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「奏組」は太正何年なのか?

  「奏組」は太正何年なのか? とりなべ 2012/02/04 20:26:13
  SS「新皇の遺産〜栃木つながりですし〜」 とりなべ 2012/02/04 20:28:36
  │└あとがき&奏組太正十五年説について とりなべ 2012/02/04 23:07:44
  SS「桜が咲いているから四月だと誰が言った... 夢織時代@6日未明追記 2012/02/04 23:08:57
   └汎用性のある設定 とりなべ// 2/8追記 2012/02/05 01:03:36

「奏組」は太正何年なのか? [返事を書く]
「サクラ大戦 奏組」の本格掲載が始まった「花とゆめ」5号が発売になりました。
 表紙、巻頭カラー、付録の下敷き、というトリプル押しのこの企画。
 少しずつ設定も明らかになっております。

 そして、この物語を読んだサクラファンならどこかで思うでありましょう。

 一体、これは太正何年なのか?


 各年の四月初頭の状況は、こんな感じです。

太正十二年 さくらはまだ見習いなので舞台に立っていない。

太正十三年 帝劇改修工事中。

太正十四年 大神が航海から帰るとほぼ同時に、花組隊員は任務・訓練などで各地に散る。

太正十五年 大神、巴里へ出航済み。

太正十六年 大神、総司令および支配人に就任、新次郎に紐育渡航を言い渡す。


 ……花組が公演をやっていて、米田が司令で、なおかつ大神がモギリで劇場に居る、という奏組の状況は、該当する年がない、という事がわかりますね。

 さて、どこかに期間の隙間があるのか。
 それとも、設定の何かが間違っているのか。
 もしも、描かれた光景のすべてが合っているのだとしたら、何が起きているのか。

 このあたりを検証しつつ、「奏組は太正の何年なのか」の意見を集めてみよう、というツリーです。

 ではまず私から、「太正十五年説」を久々のSS形式で。
とりなべ <rpbyunwque> 2012/02/04 20:26:13 [ノートメニュー]
Re: 「奏組」は太正何年なのか? [返事を書く]
SS「新皇の遺産〜栃木つながりですし〜」



 都市エネルギーには「魔」の波動が含まれている。それはいつか形を得て、人に仇なす敵となる。

 降魔という禍々しき存在。妖しき力の集まりし形。

 だが、エネルギーそのものには、善も悪もない。
 ただ、あたかも物を燃やした時の排気ガスが人体に悪影響があるように、様々なものが入り混じれば、悪影響のあるものも多い、というだけだ。

 もしも、純粋な霊波動の固まりが手に入れば、降魔ではない疑似生命体が生まれるのではないか?

 あの、最後の戦い。
 誰が作ったのかもわからない、強大な魔力を帯びた機械が、私たちの前に動いていた。

 あれは私に語りかけてきた。
 お前の力を認めよう、と。
 お前に力を譲ろう、と。

 あれは、今、私の中に居る。
 そうだ。私は取引に乗ったのだ。

 適切な「肉」があれば、これは自分から離れて動き出すだろう。
 肉は自らを育て、形をとる。人か、魔か、それとも……

 私は、強力な霊波動を持つ「固まり」をいま、我が身に宿している。
 これに形を与えよう。
 先人が残した知恵に沿って。
 先人が残した意思に沿って。

 そう、純粋な霊波動に形を与えるのは、人の意思だ。
 この「固まり」は私の意思に従うだろう。形作られたものこそが、私の望む、私が願う形なのだ。


 私が願う形とは、それは………





「お疲れさま」
「あ、お疲れ様です」

 太正十五年、大帝国劇場ロビー。
 すれ違う人と言葉を交わす椿に、音子は訊ねる。

「…今の人は?」
「この劇場で一番有名なモギリさん」
「へぇ…ここはモギリさんもかっこいいんですね」


 椿は「あれは誰か」という問いに答えなかった。

 そう、あれは人ではないのだ。
 帝撃に来たばかりの彼女に話すには、今はまだ時期が早い。
 いずれ誰かが話すだろう。

 あれは、紅蘭の発明品。
 彼女が育てた自立型思念体、通称『モギリくん』というものだ、と。
とりなべ <rpbyunwque> 2012/02/04 20:28:36 [ノートメニュー]
Re: SS「新皇の遺産〜栃木つながりですし〜」 [返事を書く]
あとがき&奏組太正十五年説について

 死者の怨念によって降魔が作られる事は、物語の前提として語られますが、では生者の霊力で思念体は作れるのか?
 光武そのものが人工思念体に近い性質を持っている、という事は紅蘭のセリフからも伺う事ができますが、それが思い込みや妄想ではなく、山崎真之介の設計の時点から受け継がれている事実だとしたら?

