[新しく発言をつくる] [EXIT] [サクラ大戦BBS]
紐育レビュウショウ「歌う♪大紐育♪3〜ラストショウ〜」観劇レポート

  紐育レビュウショウ「歌う♪大紐育♪3〜ラストショウ〜」観劇レポート 如月紫水 2008/09/07 00:04:42
  第一幕・その1 如月紫水 2008/09/07 00:06:33
  第一幕・その2 如月紫水 2008/09/07 00:08:51
  第一幕・その3 如月紫水 2008/09/07 00:10:22
  第一幕・その4 如月紫水 2008/09/07 00:11:51
  第一幕・その5 如月紫水 2008/09/07 00:12:53
  第二幕・その1 如月紫水 2008/09/07 00:14:01
Re: 紐育レビュウショウ「歌う♪大紐育♪3〜ラストショウ〜」観劇レポート [返事を書く]
第二幕・その1


さて、休憩も終わり…「バラ色の人生」のイントロが流れる中、徐々に会場が暗くなっていきます。
幕が下りたままの舞台に照明が入り、企画書を読みながらラチェットが上手から歩いてきます。書かれている内容に満足そうに頷きながら歩く後ろを、サニーさんがついて行きます。

ラチェット「…うん、面白いわ。(中央からやや上手で立ち止まり、サニーを振り返る)
      ひらめきが世界を作る…とってもいいコンセプトね。これは、大河くんのアイディア?」
サニー「(頷いて、上を見上げる)東洋は不思議の国。そして神秘の国だ。
    …素晴らしい国です。そう、ひらめき。すべては、ひらめき。そして、サプライズ。」
ラチェット「きっと、スターファイブのおかげね。
      彼は気づいたのよ。自分の周りには、愛があふれてるってことに。」
サニー「そうだね…ラチェット。」

ラチェットはさらに舞台中央あたりまで星組の絆が深まったことに満足そうに足を進めますが、サニーさんは手を後ろで組んだままその場でラチェットを呼び止めます。
呼ばれて、サニーの方を向いたラチェット目が合い、しばしの間が…

サニー「君が好きだよ。」

サニーさんの突然の告白!!
ですが、ラチェットさんは驚いた風でも、嬉しい風でもなく、淡々と言葉を紡ぎます。

ラチェット「……もっと昔に聞きたかったわ。手遅れね。」
サニー「そう!手遅れ!!」

告白とは打って変わり、笑いながらビシッとラチェットを指さし、ハハハと笑いながらラチェットを追い越して下手の方へ。

サニー「でもね、ラチェット。人に好きだと言われるのは大事なことだよ。
    それこそ、サプライズの源かな。
    ラブ・イズ・サプラーイズ!!」

両手をばっと広げて、高らかに去年の名台詞「愛はサプライズ」を英語で今年も高らかに!
それを見たラチェットは苦笑いを浮かべて声をかけます。

ラチェット「…あなたがサプライズだわ。」
サニー「そう!わたくしサプライズ男です!ハハハ!!」

カラ元気か?と思うほど陽気にふるまうサニーさんにラチェットさんは立ち位置こそ変わりませんが、どことなく距離が離れているような印象を受けました。

ラチェット「…サニー。私たち、噛み合ってないみたいね。」
サニー「そうかなぁ、とっても噛み合ってると思うけどなぁ!前向きに。」
ラチェット「前向きに?」
サニー「そう!見てて。」

と、サニーは下手から後ろ向きにまっすぐに歩いてラチェットの傍へと来ます。
それを苦笑いで見ているラチェットさん。

サニー「人間は後ろ向きへは歩けない。常に前を向いて歩く!」
ラチェット「そうね。」

まぁ、言いたいところとしては「向かう先は一緒」というところですかね?
今度はちゃんと前へ歩くサニーさんを、ラチェットは気になることがあるのか呼び止めます。

ラチェット「ねぇあのニッポンのヤクザも、ショウに出すの?」
サニー「んー…どうしましょうねぇ。まぁ、何事もサプライズですから!
    さぁ、ラチェット!我々も、楽屋へ行くとしましょう!」

