奏組〜雅なるハーモニー〜14公演中8公演レポ 如月紫水 2012/11/17 01:27:08 ├第一幕その2 如月紫水 2012/11/17 01:30:32 ├第一幕その3 如月紫水 2012/11/17 01:31:17
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第一幕その3 暗転後も、場面は帝都の街並みのまま。兄弟の姿は無く、街角のラジヲから流れる「花咲く乙女」やアイスクリン売りの声が聞こえ、焼き芋屋の「焼き芋〜焼きたて〜〜栗より美味い十三里半〜〜」とうたい文句が聞こえる中 倒れていた書生さんが起き上がり、マイクをきちんと回収して下手へと去っていきました…とんだ災難でしたね(笑) それと入れ違いに、上手から秋奈が「花咲く〜乙女たち〜」とラジヲに合わせて口ずさみつつお金を数えながら登場。 おお、歌声はやわらかいですね秋奈さん。 下手まで歩いたところで、秋奈の後を追って駆け込んでくる弟分たち…ええ、冒頭の窃盗団ようやく揃いましたね。 ちなみに、作中でこの弟分たちの名前がちゃんと触れられる事はなかったのですが 加集の中の人が演じる洋装の方は「竹蔵」 襟戸の中の人が演じる和装の方は「松吉」とおっしゃるそうです。 こう言うのを役者さんのブログで書いてくださると、とても助かる…(笑) 竹蔵「姉御〜!ダメだ…故買屋がケチくさくていけねぇよ」 秋奈「なんだって?」 竹蔵「懐中時計とハンドバッグは買い取らせたけど…」 松吉「(持っていた、音子のトランクをすまなそうに掲げて)これは、買い取れねぇって…」 秋奈「そのトランクに、金目の物は入ってなかったのかい?」 竹蔵「あ!えっと、えっと(ズボンのポケットから赤いガマ口財布を取り出す)…財布が!」 竹蔵が差しだした財布を奪うように取り、中身を確認する秋奈ですが… 秋奈「なんでぇ、しけてやがんの。2円ぽっちだ (下手の階段を昇りながら)で、そっちはいくらになった?」 竹蔵「三十円に!」(秋奈に駆け寄る) 秋奈「(受け取り、にっと笑って)ほれ、分け前だ」 竹蔵「ありがとうございます!」 松吉「ありがとうございます!!」 秋奈からの分け前に感謝して笑いあう二人。それを見て、秋奈も少し笑みをこぼしつつも、先に階段を昇り場を仕切る。 ただ、日によって配分は違うようで7日、8日、10日昼は松吉が「あぁ、こんだけ…」と言っていたりもしました(笑) 10日夜 竹蔵のポケットから出てくるはずの音子ちゃんの財布が出てこず、秋奈が「何してんだい。早く!」と催促。 「なんか、ひっかかっちゃった…!どうすりゃいいんだ…」とわたわたしていると松吉が手伝って、なんとか秋奈に渡して元通りにの流れになったのですが今日のやや呆れ声だった分け前は 竹蔵「あぁ、ちょっとしか…」 松吉「俺多い!やったー!」 さすが、見合った金額というわけなのですね姉御(笑) 秋奈「さて、今日は新橋辺りで稼ぐとするか」 二人「へい!!」 竹蔵「がんばろうぜ!」 松吉「ああ!」 懐に金をしまい、それと入れ違いに取り出したのは…半分に割られた焼き芋。 一つを買って二人で分けたのでしょうか。 秋奈の後を追って上段に上がってきた二人が持っていた焼き芋を見た秋奈は少々あきれ顔。 秋奈「芋なんて食ってるんじゃないよ」 松吉「いや、美味いですよ!十三里半だって!」 秋奈「栗より(九里四里)四里半美味いってシャレだろ」 竹蔵「へぇ、そう言うことだったのか!」 ああ、そういうこと…!栗を九里、よりを四里。