対称は漠然とした女性像でしたが、今回はちゃんと音子ちゃんの事を考えていると。

歌の終盤で音子が下手上段に駆けていき、ヒューゴも最後は上手階段を上がり、上段上手で歌いあげてそのままはけていきました。
それにしても、今回のヒューゴの歌声は伸びても安定している…

さて、場面は変わり暗転の間に階段が中央でくっついた状態に変わったところで
下手から現れた音子が眠りにつきかけた帝都をびくびくしながら見回るが、中央辺りで誰に言うわけでもなく大きなため息をつく。

音子「…源三郎くんの言う通り…わたしったらどうしてすぐ安請け合いしちゃうんだろう…
   (階段の中腹に立つ)もしかしてこれが、不幸を招く最大の理由?」

自分で自分を分析していた音子のもとに「どどどどどどど!!」と大きな声と共に五人の人物が現れあっという間に音子を取り囲む。
(上段に疾風、旋風。舞台上にバンブー、イドラ、ミュゲ)

音子「うわわわわわっ!!な、なんですか、あなた達は!」
イドラ「我らは傀儡集団」
全員「醤!!」(決めポーズ)
音子「…ん?この口上、どこかで聞いたことがあるような…」

懐中電灯を構えて警戒していた音子ですが、何か引っかかり首を傾げるも
ピンと来る前にミュゲが本題を切りだす。

ミュゲ「おい貴様!どこからきた」
音子「ど、どこからって、それは、その……」
イドラ「生まれはどこだと聞いてるんだ!」
音子「う、生まれ?(頷くミュゲたち)生まれは、出雲です…」
バンブー「ほぉ〜島根かぁ」
ミュゲ「しまねっこで有名な?」

来たゆるキャラ!(笑)
そして「しまねっこ?なんだそりゃ?」と律儀に反応するイドラ。

ミュゲ「お前知らんのか?出雲のゆるキャラ、しまねっこ!」
バンブー「はぁ?」(この間に、上段に居た疾風、旋風も階段を降りる)
ミュゲ「特技は、締め縄作りの「しまねっこ」!」
疾風、旋風「知るか!!」

おお、ダブル蹴りツッコミ入りました(笑)

旋風「今はそんな事」
疾風「どうでもいい」
全員「醤!(ジャン!)」(決めポーズ)
音子「おやすみなさーい…」

自分たちのノリツッコミの世界にいた醤の皆さんに、音子は控えめに挨拶をしてサッサと去ろうとするのですが
さすがにそこはそうは問屋がおろしませんでした。
慌てて引きとめられた音子はいつもの調子で「わたし今見回り中で忙しいんです〜」と抜けだそうとしますが
バンブーに「そんな連れないこと言わないで(肩を押され階段から舞台へ)俺達の芸、見てってよ」とひきとめられる。
怪しんでいたものの、五人で決めポーズをとっての芸に、少し興味がわいたようで「芸?」と目を輝かせていると
下手から正之助と腕を組んだ紫が合流。

紫「あら?誰かと思ったら音子ちゃんじゃない!」
音子「(呼ばれて下手を見て)紫さん!…それに、お隣の方はもしかして……」
正之助「やぁ…その声はたしか、昼間の……」
音子「やっぱり!」

三人のやり取りが既に見知った者同士という事態に、構えていた醤の皆さんもポーズをといて事態を見守る。
そんな周りの異変に気づかず、音子は正之助に前に駆けより、ぺこりと頭を下げる。

音子「すみませんでした…わたしのドジで荷物を取り違えてしまって…
   わざわざ取り替えに、劇場まで来て頂いたとか……」
正之助「ええ、まぁ……」
音子「本当に、申し訳ありませんでした!」
紫「音子ちゃん。この人はね…あたしの、旦那なの!」

どうも歯切れの悪い正之助ですが、紫が腕を組んで音子にそう笑いかけると音子は目を大きく見開いて「え?え?ええええーーー!?」と後ずさる。
(この間に、醤の皆さんが「見えてる?」「見えてる」とひそひそと話しているようでした)

音子「そうだったんですか?すごい偶然……
   (笑顔の紫ににやりと笑う)へぇ〜、こんな素敵な人が旦那さんだなんて。
   紫さんも、隅におけないなぁ〜このこのこの〜!」
紫「(笑って)止してよぉ!ふふ、じゃあまたね」

茶化して小突いてくる音子を笑顔でかわし、すっとその場を去ろうとするのですが…

音子「へ?行っちゃうんですか?」
紫「え?」
音子「だって今、芸を見せてくれるって。ねぇ?」

音子が醤の皆さんに声をかけるものの、全員なんとも歯切れの悪い返事を。
そんな中、イドラが足早に近づき紫に耳打ちを。

イドラ「いかがいたしますか、紫様。たしかに手ごろな娘に違いありませんが…」
疾風「止すんだ。顔見知りはまずい」
バンブー「確かに。それにこの娘、紫様の姿が見えているようだ」
ミュゲ「タダもの者ねぇぞ…」