 という訳で、ちょっとオカルト風味にするためにボカして書いてありますけど、この話の前半は「新皇と一体化した京極に対して、光武と一体化したヒロインが思っている事」で、思念体を宿しているのは光武・改のどこか、という事です。
 光武と発明の話なので、紅蘭ヒロインがしっくり来る所でしょうか。

 筋書きとしては、サクラ2のラストで新皇と戦った後、霊子コンバーターあたりに強力な思念が宿っているのが発見され、これを木喰の残した陸軍施設内のプラントで、怨念ではなく花組の霊力で育ててみたら、隊員の意思を反映したのか大神そっくりな外見になったんだけど、これがなかなか働きものでそのまま大神さんの身代わりとして重宝してます、という話な訳ですね(笑)。

 奏組の年代が太正十五年である事は、とりあえず「大神でない人がモギリ」であるなら、誰でも成り立ちます。
 たぶんSS書くような人なら、モギリの正体について別の人物像を描いてると思います。
とりなべ <rpbyunwque> 2012/02/04 23:07:44 [ノートメニュー]
Re: 「奏組」は太正何年なのか? [返事を書く]
SS「桜が咲いているから四月だと誰が言った?」



『それにしても今年の桜は早いですねえ』
 その桜と同じ名前を冠する女優の声がラジオから聞こえる。
『えーそうですね。元々、蒸気の導入とともに帝都の桜は年々早くなっていると言われているんですよ。
 これは、石炭の燃焼によって帝都全体で消費される熱量が増え、その熱量が帝都上空に蓄積される蒸気由来の水蒸気層で保持されることで、帝都全体が冬でも暖かくなっており、春の気温の上昇も早くなっているためである……というのが帝大の偉い先生が仰ることなんだそうで』
『そうなんですか。私も仙台から出てきたとき、三月なのに帝都はもう桜がこんなに咲いているのかって驚いちゃいました』
『おや、さくらさんはいつ仙台から上京されたんですか?』
『デビューした年ですよ。太正十二年です。出てきたのは三月の二十何日だったかなあ……』
『ああ……。忘れもしません、あの年のことは。あの年がこれまでで一番桜の開花が早かった年ですよ。三月の半ばにはもう満開近かったのに、四月の十日くらいまで桜が保ったんでした。私が有楽町帝撃通信局の開局記念番組で名前を呼ばれたときには……』
そう、早いと言っても限度がある。
 どう早くても桜の開花は三月というのが江戸っ子たちの常識だった。
『で、今年はその記録を一ヶ月以上更新してしまったわけですね。これはもう異常気象と呼ぶしかありません』
 そう、異常と呼ぶしかない。
 理由は、分かっている者には分かりすぎるくらいに分かる。
「……都市エネルギー」
 帝国華撃団奏組隊員ヒューゴ・ジュリアードは、その言葉を無力とともに噛み締める。
 八鬼門封魔陣の開放により膨大な都市エネルギーが開放されたことで、正負両面において生物の動きが活性化しているのだ。
 桜は、特に魔の気配を吸いやすい。
 それが魔精卵を生む現状の問題点に繋がっている。
「俺たちで、何とかする……」
 彼……いや彼ら奏組が圧倒的な無力感に苛まれてから一ヶ月ほど経過していた。
 蒸気機械の力を得て、都市エネルギーを呼吸して活動する降魔兵器が帝撃に迫ったとき、彼ら奏組は月組とともに帝撃防衛戦に参加したのだ。
 だが、夢組に次ぐことを米田司令に期待されていた自分たちは、結局その期待に応えることはできなかった。
 月組の甍翔太、夢組の星野道香の両名が、八鬼門封魔陣で得た力を振るわなければ、新ミカサの発進を待たずに帝撃は攻め落とされていただろう。
 もうあんな無力感は嫌だった。
 米田司令は奏組の戦力を向上させるために、新たな手を打たれたと聞く。
 それはおそらく、かの大神一郎が間もなく巴里に留学するという噂と無関係ではないだろう。
 花組最大の要を抜く一方で、夢組、月組、奏組といった面々を強化することで、花組一本槍での帝都防衛構想をより広範なものにしようとお考えなのだ。
 まだ、米田司令は自分たちにご期待下さっている。
 どんな秘密兵器が来るものか。
 まだ見ぬ秘密兵器に頼る前に、自分たちこそが力になりたかったのだ。