足して十三里だけど、さらにちょっと足して十三里半なのですね。 竹蔵と一緒になって納得していました(笑) 松吉「ああ、そんなことより姉御!(走って秋奈の先に回り)大帝國劇場に行きましょう!」 秋奈「ダメダメ、あそこは警備が厳しくて、とても歯が立たないさ」 松吉「いやそうじゃなくて!花組の、レビュウ見に行きましょうよ!」 秋奈「レビュウ?」 竹蔵「ああいいな!!俺「つばさ」っての見たよ!あと「愛ゆえに」も!!」 松吉「ああ、俺も!!!」 秋奈「痛っ」(竹蔵に駆け寄ってきた松吉がトランクを秋奈にぶつけて、そのまま抱える秋奈) 二人「いいよなぁ〜〜!花組〜〜〜!!」 二人はまるで乙女のようなうっとりした表情で花組に想いを馳せるのですが、そこにトランクを持ち直した秋奈が割って入ります。 秋奈「バッか野郎!あたしは女が客に媚び打って踊ったり笑ったりしてるのが好きじゃないんだよ (苦い顔で腕をさすりながら)あーあ、虫唾が走るよ」 竹蔵「姉御、見たことないから〜!そこらの田舎芝居とは違うんですって!」 松吉「それに姉御、さっき歌ってたじゃないですか」 秋奈「は?」 松吉「ほら、花咲く〜乙女たち〜〜」 竹蔵「乙女たち〜〜」 二人でそのまま1フレーズ歌いきり、マイク代わりにしていた焼き芋を竹蔵が差しだすと、ぱっと掴んで弁解する秋奈。 秋奈「だってラジヲで流れてるんだよ。流行ってるんだろ? (和らいだ表情を見せ)いい歌じゃないか」 竹蔵「それですよ、花組の歌!大帝國劇場に行けば、生でその歌聴けますよ〜」(え?と一瞬表情を崩す秋奈) 松吉「行きましょうよ〜」(肘でつつかれ、ちょっと揺らぎかけるも) 秋奈「嫌だよ!レビュウなんて見るもんか。(焼き芋を高く投げて竹蔵に返す) さぁ、仕事仕事!稼がないとおまんまの食い上げだよ!」 この話はここまで!と言わんばかりに先に行こうとする秋奈ですが、上手へ顔を向けた瞬間「おっと…」と足を止めて後ろの二人へ手で合図をすると三人は素早く舞台奥へと駆けこんでいきました。 入れ違いに上段上手へ現れたのは、肩を落としてしょんぼりとぼとぼ歩いている音子ちゃん。 音子「あーあ…ムリだよね…こんな広い東京でトランク一つ探すの。 (はっと背筋を伸ばして頭を振る)ううん、諦めちゃダメよ音子! こんな事で諦めないの!」 上手階段を勢いよく降りる音子。その様子を陰から見る秋奈たち。 音子「よーし、勇気を出して誰かに聞いてみよう! 誰かーーー!!…いた!あのっ(たたたっと下手へ駆け寄り、揉み手で進む) お忙しいところ申し訳ありません〜わたし、荷物を無くしてしまって〜〜 どこかで、トランク…見ませんでしたかぁ〜〜?」 でも、実際には居ない…いや、いたけれど音子ちゃんが喋っているうちに取り合わずいなくなってしまったという具合でしょうか。 そんな音子ちゃんを秋奈が最後まで様子を窺っていたのですが、下手からすっとルイスが現れた所で、完全に隠れます。 ルイス「おや、それは大変ですね」 音子『わっまた異国の人…綺麗な赤毛…』 声に反応してちゃんとルイスの顔を見た途端、目と口を大きく見開いてモノローグに合わせてぽかーんとルイスを見上げる音子ちゃん。 ルイス「さぞお困りでしょう。よろしければ、探すのをお手伝いしましょうか」 音子「え!?いいんですか?」 ルイス「はいもちろん。どこでなくされたのですか?」 微笑みながら優しく聞かれた音子ちゃん、舞台中央へ周り、身振り手振りを交えて説明。 音子「あ、あの!東京駅で「うわぁ〜東京に着いたぞ!すごいぞー!」