この間に音子は何か違和感を感じたのかあたりを見渡し、怪訝そうに眉根を寄せる。
(音子の耳には、ドン……ドン……と太鼓の音が聞こえている)

音子「なに、この音……紫さん?
   どうされたんですか・なにか、様子がおかしい―――」
紫「な、なんでもないわ!」

ひきつった表情で、音子の瞳から逃れるように人形を包んだ風呂敷包みを抱えたまま足早に下手へと逃げる。

紫「きょ、今日はあまり調子がよくないの。昼間道に迷っちゃったでしょ?だから―――!」

どうにかしてこの場を抜け出そうとする紫ですが、カン!!と一際大きく響いた拍子木の音に「うっ!?」と
身体の自由が一瞬にして奪われる音子。
続いた地を這うような声に、膝をつき、頭を押える。

音子「この音……それに、この瘴気は……」
紫「緋独楽様…!!」

自由を奪われながらも、事態を把握しようとする音子。
一人うろたえる紫をよそに、正之助はじっと中央で音子に背を向けたまま動かず、醤の五人はあの歌を合図に、ミュゲとバンブーはマントを外し、上手に投げる。

緋独楽(声)「条件を忘れたのか?
       生きながらえたければ、生娘の血を絶やすな」
紫「ですが、この娘は……!!」

音子を守ろうと、必死に取り繕う紫でしたが、誰よりも早く正之助が音子を振りかえり、右手をその首筋に当てる。

音子「うっ……!」
紫「正之助様っ!」
正之助「何をしている、早くこの娘を―――」
紫「なりません正之助様!正之助様っ」
正之助「どけっ!!」

紫の必死な訴えもむなしく、腕にすがりついてきた紫を力任せに払うと、目の前の音子に狙いを定める。

正之助「お前が生きながらえるなら、私は鬼にでも悪魔にでもなってみせる!
    (背後から音子の首をしめ、5人に向って)何をしている?はやくやるんだ!」
醤「おお!!」
正之助「すまん…なんの恨みも無いが、紫のためだ。許せ」

苦しさに、顔をゆがませる音子。このままだと…と思った瞬間、客席上手通路から「源三郎、あそこだ!!」と源二の声が響き
返事の代わりに正之助目指して真直ぐに矢を放つ源三郎。
ですが、その存在にいち早く気づいた紫が「正之助様、危ない!!」と正之助と音子の間に割って入り、自らが矢を受ける。

目を見開き、そのまま上手へと走り姿を消す紫。
醤のメンバーが口々に紫の名前を上げる中、正之助の力から解放された音子は、その場にぐったりと倒れ込む。
このままでは状況はさほど変わらない…かと思われた瞬間、上手上段からレイピアを構えたジオも合流。

ジオ「音子くん、無事か?」
音子「ジオ…さん……」
イドラ「かかれ!!」

イドラの声を合図に、動き出す面々。(BGMは前回の戦闘時のもの)
戦闘開始と共に、下手上段からはゆっくりと自分の身の丈よりも長い棒を持った緋独楽の姿も。

ジオは目の前の疾風、旋風を。舞台に駆けあがった源二、源三郎はイドラ、ミュゲ、バンブー三人を相手に殺陣!
(倒れている音子に真っ先に近づいたのは源三郎。「ミヤビ!ミヤビ!」と声をかけて無事を確かめていました)
兄弟の殺陣は、いわゆる戦闘的なのですがジオが…!基本のレイピアの動きをしつつも、かわすときに高くジャンプしたりと…なんというか
キャラクターがはっきりした殺陣ってすごい!と思ってしまいました。
それと、源二の殺陣は日によって少し変わっていました(片手側転が間にはいっていたのですが、それが無くなり、ただ飛び起きるだけになったり。回し蹴りが減ったり)

源三郎はバンブー、ミュゲ。源二がイドラを引き受け
三人でなんとか敵の攻撃を防いではいるものの、緋独楽がその間をぬって音子に近づく。
源三郎、源二がそれぞれ下手、上手にはけるのと入れ違いに下手上段から二本の剣を持ったヒューゴとルイスが合流。
「ミヤビ!!」と真っ先に音子の姿を見つけ、そしてそれにせまるデノンマンサーを振りはらうために、ヒューゴは足早に音子の前へ。
ルイスは段上下手に残り、上手へはけて行ったジオと入れ違いに疾風、旋風を相手に立ち回り。
(ルイスも基本的に近距離戦なのですが、最後は下手側にホルスターから戦輪を取り出し、投げていました)