 そんな、太正十五年二月。

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仕事ほっぽりだしてショートSS書くなんて何年ぶりでしょう。
こんばんは、とりなべさん。夢織時代です。
ええ、こんなもの見せつけられてこっちが燃えないわけにはいかないでしょう!
とりあえずモギリ君の「かすみくん」言動から弥介隊長説はちょっと難しいと判断しなおして第2の変化球です。

また思いついたら追記しますね。

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6日未明追記

クロニクルやかつて作った資料をひっくり返してみると、
大神のパリ到着って太正15年の5月なんですよね。
大神は船ルートで巴里へ行ったはずなので所要期間は一月ちょっとと考えられますが、
そうすると、実はぎりぎり太正15年の4月までは帝都にいたことになります。
2の第13話を一度しか見ていないので13話の見送りシーンの季節感がどうだったか覚えていないのですが、おそらく大神の出立自体は4月でいいのではないでしょうか。
となると実は上の無茶SS設定に関わらず、今回の奏組の設定は不可能ではないということになります。

大神の見送りのために、大神が見た最初の公演である愛ゆえにを再演する……という花組メンバーの意識を推測してみたり。


まだ続きますが一旦寝ます<仕事はどーした
夢織時代@6日未明追記 <zvoejguhin> 2012/02/04 23:08:57 [ノートメニュー]
Re: SS「桜が咲いているから四月だと誰が言った... [返事を書く]
汎用性のある設定

 おお、SS返し!なんという反応の早さッ!
 追記を期待しつつも、とりいそぎ現在の内容に反応させていただきます。

 まさに、暦の改正の必要がなくなる「立春に咲く桜」ですか。
 確かに、奏組では上野に桜が咲いているだけで、「今は何月か」という事は具体的に書かれていませんね。

 太正帝都ではやたら桜の咲いてる風景が出て来ますし、実際に桜の季節が長い、というのも実に「ありそう」な事に思います。

 都市エネルギーの解放による生体活発化がさらに二酸化炭素と水蒸気を生む「温暖化暴走」も起きそうですし、そもそも蒸気化された都市では街中で蒸気が噴出して湿度が上がっているため、地表の水の蒸発による潜熱化の「気温を下げる効果」がかなり低下しているでしょう。
 都市温暖化要因は現代の排気ガスの比ではなかろう、という気もします。

 桜の開花のズレは二ヶ月弱の余裕を生む事になり、たとえばそれに加えて「都市が蒸気化していない巴里は逆に寒冷」という事にすれば、フランス渡航を五月以降に設定する事もでき、三ヶ月以上の時間を生む事になります。

 時間的な考察をいろいろとイジりやすいのが太正十五年、とも言えますね。

 また、温暖化の設定自体は、太正十六年に適用する事も可能ではあります。
 桜の咲き始めに音子ちゃんが来て、桜の咲き終わりに新次郎が華撃団から渡航指示を受ける……
 さすがにこれはちょっと慌ただしいですか。


 降魔に対しての奏組は。

 OVA桜華絢爛では、降魔一体に対して花組の生身の攻撃では倒すに至らず、結局紅蘭の霊力弾入りバズーカが必要になる事が示されます。
 初代光武を使っても大したダメージがないのは、サクラ1の正月降魔戦で出てきますし、生身の小隊でなんとかできたのは対降魔部隊だけで、現実的な戦術として花組クラスの霊力があっても、専用の重火器の併用が前提なんじゃないか、と思います。

 この事から考えて、市街戦や乱戦でなければ奏組でも、RPGのような高威力霊力弾は使用可能である、とも言えます。
 ただ、魔物との戦いは市街戦や乱戦しかない、と言えば確かにそうなのですが。

-------------------追記2/8---------------------

 なるほど、巴里は五月到着でしたか。たぶん船便が二ヶ月に一便程度(同一船で往復している)だとすると、「四月のうちのどこか」に出航、「五月のうちのどこか」に到着、という、船の就航スケジュール次第な所はありそうです。

 ……あらためて思う疑問ですが、もっと早い交通手段もあるでしょうに、なぜに船?という気はします。あれはひょっとして「溜まってる有給の消化」?(苦笑)
 フランス語教師が同行して特訓してる、という説も考えられそうではありますけどね。

 とりあえずは、仮に異常気象でもなく、あの「モギリさん」も大神であるとしても、連載中の状況までは充分ありえる、という事ですね。
 年代の確定は、一ヶ月後のシーンに大神さんが出て来るのか?による事になります。
 今後画面に出てこないなら、状況証拠から太正十五年。
 ちょくちょく出て来るなら、桜の時期が変わっている説か、または時空の狭間なのか……。
とりなべ// 2/8追記 <rpbyunwque> 2012/02/05 01:03:36 [ノートメニュー]

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