ここも、サニーさんの気まぐれで「どうしましょうか…どう思いますか?」と客席に聞いたり、30日昼では「ラチェットはどう思いますか?」とラチェットに振って「ん〜…いいかも!」とあっさり答えをもらったりしていました。
足を止めたついでに、少し戻りサニーさんはラチェットさんの肩を掴んで、下手にあるであろう楽屋を指さします。

サニー「サプライズ、サプライズ!手遅れ!サプライズ、サプライズ!手遅れ!」

そして、ラチェットの返事を聞かずに、そのまま先に下手へ。(一度だけ、30日の昼だけちょっと戻って「本当に手遅れ?」とラチェットに聞いたりもしていましたが、やはり苦笑いしかもらえず…というか、答えをもらう前に行っちゃったのですが)

ラチェット「…ときどきうっとおしいけど。あの陽気さは貴重ね。」

ラチェットさんにとって、サニーさんはそんな存在。
笑顔でそう言うと、ラチェットさんもまっすぐに下手へ。
幕前に入っていた照明も落ち、暗くなった劇場に響くのはオーナーの開演アナウンス。

サニー「レディース アンド ジェントルマン!
    ようこそ、リトルリップシアターへ!
    今宵お送りするザ・レビュウは題して「ロード・オブ・アメリカ〜ひらめきの彼方へ〜」です!
    それでは、ショウをはじめましょう!!」

幕が上がり、舞台中央には紅蘭の発明品のようなヘルメットをかぶった新次郎と、それをはさむ形で上手側に杏里、下手側にプラム。
中央に階段があり、その上にはレッドベリー、ラッシー先生、双葉さんがおそろいの衣装を着ています。
これがまた不思議な衣装で…ワンペアはかろうじてちょっとモダン?と言えるかも知れんが……なんとも形容しがたい不思議さです。
詳しい事は、各メディアの写真付き記事をご覧ください。(爆…ちなみに、新次郎は普通のモギリ服のままです。)

♪ひらめきピピピ

今回、杏里が第一幕で言っていた通り、かなりセットは簡易的なもの…というかこの歌のときはほとんどなく、強いて言うならば舞台の上につり下げられている「ピ」と大きく書かれた電飾看板ぐらいでしょうか。
まぁ、その分出演者さん達の動きに集中できるということで。

基本的にプラム、大河、杏里の組とレッドベリー、ラッシー、双葉の組に分かれて下手に行ったり上手に行ったり短い曲ながら良く動き回る曲でした。
途中、ステッキのようなものを持って大河に振ったりしていたので大河を除く他のみんなは「ひらめきの精霊」みたいなイメージなのかもしれません。

プラム「♪ひらめきの」
杏里「♪ひらめきで」
大河「♪ひらめきが」
全員「♪未来を作る」

最後の「ピピピッ!」では、再び全員が最初の時のように大河を囲んで階段の前でポーズ!
舞台が暗転し、ヘルメットやステッキのライトだけが残りますが、それもすぐに消えて紗幕が下りてきます。

紗幕が下りたままの舞台。そこへ波の音が響き上手には青いライトに照らされた女性(ダイアナ)が一人、座り込んでいます。
その背には小さな船が…ここはどうやら漁村のようですね。
うつむいていた女性に白い光がキラキラとした音ともに当たると、顔を上げて立ち上がり自分の頭に浮かんだ考えを口にします。

娘「そうだ、新大陸へ行こう!」

♪移民の歌

ダイアナさんが出だしを歌いながら舞台を歩き、中央で「♪みんなの町を みんなの国を 作ろう」と歌い上げると、紗幕の向こうに照明が入り
中央奥部分に作られた高台の上にはダンサーさんたちによる4人の村人が鍬を持ったり、籠を持ったりして佇んでいます。

曲調が変わるとともに、降りてきたダンサーさんたちは、手と手を合わせて伝統的なダンスを踊ります。
新大陸へ行こうとさそう、娘を無視して。

舞台中央で「♪死ぬまでそうやって 過去にしがみついてな」と歌い上げ、一人でダンスを踊ります。
このダンス、アイリッシュダンスの一種のように印象を受けました。
アイリッシュダンスと言えばものすごくステップが早いリバーダンスが有名ですが、調べてみたらこのようなスローテンポのものもあるそうなので…
ちなみに、このアイリッシュダンスは一説によるとアメリカにわたりタップダンスの元になったとか。