って思っていたら 荷物が、無くなってて…(ばつが悪そうに頭をかく)出雲から、出てきたばっかりなのに……」 ルイス「そうですか、出雲から…それは長旅でしたね」 音子「はい…あ、でも全然長く感じませんでした! だってわたし、憧れの花組さんに…」 ヒューゴ「ルイス!」 同情してくれるルイスに、上京してきた理由を語ろうとした瞬間、上手から駆け込んできたヒューゴを見てまた目と口を開けて、その場で舞台奥へと数歩後ずさる音子ちゃん。 音子『わっ…今度は金色の髪』 声と姿に、しばし音子を挟む形で会話をする二人。 ルイス「ヒューゴ、そちらはどうでしたか?」 ヒューゴ「どこにもいない……(音子に気づき)ん?」 ルイス「(それに気づいて)出雲から出てきて、荷物を無くされたそうなんです」(音子の肩に手を置く) ヒューゴ「そうか…しかし、今は」 ルイス「わかってます。ですが…」 ルイスがさりげなく固まっていた音子ちゃんの肩にそっと手を置くと、はっとなってゆっくり動きだす音子ちゃん。 さりげなく肩に置かれたルイスの手をそっと音子ちゃんが下ろすのに、二度目をするルイスさんがなぜかツボででした。 5日、6日 音子ちゃん、ルイスの手から一歩横にずれて遠ざかる形で離れる。けど、一歩踏み込んでもう一度肩に手を置くルイス(笑) で、はっとなった音子ちゃんが急いで下手へ走って距離をとる。 8日 もうちょっと穏やかになってルイスの手から離れる時に夢見心地に目を高速瞬きさせながらゆっくりと一歩横へ離れる音子ちゃん。 音子「だ、大丈夫です!(駆け出して下手へ行き、頭をさげる)お気持ちだけで、すごく嬉しいです」 ルイス「そうですか…申し出ておきながらすみません。 そうだ。あの角を曲がると交番があります。そこで事情を話してみてはいかがでしょう?」 音子「あ。はい…」 ヒューゴ「行こう」 話が一段落するのを待ち、ルイスに声をかけて返事を聞く前に上手へと駆けだすヒューゴ。 音子に一礼したのち、ルイスもそれを追って上手へ。 下手側に残された音子は、その背中を見送ってからぼそりと一言。 音子「親切な男の人もいるんだなぁ… それにしても異国の人が多い。これが、東京かぁ」 いや、今異国の人エンカウント率かなり高いと思います(笑) ここで再び鈴の音が響き、音子ちゃんはふるりと頭を振って再びトランク探し再開。 音子『拝啓 父上様 頂いたお金、2円。大切に使わせていただきます。 お父さんが大好きなたばこを少なくして お母さんに内緒でへそくりしたお金でしょ?わたし、知ってます。 お父さんがわたしのためにって貯めてくれたお金ですよね。だから、大事に―――』 下手階段から上段にあがり、そのまま辺りを注意深く見渡しながら上手へ。 上手階段前にきたところで、秋奈が舞台奥からトランクを手にしたまま再登場。 秋奈はすぐに音子に気づくのですが、音子ちゃんはまったく気付かず上手階段を降りて舞台中央へ。 そのまま気づかれないよう通りすぎようと上手階段を降りて上手側へ向う秋奈ですがモノローグが終わり、俯いて手をぎゅっと握りしめる音子ちゃんの声がして思わず足を止めてその背中を見る。 音子「ごめんなさい、お父さん…わたし…不注意で…… …お父さんがくれたお金、無くしました… お父さんが、わたしを思って渡してくれたお金を…お父さんの気持ちを… わたし……わたし無くしました…」 秋奈が「2円ぽっち」と言い捨てたお金には、音子にとって金額以上の価値があった。 その想いを図らずも聞いてしまった秋奈は財布がある懐に手を当てて瞳に迷いを覗かせますが、それは一瞬でキッと音子の背中を睨んで足早に上手へ去る。 