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奏組〜雅なるハーモニー〜14公演中8公演レポ

  奏組〜雅なるハーモニー〜14公演中8公演レポ 如月紫水 2012/11/17 01:27:08
  第一幕その2 如月紫水 2012/11/17 01:30:32
  第一幕その3 如月紫水 2012/11/17 01:31:17
  第二幕その1 如月紫水 2012/11/17 01:32:15
Re: 奏組〜雅なるハーモニー〜14公演中8公演レポ [返事を書く]
第二幕その1


暗転後、場面は変わり舞台下段中央には木のベンチ(2〜3人がけ)が一つ置いてあり、一幕ではヒューゴが手にしていた赤い表紙の本が客席から見て左側に置かれています。
が、人物が現れたのは上段上手から。
大きく伸びをする襟戸に続いて、ケースに入れたバイオリンを両手で持った暮が現れるのですが

襟戸「いやー、今日もいい汗かいたな!」
暮「練習、お疲れ様であります」

にこやかに声をかけつつも、汗という単語に思うところがあったのか、続けて尋ねる暮。

暮「…時に襟戸さん。そのシャツ何日目?」
襟戸「四日目」
暮「くさ」
加集「おーーーーい!!」

なんだか、馴染んでる!?(笑)
そこへ、大声と共にバイオリンケースを抱えながら上段上手から走り込んでくる加集。
勢いで二人を追い越して下手まで走ってしまうのですが二人に手まねきされて慌てて戻る。
(5日以降は、さらに行きすぎて下手に一旦はけてから戻ってく)

加集「おれ!!みた!!みや!みそ!みれ!!(襟戸に近づきすぎて)くっさ!!」

ああ、でもどんなときでも襟戸くんのシャツには反応するのですね(笑)
ちなみに、この下り…アドリブになっていきました(笑)

7日
暮「時に襟戸さん。そのシャツ何日目?」
襟戸「一週間」
暮「…鼻の感覚がマヒして、わからないであります」

その後、いつも通りくさい!と叫んだ加集に対し「まだ麻痺してないのがいたであります」と冷静な暮。

10日昼
暮「時に襟戸さん。そのシャツ何日目?」
襟戸「ああ、二週間」
暮「はは……くさ」

その後の加集「くっさ!!!!目にくる…!!」

10日夜
暮「時に襟戸さん。そのシャツ何日目?」
襟戸「ああ、二週間」
暮「うわっ………なんだか、目にくるであります…」

その後の加集も「しかもくさい…!」と昼と似たような感じでした。


襟戸「落ちつけよ!何言ってるか全然わかんねぇよ」
暮「こういうときは、掌に人という字を三回書いて飲み込むと良いであります」
加集「人、人、人……ふぅ…」

暮のアドバイス通りに抱えていたケースを足元に置いて、掌に人を三回書いて飲み込んでようやく落ち着いた加集。

加集「俺見たんだよ、例の雅音子ちゃん!」
襟戸・暮「なんですとーー!?」

そして落ち着いた加集の口から告げられた内容に、今度は二人が叫んで、少しでも話を聞きたい心理なのか、下手側にいた加集に足早に近づき、囲む(笑)

暮「かわいかったでありますか!?」
加集「いやそれがさ、シベリウス総楽団長のデカい身体の陰に隠れててさ
   顔は見れなかったんだよね」
襟戸「なんだよ、結局見てねぇんじゃねぇかよ」

期待とは裏腹な現実に、がっくり肩を落とす暮と襟戸。

加集「で、五人が控室から出てきたからいろいろ聞こうと思ったんだけど
   ルイスが秘密ですって」
暮「ヒューゴさんは?」
加集「ああ、なんか苦〜い顔してた」
暮「そうでありますか…」
加集「まぁまずは、ヒューゴとルイスのコンビに認められないとだからな〜」
襟戸「待て待て、その二人のどこがコンビなんだ?
   ヒューゴはひたすら無口だし、ルイスはみんなに優しいし。
   特別コンビってわけじゃないだろ」