一人で険しい顔で踊っていたら、村人のなかでも子供が一緒になって踊ろうとしますがすぐに母親にたしなめられて離されます。
再び説得を試みますが、またも良い返事はもらえず…高台へ戻ってゆく村人を見上げ、娘は最後に歌を紡ぎます。

己の選択は、きっと輝ける明日をつれてくる。
正面を向いて「♪さあ 行こう 新大陸へ」と歌う娘に、ついに村人たちもその肩を叩き、一緒に海を渡ることを決意します。

娘「♪過去の町を いま捨て去って」

舞台の中央によりそって集まり、向かう先を見つめたまま歌が終わり、そのまま暗転。
紗幕が下りてきて、間髪入れず聞こえてくるのは「ひらめきピピピ」下手から、杏里を先頭に大河、プラムと続いて「♪ひらめきピピピ」の部分を繰り返し歌いながらゆっくりと上手へ。
その間、紗幕の前では先ほどの船のセットが大河がたちと入れ違いで下手へ。海を渡るイメージでしょうか。

ちなみに、この間の大河パートは若干アドリブ入っていたのですが…若干過ぎてどう書いたらいいかわからないほどなので(汗)多かった動きを書くことにします…
このパートでは「ピピピ!ピピピ!」で手を閉じたり開いたり「ピっピッピキピキ!ピッピッピッ!」では人差し指を立てて左右に振り
「ピッピッピ〜!ピッピッピ〜!」では手を上から下へ揺らしたり「ピッピッピッピッ!」で拳を交互に前に突き出したりしていました。

上手でポーズをとり、曲が終わると紗幕の中に照明が入り、場面転換。
アメリカの国旗の色をイメージしたような下手側三分の一が青と白の交互。残りは赤と白の交互に並んでいる幕を背景に、上手では人が集まって抗議活動を。その中には、先ほど漁村にいた村人たちもいます。
その集団と反対側。下手側には高台があり、その上にある演説台の前に立つチェックのスーツの男性(サニー)は難しそうに頭を抱えてうつむいています。さらにその前…高台の前にはグレーストライプのスーツを着た男性(昴)も同じように思案しているようです。二人とも、シルクハットをかぶっています。

男性「イギリスがまた税金を値上げしてきた!」
男性「なぜ我々が、イギリスの尻拭いをしなければならないのか!」
男性「イギリスの横暴を許すなー!!」
民衆「許すな!!」
男性「課税政策を撤回しろー!」
民衆「撤回しろ!!」
男性「印紙税法、反対ー!」
民衆「反対!!」

拳を握りしめ、突き上げる民衆の声を聞き、ストライプスーツの男の頭の中に雷でも打たれたかのような衝撃が走り前に出る。

紳士「…ひらめいた!
   ……我々は、独立した個人である。
   我々が作った国は、今や独立した国である。これは常識なのだ。
   …ここに宣言する!インディペンデンス!!」
民衆「インディペンデンス!!」

右手を胸の前で掲げる紳士に、他の民衆も続く。

♪インディペンデンス

力強い音楽の通り、振り付けも胸を張ってきびきびとした印象を受けました。
冒頭を歌い終えた紳士は高台の上へ。襟を正し、隣にいるチェックスーツの男性と背中合わせのように立ち歌い上げます。

二人「♪インディペンデンス インディペンデンス 気高き人間
    誰がこの国を作ったのか知るものたち
    インディペンデンス インディペンデンス 気高き人間
    自由と責任 両手に握る」

間奏部分で、拳を合わせる振付が独立へ向けて歩み出した人々の絆を表しているようです。
「♪立ち上がれ 肩を組み」のパートでは、舞台中央へ降りてきた昴演じる紳士が民衆に語りかけるように歌います。
CDでは完全に昴一人のみのパートですが舞台では「♪助け合え 手を握れ」でサニーさんが同じ歌詞を追いかけて歌いました。

