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紐育星組ライブ2011〜星を継ぐもの〜レポート

  紐育星組ライブ2011〜星を継ぐもの〜レポート 如月紫水 2011/08/06 15:54:05
  第一幕その2 如月紫水 2011/08/06 15:57:10
  第一幕その3 如月紫水 2011/08/06 15:57:57
  第二幕その1 如月紫水 2011/08/06 15:58:57
Re: 紐育星組ライブ2011〜星を継ぐもの〜レポート [返事を書く]
第二幕その1


さぁ、ここから第二幕!
毎回思うのですが、休憩20分て長いようで短いですよね!(爆)
席に戻ると、ほどなくして会場が徐々に暗くなり、照明が落ち切ったところで曲のイントロが。

♪ザ・シティー

幕が上がると紐育の街並みをバックに中央に集まる紐育メンバーの姿が!
立ち位置はこんな感じです。

ラッシー、双葉        新次郎、サニー
        プラム、杏里

やはり、メインボーカルであるプラムと杏里がセンターに。
ちなみに、このメンバーの後ろにはダンサーズも控えていたためすごく豪華な群舞となっていました。
さらに舞台上段には西村、ボス、武田とダンディ団も勢ぞろい!

この曲はフルコーラスだったので間奏部分で昴、リカ、ジェミニ、サジータ、ダイアナも上手から登場!
中央で昴→トロンボーン、リカ→ドラム(スティックの代わりにサイリュームを持っていました)
ジェミニ→ピアノ。サジータ→ギター。ダイアナ→サックスのエアバンド。
そして、間奏部分が終わる前に、下手へ去って行きました。

紐育初期の曲ですが、これもすごく舞台映えする一曲ですよね。
最後は新次郎がセンターでプラム、杏里と共に決めポーズ!
思えば、新次郎が初めて歌ったのはこの曲でしたね。

曲が終わり、物語が動き出すと同時に「新くん!」と双葉さんが手まねきしますが
新次郎はそれをスルーしてその隣にいたラッシー先生と舞台の相談をしながら下手へと去ってしまいました(笑…双葉さんもそれを追って下手へ)
杏里とプラムが上手へと去り、ダンサーの皆さんも紐育の街を行き交う人々として動き出す中、サニーさんが下手へ向かいながら両手を広げます。

サニー「いや〜歌って踊る!楽しいね〜〜!
    ああでも、楽しんでばかりもいられない。
    ここのところ忙しくて書類が山積み!
    早く処理しないとラチェットに怒られちゃう」

ぼやきつつも、仕事をするべく下手へと歩き出しますが、舞台中央から現れたダンディ団の武田に声をかけられて足を止めます。

武田「サニーの旦那!」
サニー「ん?私を呼ぶ声が?…でも、あんな汚いだみ声、覚えがない!」

さすが!すっぱり切りましたね(笑)
そのまま去ろうとするサニーさんに慌てて駆け寄り、その手を掴む武田。
その後ろで、ボスと西村は、紐育の街並みを眺めて観光中。

武田「ちょちょちょちょっと!!!
   リトルリップシアターに住み込みで働いているベロムーチョ武田ですよ!」
サニー「あー!!…思いだせない(ずっこける武田)
    あ、でも一人だけサンバのリズムで踊る使いっ走りがいたような…
    踊ったら思いだすかも」
武田「踊らないと思いださないんスか!」

こう振られたら、踊るしかありませんね(笑)
客席もわかってますから、即座に手拍子で乗せます(笑)
半ばやけくそに「ベロベロムーチョ、ベロムーチョ!」と踊る武田。
その動きにボスたちも振り返り、武田を挟んでサニーさんの存在に気づきます。
そして、サニーさんもパンッと手を叩いて

サニー「あーー!!思い出した!!(武田をスルーしてボスたちの前へ)
    たしか、以前お会いしましたよね。たしか……」
ボス「あー…たしか、あなたは……」
西村「たしか……あー…」
サニー「お二人は……あー、たしか…」

お互いに、ここまで出かかってるのに!という様子で必死に記憶を手繰る姿に業を煮やした武田が割って入るのですが…

武田「たしかたしかって、だからこちらがボスで
   こちらがリトルリップシアターのサニーさんでってうおぉっ!?」

邪魔するな!とボスに手で払われて舞台から落ちてしまいました!(笑)
もちろん、予定された動きですよ。アクシデントの類ではありません。
ここで、上手に現れた杏里、下手から現れたプラムが煮え切らない中央メンバーを見かねて、同時に手を挙げて合図。
すると、曲が流れだし先程までのもどかしさはどこへ行ったのやら、ビシッとポーズを決める三人(笑)