二本の剣で立ち回り、純粋な勝負ならば、ヒューゴにも分があったことでしょう。
けれど、相手はデノンマンサー。
緋独楽がカン!と音を一つ打ち鳴らすだけで、ヒューゴの身体も音子同様動かなくなってしまう。

ヒューゴ「何だっ……身体がっ…!!」

抵抗も防御もできないヒューゴ。
イドラがゆっくりともともと負傷していた傷の部分に刀をあて、容赦なく引き抜く。(この瞬間、ヒューゴが負傷したとわかるよう、一瞬赤い照明があたる)
「ぐわぁっ!!」と思わず声を上げるヒューゴですが、代わりに身体が動くようになったため、怪我を押してさらに大立ち回り。
しかし、それでも緋独楽を止めることはできず…まだ意識もおぼろげな音子を連れ去りそうになりましたが「ミヤビを離せ!!」とヒューゴの必死の守りにおいて阻止。

ようやく意識がはっきりしてきた音子は階段のすぐそばで緋独楽、ミュゲ、イドラを相手に戦うヒューゴを見守りますが、多勢に無勢。
緋独楽の棒が鳩尾に入り、蹲るヒューゴに思わず駆け寄る。

音子「ヒューゴさん!!」
ヒューゴ「逃げろミヤビ…!」
音子「でも…!!きゃああっ」

イドラ、ミュゲの同時攻撃を、剣でいなし、さらには緋独楽の棒も自らの方に抱え込み、隙を創り上げ「早く!!!」と音子を逃がす。
下手へと逃げて行った音子は、舞台に戻ってきたルイスと合流し、ルイスは音子を背中で守りながら目の前の敵との距離を測る。
反対側の上手にはジオが。
上段下手には源三郎、上段上手には源二がそれぞれ傀儡たちを相手に立ち回り。
戦いながら、お互いが集まりなんとか体勢が整ってきたところで、舞台上段中央で睨みをきかせていた緋独楽が
棒を一つ叩いて合図をすると、そのまま中央奥へ去り、その姿を見た傀儡たちもイドラの「引け!今日の所はひとまず!!」の合図で方々に逃げる。

そんな中、正之助だけがまだ混乱の渦中で「紫どこだ…どこへ行ってしまったんだ!」と見えないがゆえにすぐ近くの風呂敷包みに気づかず
ミュゲに「何をしている!退散だ!!」と半ば強引にこの場を離れさせられ、しんがりを務めたイドラが一太刀で威嚇をし、怯んだ隙を見て足早に自身も上段上手へ。

「待て!!」と源二、源三郎が後を追おうとしますが、既にあたりに姿は無く見失ってしなかったようです。
でもひとまずもう敵の気配はしないということで各々構えを解いてルイスの傍にいる音子に駆け寄る。
(途中、源三郎が足もとに転がる風呂敷包みに気づき「何これ?」と拾いあげる)

源二「音子!!大丈夫か?!」
音子「……ごめんなさい…わたし……」

声が震えている音子。
ヒューゴは剣を二本とも片手に持たせ、もう片方で広がってしまった傷口を押え、音子の前に立つ。
そんなヒューゴに駆ける言葉が見つからない音子。

音子「ヒューゴさん……」
ヒューゴ「…逃げろと言ったはずだ」

それ以上、目も合わさず下手に去るヒューゴ。
どうすることもできない音子に、みんなあえて声はかけず源二が「俺はもう少しこの辺を回って見る!」と階段を上がると
「俺も行こう」とジオも共に動く。
ルイスが二人に向けて「皆さん。どうか、十分お気をつけて…」と声をかけると、それぞれに返事をして下手上段へと走り去る。
それを見送り、ルイスも上手上段へ。

残された源三郎は、何かもの言いたげでしたが、それでも無言で風呂敷包みを差し出すと、あたりを警戒しながら下手へ。
一人になった音子が風呂敷を見つめると、見覚えのある花組への手紙がそこにあり…
如月紫水 <rxqkycrwxn> 2013/10/06 23:10:41 [ノートメニュー]
  第二幕その2 如月紫水 2013/10/06 23:12:22
  第二幕その3 如月紫水 2013/10/06 23:14:05
  第二幕その4(バウ) 如月紫水 2013/10/06 23:14:31
  │├21日アフタートーク 如月紫水 2013/10/06 23:15:23
  │├22日アフタートーク 如月紫水 2013/10/06 23:16:12
  │└ハプニング&千穐楽集 如月紫水 2013/10/06 23:18:28
  読了しました&気づいた事 とりなべ 2013/10/12 12:53:47
  │└ありがとうございます!! 如月紫水 2013/10/15 22:42:18
  追記:薫風のセレナーデDVD発売記念イベ... 如月紫水 2014/03/18 21:04:39
   └「トークショウ、君に」参加記録その2 如月紫水 2014/03/18 21:05:14

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