冷静につっこむ襟戸に、軽い口調で喋っていた加集は目を瞬かせてコンビ、で出していた両手の人差し指を交互に見る。

加集「確かにそうだなぁ…コンビって言うよりは……
   あ!あれだ!
   無口で怖いお父さんと、優しいお母さん!」
暮「まさにそれであります!」

それでいいの!?!?(笑)

暮「なぜかあの二人を見ていると、田舎の父上と母上を思い出すであります。
  特に、暖かい紅茶を淹れているルイスさんの横顔からは
  思わず甘えたくなるくらいの母性があふれ出てるであります〜!
  …ってあれ?ちょっと待ってくださいよ〜〜!!」

最初こそ、暮の言葉に頷いていた加集と襟戸ですが「暖かい紅茶〜」の下りで首を傾げ、うっとりしている暮を置いてさっさと上段下手へ(笑)
この間に、まさにその話題のルイスが下手からティーカップとティーポット、ローズマリー、レモングラス、カモミールと書かれた缶を乗せたワゴンを押して登場。
暮も二人を追いかけてはけると、ルイスのソロ曲へ。

♪あなたファンタジア

終始優しい曲調だな〜という印象。漫画で音子ちゃんが初めて会った時に「透き通るような」と称したルイスの雰囲気に合った曲という印象です。
で、その歌の先にいるのは、上手からやってきたヒューゴ。
(歌詞だけ見ると特定の誰か、というわけではないのですが今回はヒューゴに向けて歌われていました)
難しい顔のまま上手階段に腰掛けたヒューゴに、ルイスは紅茶を淹れる準備をしながら歌いかけます

「あなたが心配です
 いつもあなたが 夢を見失ったとき
 紅茶をいれましょう

 大きく息をはきなさい
 心の重り ゆっくりとれて 軽くなるはず」

目線だけを動かしていたヒューゴですが「大きく息をはきなさい」の部分では本当に深呼吸(といってもわかりにくいですが)しているのが、ああ知らず知らずルイスの空気にほだされていってるんだなぁと思っていると、立ち上がり中央のベンチに腰掛けたヒューゴの後ろでさらに歌うルイス

「私を信じて 全てをゆだねて
 あなたの心を開いて 少し微笑みなさい
 そう 微笑みなさい
 世界が少し明るく見えるでしょう」

ルイスに肩に手を置かれて、目線があった後少し、目元がやわらかくなるヒューゴですが、リラックスというよりはちょっと切なげでした。

「あなたが心配です いつもあなたが
 愛に迷っているとき 花を飾りましょう
 色とりどりの花たちが
 愛が一つの形じゃないと 教えてくれる」

でも、ストリングス隊の三人が紅茶の香りに誘われるように横ステップを踏みながら上段下手から入ってきたらまたヒューゴは目元に力を入れて上手階段へ。後は、ほとんど三人組やルイスを見ないでじっとしています。
対称的に、ストリングス隊はルイスの入れた紅茶をそれぞれ手に、ものすごく癒された笑顔で息もぴったりにステップを踏んでいて面白いです(笑)

「私を信じて 全てをゆだねて
 あなたの心を開いて
 私 あなたの愛がいま見えた気がする
 迷わずあなたの道を 歩きましょう」

ベンチに座り、いざ紅茶を飲もうとした三人が持ち手に触れて熱っと、とっさに耳たぶに触れてから、今度は注意深く持って紅茶を飲む動作の表情まで合わせてるところが最高にツボです(笑)
その後、間奏部分で舞台の下手から上手へと歩くルイスにワゴンを押しながらついて行く三人…ルイスが立ち止まって振りかえる度に「はぁ〜」と笑顔でため息を連鎖させてました…見つめられたときなんか、三人そろってのため息でした(笑)
紅茶を堪能した三人は、ルイスが下手へと向った流れに合わせてワゴンを元の位置に戻し、下手階段を軽快に上がって上段下手へとはけて行きました。