曲後半では上手側に、その二人を先頭に民衆が後ろに続き、一歩一歩力強く前へ進んでいきます。
最後の繰り返しで、再び高台の上へ昇る二人。民衆が舞台中央部分で前を見据える中、二人は演説台の前に堂々と立ち、力強くポーズを決めます。

二人「♪インディペンデンス インディペンデンス 気高き人間
    誰がこの国を作ったのか知るものたち
    インディペンデンス インディペンデンス 気高き人間
    自由と責任 両手に握る」

余談ですが、私にとってこのシーンはマサチューセッツ州の出来事のように思えます。
去年、お茶会のシーンで話題に上がっていたアメリカ独立戦争の発端となった「ボストンティーパーティー事件」…それが起こったのはこの州ですからね。

ここで、再び暗転。今度は上手からプラムを先頭に杏里が現れます。
新次郎は?というと、少し後ろから両手にそれぞれ木の丸テーブルを持って出てきました。(それでも、歌はちゃんと歌っていますよ)
次のシーンのため、所定の位置にテーブルを置き終えた大河は、舞台中央あたりで二人の間に入り合流。
テーブルを置いている間は前の幕間と同じメロディーでしたが、後半部分は「ピピぺ!ピピぺ!」と手首を二回進行方向に回すをずっと繰り返して下手へと到着しました。

照明が入り、次の世界は西部開拓時代。先ほどまでやや上に掲げられていた幕が、今は下に降りてきて、舞台の上をぴったりと隠しています。
先ほど新次郎が置いたテーブルのほかにもう一つ。青が基調のポンチョを着て、派手なソンブレロを被った男(今回、ジェームスを演じていた高橋さんですね)がそのテーブルの前で酒をあおっています。
下手側のカウンターテーブルの前にはジェミニ演じる白いズボンにオレンジのシャツを着たカウボーイが葉巻をふかしています。
そしてカウンターの向こうには黒いドレスに身を包んだこの店の女主人らしき人物(双葉)が。

ソンブレロ「おい、酒だ酒!」
女主人「はい!」

ぶっきらぼうに呼ばれつつも、きちんと返事をした女性は足早にテーブルへグラスを届けます。その背中に「おう、こっちにも酒!」と葉巻を持った手を上げてカウンターにいるカウボーイも注文します。
それにも返事をしつつ、まずはソンブレロの方へ酒を届けます。

女主人「お待たせしました。」
ソンブレロ「あと料理はまだか!」
女主人「すみません、すぐにお持ちします!」

一人で切り盛りは、なかなか大変そうです。
カウンターのカウボーイにお酒を注いでいるいる間に、舞台奥にある入口の扉から二人のカウボーイがやってきます。
緑のシャツが武田、紫のシャツが西村です。(役名が分からないので仮に武田を1、西村を2と表現させてもらいます)

カウボーイ1「あーあ、むさ苦しい町だぜ。右を見ても左を見ても野郎ばっかり。
       どうしてこの町には女がいないんスかね、アニキ。」
カウボーイ2「ここは西部の開拓地。こんな埃っぽい町に、好き好んでやって来るモノ好きはいねぇよ。」
女主人「……お待たせしました。」

そんな話をしながら店内に入ってきたものですから、ソンブレロの元に料理を運んでいた女主人に目を止めないわけがありません。
料理を置いて戻ろうとするのですが、緑シャツのカウボーイが素早くその進路をふさいでしまいます。

カウボーイ1「お!いたいたモノ好きが!!
       おい、姉ぇちゃん!(くるりとジャンプを交えたターンで近づき、肩を抱く)俺っちと、ちょっと付きあわねぇか?」
女主人「やめてください。」

でも、そんな誘いに乗らないで素早く身を離すも、逃げた先にはソンブレロの男が。

ソンブレロ「おお、よく見りゃお前ぇいい体してんじゃねぇか。俺を付き合えよ。」
女主人「やめてください!」

どんっと強めに体を押して拒否するも、紫シャツの男に正面から抱きとめられてしまいます。

カウボーイ2「つれねぇこと言うんじゃねぇよ。寂しいんだろ?」

手の甲で頬を軽くたたかれ、本気で怒ったのか素早く体を離し、思いっきり平手打ちを喰らわせます。
その平手打ちの音で、背後の騒動に気づいたカウンターの男が振りかえり、事態を見守ります。