すると、まるで秋奈を追うように短い金きり音と羽音が舞台を横切るように響き、一瞬照明が走る。 音子「え?…誰? (不安げに空を見上げ)何かいる……すごく嫌な感じが……」 その気配を敏感に感じ取った音子が、身を守るように肩を縮こませ上手階段の陰に隠れるように客席に背を向けるとまた鈴の音が響き、薄暗い照明の中、音子の回想へ。 幼い音子の泣き声に追い打ちをかけるように「やーいやーい、不幸の不幸の招きねこ〜」「不幸の不幸の招き音子〜」とはやし立てる男の子の声。 さらに泣き声を大きくする音子(この間、舞台上の音子ちゃんは過去の記憶や嫌な気配から逃げるように舞台を上手、下手に行ったり来たり)すると、ひゅううと一陣の風の音が 音子『…何?この風…(鈴の音)…え?…なにこれ…』 祖父『音子。泣き声が聞こえたぞ』 音子『おじい!黒い大きい人にあった!』 祖父『黒い、大きい人?』 音子『その人が音子の目を拭ってから変なの!音が見えるようになったの』 祖父『音?』 音子『あっちにも…ほら、ここにも!おじいには見えないの?』(舞台上のあちこちに色が映る) 祖父『音子…それは、おもんさまだ。おじいには、音は見えんけど… そうか…音子はおもんさまに選ばれんか』 音子『おもんさま?』 おお、ここで音子ちゃんの特殊能力の説明ですか。 超個人的解釈ですが、音子ちゃんの出身地である島根県出雲は「神様が集まる土地」なのでおもんさまもそんな八百万の神様の一人なのではないかなと思っています。いずれ明かされるといいなと思っているうちに再び鈴の音が響き、回想終了。 舞台中央に立った音子ちゃんがゆっくりと上を見上げて、いつの間にか目の前にあった建物に思わず声を漏らす。 音子「……大帝國劇場だ」 その声と同時に重厚な扉が開く音がし、舞台奥からバックライトに照らされたシベリウスが眉一つ動かず現れ、音子を迎える。 シベリウス「雅音子くんだね」 音子「えっ……誰?」 突然現れた異国の人に、音子が戸惑いの声を上げると同時に鐘の音が二つ響き、暗転。 音子ちゃんが帝劇についたここまでが、第一幕のようです。 が、今回の舞台は休憩が無いのでそのまま第二幕へ。 |
如月紫水 <rxqkycrwxn> 2012/11/17 01:31:17 [ノートメニュー] |
├第二幕その1 如月紫水 2012/11/17 01:32:15 ├第二幕その2 如月紫水 2012/11/17 01:34:08 ├カーテンコール 如月紫水 2012/11/17 01:34:52 ├8日アフタートークショウ 如月紫水 2012/11/17 01:36:23 ├千穐楽ダイジェスト 如月紫水 2012/11/17 01:39:17 │├お久しぶりです。 伊藤小百合 2012/11/19 15:15:13 ││└お久しぶりです! 如月紫水 2012/11/20 23:47:04 │└読み始めております 夢織時代@12/30午後3時更新・読了 2012/11/26 01:43:49 │ └合間にどうぞ〜 如月紫水@13/1/4/1時追記 2012/11/27 01:28:09 ├3日の挨拶と4日のアフタートーク+α 如月紫水 2012/11/26 00:18:22 └9日アフタートーク 如月紫水 2012/11/27 01:05:51 └あの頃のこと胸の中に とりなべ 2012/11/28 01:36:42 └思い出がくるくるとまわる 如月紫水 2012/11/30 17:13:07