「いつかあなたの夢を あなたの愛を
 また見つけることができるでしょう」

再びヒューゴと二人になったルイスはベンチの上にあった本を手にし、ヒューゴにそっと差し出す。
それを受け取り、本を広げるヒューゴ。

「私を信じて あなたを信じましょう
 そして 私は あなたを守りましょう
 私を信じて あなたを信じましょう
 そして 私は あなたを守りましょう

 これはあなたに送る ファンタジア」

舞台中央で伸びやかに歌い上げたルイス。
拍手が収まるのを待ち、一息入れてワゴンの傍へ。

ルイス「ふぅ…今日は、そうですね…
    カモミールとレモングラスのブレンドティーにしましょう」

それぞれの缶を手にし、蓋をあけてティースプーンをつかってティーポットへと茶葉をいれつつも、上手で本を広げたままじっとしているヒューゴを一瞥する。

ルイス「そんなに心も体も堅くしていては、疲れますよ?
    ……まだ納得がいっていないというご様子ですね」
ヒューゴ「…当たり前だ」

パタン、と音を立てて本を閉じて返事を返すヒューゴと目を合わせるルイス。
ここで、舞台は暗転し、回想モードへ。
(暗転中、ルイスは立ち位置を変えませんでしたが、ヒューゴは本を階段に置いて立ち上がり上手で腕組み)
ブーツが床を蹴る音が響き、扉が開く音と同時に、舞台奥から現れた音子にスポットが。

音子「失礼します!!雅音子、16歳!出雲から女優を目指し上京してきました!
   この度は、憧れの帝國歌劇団・花組さんへの入団が決まり
   大変光栄に思っております!
   精一杯頑張って、いつかセンターに立てるように…!!
   ……あり?」

音子が緊張しつつもしっかりと挨拶をしている間に、上段上手からはジオ、上段下手からは源二と源三郎がそれぞれ暗転の中現れ、音子が様子がおかしい事に気づくと、照明が入りお互いの顔を認識する。

ジオ「ん?」
ルイス「おや?」
源二・源三郎・音子「あーーーー!!!!」

源二、源三郎、音子はお互いにお互いを指さし(笑)
そこから、音子は自分の周りにいる人たちの顔を順番に確認。

音子「赤毛さんに…!金色さんに…!
   (数歩ジオに近づき)王子さまに 
   (反対側を向いて)優しくしてくれた元気な子に」
源二「よぉ!」
音子「(思いっきり離れながら)意地悪で生意気そうな子!」
源三郎「ちょっと!なんで僕だけ印象最悪なのさ!」

笑顔で目を見返す赤毛さん。金色さんは顔を動かすけど、正面からは見てない
王子さまは普通に見返し、元気な子が挨拶をして…意地悪で生意気そうな子は一人扱いが違う事が気に入らないのか、音子を指さしながら食ってかかるのですが、ちょっかい出す前に源二に首根っこ掴まれて強制的に戻されていました(笑)

音子「なんでここに!?」
源二「そりゃこっちの台詞だよ。ってか、雅音子って…!」
ジオ「いや、しかし…花組に入団?」
音子「はい!!」
源三郎「(ふっと笑って)あんたそれ、本気で言ってるの?」
音子「もちろん本気です!ちゃんと通知がきて…(風呂敷を開けようとするものの)
   ああ!!そうだ…通知もあのトランクの中だぁ〜…
   (ジオに向って片言で喋る)知りませんか〜わたしのトランク〜
   出雲たいしゃ〜のお守りがついてる〜〜」

最初は大きく腕を広げて尋ねていたのですが5日からジオのポーズのマネをしながら尋ねるようになりました(笑)
が、そんな音子ちゃんの面白さには一切触れず、普通に切り返すジオなのでした(笑)

ジオ「出雲大社?」
源二「なんだよ、まだ荷物見つかってないのか?」
源三郎「そんなことより、その通知には何組に配属って書いてあった?」
音子「何組?
   …帝國歌劇団って、花組さん以外にもあるんですか?」