カウボーイ2「気の強い女、好きなんだよ。」

打たれたにも関わらず、ぐっとその手をつかんで強引に抱きしめますが、こんなことで流されていたら女主人なんてやってられるか!とばかりにもう一度離れます。
今度は、平手に加え腹に蹴りも入れると思っていた以上に事がうまく運ばない上に、攻撃されたカウボーイは唾を一つ吐くと腰にさしていた銃に手をかけます。

カウボーイ2「女のくせに、なめるんじゃねぇ!!」

その銃を抜き、銃口を女に向けますが、引き金に手をかけるより早く、後ろから撃たれた銃弾に、手の中の銃がはじかれます。
見ると、カウンターにもたれかかりつつもしっかりと銃口を向けているカウボーイと目が合います。

ジョー「酒場でやたらと銃を抜くんじゃなねぇよ。」

この隙に、女性は舞台を大きく回ってカウンターにいるカウボーイの後ろへ。
邪魔されて怒り心頭のカウボーイはそのまま銃を向けようとしますが、後ろで事態見ていた緑シャツの男がその顔を見て、兄貴分のカウボーイを止めます。

カウボーイ1「ア、アニキ!そいつは抜き打ちのジョーだ!!」
カウボーイ2「ええっ!?…す、すみませんでした!」

どうやら、西部でも名の知れたガンマンのようですね。
素直に頭を下げたのを見て、ジョーは自分の銃をホルスターに戻すと、カウンターの中へ戻っていた女性の方へ向かいます。

ジョー「酒が不味くなっちまった。飲み直しだ!」
女主人「はい!」

笑顔でうなずいた女性が酒の準備をしている間に、ジョー以外のカウボーイたちは退散するのかと思いきや、一瞬そのそぶりは見せますがすぐに銃口をジョーの背中へ向けます。

カウボーイ1「死ねっ」

が、そこいらの腕で叶うわけもなく…男たちが引き金を引くよりも早く、ジョーが全員の帽子を跳ね飛ばします。

ジョー「次はお前らの大事なところを打ち抜くぜ。」
カウボーイ1「わ、わかった…!!」

銃を構えたまま三人の前に歩いてきたジョーが銃口を全身に向けて脅すと、三人は開いていた足をクロスして閉じます。(笑)
その滑稽な様子にふっと笑ったジョーは銃を一回転させてから、ホルスターの中へ。
カウンターへ戻っていくと同時に、さらに扉を開けて新たな人物が酒場へ。カウボーイとは違う、役所の職員のような格好をしています。
その顔はほとほと困り果てているようです。

職員「ダメだダメだ!また欧州から女は来なかった…
   これじゃあアメリカのカウボーイたちはいつまでたっても結婚できない。
   どうすりゃいいんだ…!!ウイスキー!」

景気づけに酒を!言う具合に叫ぶと、すぐに女性がグラスにそそがれたウィスキーをテーブルに用意します。
いつまでたっても結婚できない…という発言にジョーも表情を動かしますが、それ以上にうろたえたのが上手にいる三人の男たちでした。
と、職員が一気にウィスキーをあおった瞬間、先の昴演じる紳士がそうだったように雷に打たれたように全身を駆け抜けていく感覚が命じるままジョーが叫びます。

ジョー「…ひらめいた!レディーファーストだ!!」
カウボーイたち「レディーファースト?」

♪淑女たちよ!