音子の発言にそれぞれため息をついたり、大仰に驚いたりする面々。

源二「あっはは!お前、なに言ってんだ?
   いいか?―――」
シベリウス「雅音子くん」

流れにのって源二が説明を始めようとするのですが、それよりも早く、上手から現れたシベリウスが場を仕切ります。

シベリウス「君の所属は、帝國歌劇団・奏組だ」

キッパリと言い渡された耳慣れない組名に音子の動きと表情がピタリと止まり

音子「か・な・で…ぐみ!?」
源二「おう!」
音子「えぇえええええーーーー!?」

音に合わせてジオ、ヒューゴ、ルイス、源三郎、源二を見て驚きの悲鳴を上げる音子
この間に源三郎はシベリウスと音子を交互に見て一番驚きを表に出してるかも。
思わず上手へと後ずさった音子ちゃんですが、ジオにぽんと支えられ、驚きつつも中央に戻る

ジオ「やはりそうか!」
源二「それじゃあ、お前が俺達の新しい隊長?!」
源三郎「ちょっと待ってよ!いくらなんでもこんな田舎者丸だしのイモ女が!?」

源三郎の失礼なもの言いにツッコミはいれつつも、自分の腕をさわってからの流れで音子ちゃんの腕をさわったり、話の外側で身長を比べ。自分より低い!と確認し源三郎と共に下手上段に移動し「ムキムキでも、でっかくもないぞ?」と動きで主張する源二。
それをうっとおしそうに、しつこい!と手で払う源三郎。
そんな兄弟のやりとりが端で繰り広げられる中、他のメンバーはじっとシベリウスを見つめて先の言葉を待ちます。

シベリウス「私は、君が配属される奏組の総楽団長
      ヨハン・シベリウスだ」
音子「わ、わたし…花組に入れるんじゃ!?」
シベリウス「何度も言わせるな。(上手階段を上がり上段の音子の前へ)
      君は、この大帝國劇場で音楽全般を担当するオーケストラの
      指揮者見習いとして入団を許可されたのだ。
      出雲の小劇団では、音楽を担当していたのだろう?」
音子「あ、はい……指揮とフルートをやっていました。
   でも、それは人出が足りなかったからで、わたし…本当は女優に…!」
シベリウス「しばらくは、フルート奏者として参加しつつ
      指揮の練習も並行して行ってもらう。
      練習やリハーサルから、徐々に指揮台に立つことになるだろう
      そして…今後はこの雅くんがお前たちのマエストロとなる」

音子の主張を一切聞かずに、今後の予定を一方的に告げながら音子の前を横切っていくシベリウスの背中に向って音子ちゃんが「む〜〜しぃ〜〜〜?」とむっとした様子で口だけ動かしている中、最後の奏組に向けて言われた言葉に反応する。
他の三人は微妙に目線を動かすだけの中、源三郎は兄さんの腕を引き、どいうこと?と視線を投げても源二はおう!と頷くだけではぁ…と肩を落とす源三郎…兄弟、近くにいるだけあってやりとり多いです。
でも、一番驚いているのはやはり音子ちゃん。

音子「マエストロ…?…指揮者?!わたしが!?」
シベリウス「雅音子くん」
音子「は、はい!」
シベリウス「大帝國劇場のオーケストラ奏組には
      普通のオーケストラとは違う、もう一つ。
      別の重要な仕事がある」

そんな音子に、たたみかけるように懐から取り出した辞令を手渡すシベリウス。
封筒を開け、中身を確認した音子に、同様の内容を口にする。

シベリウス「秘密部隊、帝國華撃団の一員として、この帝都を霊的な襲撃から守ること」
音子「帝國華撃団……あ!「かげきだん」の文字が違う!?」

華撃団としての話、となると奏組全員の顔が、真剣なものになり、照明も音子とシベリウスにスポットが当たるのみで暗がりに。(BGM「作戦会議」)

シベリウス「華撃団には、様々な部隊が存在するが
      我々は帝都に出現する魔障事件の被害を最小限に抑え鎮静する
      魔障陰滅部隊・奏組。
      君は、その隊長に選ばれたのだ」

下手の階段を降りながら説明するシベリウスですが、音子は次々に発覚する予想外の事態にその場で固まったまま。

音子「ちょっ、ちょっと待ってください!!
   秘密部隊…?魔障陰滅……?何の事ですか!?」
ルイス「いきなり聞き慣れない言葉ばかりでわかりませんよね。
    簡単に言うと、化け物退治…のようなものです」

音子の疑問に源二が答えようとするのですが、それよりも早くルイスが答え、おお、そうそう!!と頷く源二。
化け物退治、だけトーン低く真顔なルイス。その真剣さや周りの雰囲気に音子の表情が見る見る不安で埋められる。

音子「ば、化け物!?
   …む、無理むり!無理です!わたしにはできません!!」
源三郎「(音子の前に出て)誰もあんたみたいな、田舎イモどんくさ女に戦ってくれなんて言ってないし」
音子「イモどんくさ…!?」

頭をぶんぶんと振って後ずさる音子ですが、源三郎の言葉にはしっかりと反応。
が、やっぱり源二が源三郎を止めて、それ以上の喧嘩にはならず、そんなやりとりに全く左右されずシベリウスはさらに説明を続ける。

シベリウス「君はただ、的確な指揮をすればよいのだ。
      なぜオーケストラの指揮者が戦闘部隊の隊長を務めるかわかるかね」
音子「え?」
シベリウス「古くより、霊や魔物を鎮める方法として用いられてきたのが
      歌、踊り…そして音楽。
      我々奏組は、平常時は大帝國劇場のオーケストラとして花組の歌や踊りを伴奏という形で支える。
      なおかつ、その奏でる音楽によって帝都に潜む魔を鎮める役割も担っている」
音子「お、音楽で、魔を鎮める?」
シベリウス「そしてひとたび事件が起これば、霊力を込めた音
      霊音(れのん)を奏で、降魔を隠滅する。
      二面性があるように見えて、根本は同じ音楽。
      だからこそ、奏組の隊長は指揮者でなくてはならない。
      つまり、君の事だ」

下手から上手へと、移動しながらの説明。最後に音子を振りかえるのですが、そこにはまったく事態に付いていけていない音子の姿が。

音子「あ、あのわたし…まだ、混乱して、何が何だか……」
シベリウス「雅くん。着任の手続きがある。ついてきたまえ」
音子「え、えぇ…!?」

淡々と場を進めようとするシベリウスを、ヒューゴが物申したそうに眼に力を入れて見つめているのですが言葉にしないでいると、ジオが一歩前に出てシベリウスに質問をぶつけます。

ジオ「シベリウス総楽団長…一つ、疑問が解決されていないのだが…
   (音子の後ろを通り下手側へ)なぜ、女性を入れる必要があるのだろうか?
   男性メンバーのみでも、特に不自由は感じていないのだが」

ジオの言葉に、そっくり同意だ言わんばかりに総楽団長を睨みつけるヒューゴ
それにさらに源三郎たちも自分の意見を口にします。(ルイスは、シベリウスや音子を見るわけでもなく、ただ場を見守っている様子でした)

源三郎「そうだよ。いらない。ありえなーい」
源二「筋肉むきむきの女隊長!…でもねぇしな」
シベリウス「必要な能力を持った人材が女性だった。それだけのことだ」

奏組の意見にも、短く淡々と答えるシベリウス。その言葉を最後に徐々に照明が暗くなりBGMが少し大きくなる中ヒューゴと俯く音子ちゃんにスポットが当たってからの暗転。
ヒューゴにスポットが残る中、再び照明が入ると先程のかなで寮の中庭?のような場所へ(噴水の音や鳥のさえずりが聞こえてきたのですが、もしかしたら帝劇の中庭かも?)
険しい顔で腕を組んでいるヒューゴに、自ら入れたお茶を飲み干したルイスが声をかけます。

ルイス「総楽団長を信じましょう。
    雅音子さんがどういった力をお持ちなのか、まだわからないのですから。
    もしかしたら、私たちよりよほどお強い方かもしれませんよ」
ヒューゴ「だとしてもだ。
     …戦場は、女のいるべき場所ではない」