先ほどのカウボーイたちの様子からわかるように、西部の男は気性が激しい荒くれ者が多い。
だからこそ、きちんと女性を立てるべきなのだ。そう閃いたジョーは舞台中央までやってきて、女主人の手を取って歌い出します。

ジョー「♪女性は淑女である 優しく手を取り ダンスに誘う
     女性はレディーである かならずドアは先に開けてあげよう」

とにかく、本当に女性のためにがんばる!という動き連発でした。
ソンブレロ、西村、ボス、武田を後ろに、ジェミニ、双葉が前に並んで踊ります。
「レディーファースト!」と叫び、曲が変わるところでいったんジェミニは上手へとはけ、残ったメンバーは双葉さんを中心にフォークダンスを踊ります。
ほどなくして、ジェミニが上手からラリーを連れて戻ってきます!鬣が茶色じゃないけど、気にしない!(爆)
ちゃんとラリーもレディーファースト精神で口に花を加えています。(笑…ちなみに、このラリー、役者さんのブログを見ると前足を演じるのは塚田さん(李周明を演じた方)後ろ足は岩本さん(ウボボを演じていた方)だそうです。)
ラリーを舞台下手へ導いたジェミニは、双葉さんを囲む輪に加わり一緒にダンス。
CDではずっとジェミニのソロですが、舞台ではここからボスも歌に参加してデュエットとなります。

二人「♪さあ 踊ろう 踊ろう ダンス ダンス ダンス
    毎日陽気に暮らそう
    昼も夜も ダンス ダンス ダンス
    たくさん子供を産んでくれ」

このあと、双葉さん演じる女主人はジェミニ、武田、西村、ボスの順番でダンス。
それぞれ踊り終わると、下手から武田、西村、ジェミニ、双葉、ボス、ソンブレロが一列に並んで、全員一緒にステップ。
ラリーも同じステップを踏んでいます。(笑)

ジョー「♪だから
     女性は淑女である 淑女はレディーである
     レディーは女神である 女神は宝である
     女性は淑女である 淑女はレディーである
     レディーは女神である 女神は宝である」

そのステップが終わると、ラリーが舞台中央奥へ移動。反対にジェミニはスポットが当たる中高らかに「さぁ おらの嫁になってくれ!」と歌います。
この間、舞台は少し暗めになり、それを利用して双葉さんがソンブレロと武田を踏み台支えとしてラリーの上に乗ります。

ジョー「♪だから ダンスダンスダンスダンス
     さあ 踊ろう
     レディーファースト!」

ジェミニが一回転のジャンプターンも交えポーズを中央で取り、その両脇の西村と武田が並び、後ろでは双葉さんも右手を上げて微笑んでいます。
ここで、今までなら完全に暗転してしまうのですが今回は舞台の奥にいた双葉さん、武田、ソンブレロはそのまま紗幕の後ろに行きますが、ジェミニ、ボス、西村は紗幕の前にきて新次郎たちと鉢合わせ。
下手からやってきた三人組を不思議そうに眺めていますが、新次郎が「ピッピッピキピキピッピッピッ!」とジェミニの目の前で指を振ったり、「ピピぺ!ピピぺ!」と手首を二回回して居るのに合わせて、三人は下手へ下がって行きました。新次郎たちが反対側の上手へ。最後は「ピッピッピッピッ!」と手を閉じたり開いたりして、ポーズをとりすぐに下がると、紗幕の向こうに赤い照明が灯り、舞台にはたくさんの人影が。

楽そうな格好の人は一人もおらず、つながれていたり地面に突っ伏していたりしています。時折響く鞭の音に、苦しそうにうめくのは奴隷たち。
ひときわ大きく鞭の音が響いた後、舞台中が雷が落ちたように白い光で瞬き、中央部分にいた二人が立ち上がります。

二人「あ!!…ひらめいた!」
子供「インディペンデンス!!白人から独立しよう!!」
女性「黒人解放宣言!!」

子供はリカ、女性はサジータです。高々と宣言すると同時に紗幕が上がり音楽が流れてきます。

♪ジョージア

リカが上手、サジータが下手側に立ち、それぞれに歌い踊ります。
前までの西部が一番芝居要素の多いナンバーだとすると、こちらは一番のダンスナンバー。とにかく魂をぶつけるような激しいダンスが続きます。
女性アンサンブルが多く登場し、舞台中央にある高台の上にはラッシー先生やレッドベリーもいます。