目を伏せ、これ以上言うことは無いと言わんばかりに上手階段へ腰掛け、再び本を開くのですが
そんなヒューゴの拒絶をカップをワゴンに戻したルイスが鋭い声で破る。

ルイス「女性を危険な目に合わせたくない。
    …その気持ちは私も同じです。
    ですが、事実として今、この帝都の平和を最前線で守っているのは
    女性だけで編成された部隊、花組です。
    我々は、我々のできる事を全うするだけです」

最後はやはり諭すように微笑むルイス。
でも、こればかりは譲れないのか、頷くことも目線をやることもしないヒューゴ。
微妙な空気が流れる中、上手からそれを破る陽気な声と共に源二が両手に切られた芋ようかんの乗った皿を持って軽い足取りで駆け込んできます。

源二「おーい、オケピの片付け終わったぞ〜!
   (ルイスを見て)お!俺にもお茶くれよ!みんなでこれ食べようぜ
   和菓子屋のおばちゃんからの差し入れ!」
ルイス「おや?芋ようかんじゃないですか。
    なら、紅茶より日本茶の方が良いですね。淹れてきます」

甘味の種類を確認したルイスがにっこりと笑い一度持った芋ようかんを皿に戻すとスタスタと下手へ。
それに対してえ、お茶ならここにあるじゃん?これじゃダメなのか?とワゴンの上を見る源二が食えりゃなんでもいいを体現してて可愛い(笑)

源二「あ…もうすぐ源三郎とジオもくっから〜!
   ホント母ちゃんみてぇなやつだな」

ルイスさん、完全にお母さんポジション化(笑)
笑いながら振りかえり、ヒューゴにも芋ようかんを差しだす源二。

源二「ほら、ヒューゴ!食えよ!うめぇぞ」
ヒューゴ「…………(楊枝にささったようかん一切れを受け取るものの、口はつけない)」
源二「そんな見てたって味わかんねぇぜ
   乾く前に食っちまえって!」

チラリと源二を見てから、ゆっくりとした動作で一口芋ようかんをかじるヒューゴ。

源二「どうだ!うめぇだろ?」
ヒューゴ「…ああ」

ヒューゴの感想にぱっと笑う源二。

源三郎「美味しいならもっと美味しい顔すればいいのに」
ジオ「うむ、美味しいと素直に表現することは作り手に対する最高の讃辞だぞ」

そこへ、上手から源三郎とジオがやってきて源三郎はベンチに腰掛け、ジオは通りすがりに源二の持つ皿から芋ようかんを一つ取り、ベンチの後ろへ立つ。
そこへ、丸いお盆に人数分の湯のみを持ったルイスが下手から戻ってきて…

ルイス「してますよ」
源三郎「え?」
ジオ「ん?」
ルイス「とても美味しそうな顔をしているではありませんか」
源三郎「(怪訝そうな顔でヒューゴを見る)え……これで?」
ヒューゴ「これ?」
源三郎「あ、いや…」

じろりと睨まれ、縮こまる源三郎。しかし…ルイスさん、どれだけヒューゴの事を理解しているのですかあなたは(笑)
そして、この流れを変えるのは、やっぱりジオ様。一人先に芋ようかんをかじります(笑)

ジオ「(目を見開いて)ほぉ〜!うむ、たしかに美味だな。完璧だ!!
   これぞ、ノブレス・オブリージュの味わい!」
源三郎「その使い方は違うでしょ」
ルイス「日本茶と合わせれば、もっと完璧な味わいになりますよ」
源二「だよな!」
源三郎「たしかに、芋ようかんには日本茶だよね」

源三郎がジオにさらにツッコミを入れようとするのですが、それよりも早くルイスが入れてきた日本茶を全員に配る。
源三郎が芋ようかんと日本茶を受け取る時の笑顔が年相応の素直な笑顔でかわいい。
ヒューゴにもお茶を渡したルイスさんは上手へ抜けながら少々含みある話を。

ルイス「どんなものも、組み合わせ一つです。
    それ自身は姿かたちを変えずとも
    組み合わせを変えることでたった一しかなかった能力が
    十倍にも二十倍にもなる。
    それを、触媒と言います」
ヒューゴ「触媒…」
ルイス「はい」