サジータ「♪色の違いや 貧しいことが」
リカ「♪人間の価値を決めるものじゃない」
サジータ「♪WohWohWoh」
リカ「♪解き放て お互いを縛るもの」
サジータ「♪ここから始まる」
リカ「♪輝く未来が」
二人「♪おお ジョージア」

二人が一番を歌いあげると、長い間奏部分を休みなく踊りながらリカが下手、サジータが上手側へと移動します。
最後のアカペラ部分では二人で舞台中央で背中合わせになり、赤い照明の中で歌い上げます。

二人「♪おお ジョージア ここから始まる
    ジョージア 輝く未来
    おお ジョージア ここから始まる
    ジョージア 輝く未来が
    おお ジョージア」

まっすぐに前を見る二人の後ろで高台が半分に分かれて、その後ろからとても眩しい光があふれて出てきます。
赤い光を消し去るほどの強い光。
力強くポーズを決めた全員に拍手を送っていると、一瞬の間で暗転。

次に照明が入ったとき、舞台には遮光カーテンが下りていて、その前に一人佇むのはラチェット。

♪夢よ

ラチェット「♪湧き上がる夢よ 儚き夢よ
       人生のすべてをかけても この手に握れぬかもしれない
       ああ 夢よ
       私を愚かだと 笑いなさい
       傷ついて 悩み苦しんで たとえ裏切られたとしても
       いつも夢を追う私を 笑いなさい」

舞台中央で物思いにふけるように下をむていた彼女が顔を上げて歌い出した瞬間。
世界を魅了する大女優とはこういうことなのかというのを肌で感じることができました。
ここで少し曲調が変わり、彼女が初登場した時に流れていた曲「銀色の風」のメロディーが。
それに合わせて、ラチェットさんは下手へ移動して、辺りを見渡し微笑みを浮かべますが歌が始まると
やわらかな笑みは影をひそめます。

ラチェット「♪私は夢を見てしまった
       だからあきらめない 夢を見た人間は
       あきらめてはいけない 夢に向かうことを」

下手から上手へ。歩みを進めながら高らかに歌うと、遮光カーテンの向こうに照明が入り羽を背負い、レビュウ衣裳を着た女性ダンサーさんたちが一斉に並びます。
それは、舞台の中に広がっていた夢の空間が透けて見えているように感じました。
ラチェットは、夢と現の境のような場所で歌っているのだと。

ラチェット「♪だが
       湧き上がる夢よ おまえは残酷だ 努力も信念も粉々にする
       湧き上がる夢よ おまえは美しい 希望と喜びを私にくれる

       私はその道 歩いてゆこう
       夢こそが生きる糧だ
       きっと私の道は輝いてみえるだろう

       そして いつか!
       老いた私はきっと微笑むはずだ
       ああ夢よ 見果てぬ夢よ」

ラチェットの歌が聞けて、本当に良かった。と思わずにはいられないほどの圧倒感。
見事に歌い上げ、微笑みを一つこぼして…ラチェットは踵を返すと両手でカーテンを広げ振り向くことなく舞台の奥へと向かって行きました。
夢を追い、夢の彼方へ…
その姿が完全に見えなくなるまで、劇場を揺るがすような拍手は鳴りやむことはありませんでした。
如月紫水 <mmurqbvuiy> 2008/09/07 00:14:01 [ノートメニュー]
  第二幕・その2 如月紫水 2008/09/07 00:15:24
  │├28日スペシャルゲストパート 如月紫水 2008/09/07 00:18:48
  │├千穐楽その1 如月紫水 2008/09/07 00:21:47
  │└千穐楽その2 如月紫水 2008/09/07 00:22:44
  楽しみにしてました。 松沢了 2008/09/08 00:41:42
  │└いつか、夢がまた見れますように 如月紫水 2008/09/10 23:35:46
  お疲れ様です。 KeNJI 2008/09/08 06:43:44
  │└観劇の余韻に(笑) 如月紫水 2008/09/10 23:43:24
  Kissmesweetを聴くと… 紀州人 2008/09/28 18:57:45
   └kissmesweetは… 如月紫水 2008/09/30 21:22:17

[サクラ大戦BBS] [EXIT]
新規発言を反映させるにはブラウザの更新ボタンを押してください。