ほぉ!ここで触媒の話題が…!!
サクラの世界では、この触媒という能力が非常に重要ですからね。
ルイスが笑顔で頷くと、下手からとぼとぼと歩いてくる音子の姿を見つける。

ルイス「おや?着任の手続きが終わったようですね。
    ご一緒にいかがです?」(源二、頷いて芋ようかんを差しだす)
音子「は、はぁ……あの、わたし…」

どうしてもまだショックが抜けず歯切れが悪い音子。
音子ちゃんの姿が見えた途端、不機嫌そうに眼を反らして、椅子の肘置きに頬杖する源三郎。手にした芋羊羹をくるくるさせているところがまた弟気質っぽい。ちなみに、ヒューゴも音子ちゃんから思いっきり目を反らしています。
が、そんなあからさまに拒絶しているメンバーは置いておき、ルイスがお盆を手にしたまま音子の傍へ。

ルイス「ああ、そういえばまだちゃんと名乗っていませんでしたね。
    失礼しました。
    私は、フランシスコ・ルイス・アストルガです」
ジオ「G・O・バッハだ。ジオで結構」
源二「俺は桐朋源二!よろしくな!
   …(源三郎の肩を叩いて促す)ほら!」
源三郎「はぁ……桐朋源三郎」

ルイスを皮切りに、次々と自己紹介していく奏組の面々。
一人一人に、ぎこちないながらも会釈をしたり頷いたりする音子。

ルイス「それから…」

最後に残ったヒューゴに全員の注目が行くのですが…
それらを受けて、立ちあがったヒューゴは本と芋ようかんとお茶を持ったまま足早に下手へ。
音子ちゃんの前を通る時は、意図的に反対側を見る徹底ぶり。

ルイス「彼は、ヒューゴ・ジュリアード」

結局、名乗らず去ってしまったヒューゴの代わりにルイスが紹介すると、源三郎も立ちあがり下手へ。
でも、ヒューゴのようにスマートに去ることはできず…よく、道端で避けようと思ったら相手と同じ方向に動いてしまうことってありますよね。その状態になり…

源三郎「ちょっと…なに…!?
    痛っ!!また踏んだもう…!
    も〜〜〜…ふんっ」

思いっきり顔を反らしながら去っていく源三郎が拗ねているようにしか見えない(笑)
で、ここも足を踏まれる繋がりでアドリブを入れるようになっていました(笑)

10日昼
源三郎「痛っ!!もう、小指…!!小指だと痛ったい……!!
    も〜〜!ふんっ」

10日夜
源三郎「痛っ…!また小指っ……!
    小指が親指になっちゃうよ!もう!ふんっ」

10日夜の発想がツボ過ぎて(笑)
源三郎が去った後は、ジオが優雅に微笑みを残して去り

ジオ「ではまたな、音子くん」
ルイス「きっと、時間が解決してくれますよ」

ルイスは、お盆に乗せたままにしていた自分のお茶を差しだし、下手へ。
そんな中源二は周りを気にせず、羊羹とお茶を平らげる。
如月紫水 <rxqkycrwxn> 2012/11/17 01:32:15 [ノートメニュー]
  第二幕その2 如月紫水 2012/11/17 01:34:08
  カーテンコール 如月紫水 2012/11/17 01:34:52
  8日アフタートークショウ 如月紫水 2012/11/17 01:36:23
  千穐楽ダイジェスト 如月紫水 2012/11/17 01:39:17
  │├お久しぶりです。 伊藤小百合 2012/11/19 15:15:13
  ││└お久しぶりです! 如月紫水 2012/11/20 23:47:04
  │└読み始めております 夢織時代@12/30午後3時更新・読了 2012/11/26 01:43:49
  │ └合間にどうぞ〜 如月紫水@13/1/4/1時追記 2012/11/27 01:28:09
  3日の挨拶と4日のアフタートーク+α 如月紫水 2012/11/26 00:18:22
  9日アフタートーク 如月紫水 2012/11/27 01:05:51
   └あの頃のこと胸の中に とりなべ 2012/11/28 01:36:42
    └思い出がくるくるとまわる 如月紫水 2012/11/30 17:13:07

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