♪ゴールデンウェイ

ほどなくして武田も舞台上に戻り、ダンサーさんも加えた群舞で歌い踊ります。
そりゃあ、この二人が揃ったらこれを歌いますよね!!
間奏部分が一部短縮されていましたが、たっぷり堪能しました!!
そして、歌が終わると思いだすのでした(笑…ダンサーの皆さんは曲が終わるとそれぞれはけて行きました。プラムと杏里は、ラスサビへ向かうくだりで一足先にはけてました。)

ボス「あなたはリトルリップシアター、オーナーのサニーさん!」
サニー「そういうあなたたちはニッポンの歌って踊れるギャングのみなさん!
    いやー踊るまで思いだせないなんて、最近忙しくて疲れがたまってるのか物忘れが激しくて」
ボス「いやいや、こちらも時差ボケってやつですかね。失礼しました」

互いににこやかに挨拶をする三人に、武田は一人距離を取り下手で文句を

武田「ったく、なんだかんだで見せ場作っちゃって!
   ホンット目立ちたがり屋なんだからこの三人は!」

いやいや、武田。しっかり乗ってたじゃないですか(笑)
これにいち早く反応を示したのはサニーさん。つかつかと下手へ向かい、武田に詰め寄ります。

サニー「おやおや、ベロくん!なんですか、その態度は。
    私はあなたの飼い主!」
武田「ワン!!」(思わず、犬のように鳴く(笑))
サニー「じゃない、雇い主!(笑)
    仕事もせずに街をフラフラ!
    しかも雇い主に対する厳しいツッコミ!
    これは減給……チチチ、減給なんて甘いもんじゃない。
    解雇処分!!」

ハッキリと言い渡された武田。これにはさすがに慌てて叫び声をあげてサニーの足にすがりつきます。

武田「サボってたことは謝ります!この通り!!すみませんでした!」

土下座して謝る武田に、後ろからさらに助け船が。

ボス「それには、あっしらに責任があります
   こいつが使いの途中だってのを知りながら、無理やり連れまわしたんです」

ボスの真摯な態度に、思わず顔をそちらに向ける武田。そして、サニーさんもちょっと不本意そうですが頷きます。

サニー「わかりました、今回の件については理解いたしましょう。
    しかしこのベロくん、最近勤務態度が非常に悪い!」
ボス「出来が悪いのは、あっしもよく知っています。
   ロクな仕事もできないくせに、文句だけはいっちょ前でして。
   でも、根は真っ直ぐな奴なんです。
   それが証拠に、あっしはこいつに裏切られた事は一度もありません。
   信頼に、値するやつなんです」
武田「ボス…」(立ち上がり、ボスの背後、西村の隣に立つ)
ボス「どうですか…一曲歌って踊った仲じゃないですか。
   ここは、あっしの顔を立てて、今まで通り面倒見ちゃくれませんかね。
   お願いします」

ボスが当たり前のようにスッと頭を下げると、西村も「お願いします!」と綺麗なお辞儀を。
ボスとアニキの思いを垣間見た武田も「お願いします!!」と必死に頼み込み。
すると、目を合わせなかったサニーさんがようやく重い口を開きました。

サニー「ベロくん!…今日から一週間、シアター中のトイレ掃除を命じます!
    目も開けられないくらい、ピッカピカにするように!」
武田「……へい!!合点、承知!!」

威勢のよい返事に、一つ頷きサニーさんはそれ以上何もいわずに下手へ。
残されたダンディ団三人。
舞台中央にいる二人に、下手に移動して頭を下げる武田。

武田「ボス!アニキ!ありがとうございます!
   危うくまた食いっぱぐれるところでしたよ」
ボス「まぁ、今回はサボらせた俺たちも悪かったからな」
武田「じゃあ俺、さっそくトイレ掃除行ってきます!」

満面の笑顔で走り出そうとする武田に、何か言いたげに声をかけるボスですが、その戸惑いの表情はすぐに笑顔に変わりました。

ボス「あ……お、おお。行って来い。
   俺たちも後で、スターファイブさんのブロマイドでも買いに、寄るぜ」
武田「へい!じゃあ、後ほどリトルリップシアターで!
   待たせたな、マイケル(頭をなでる仕草の後、エア愛馬にまたがる武田)
   アディオス!アミーゴ!!」

勢いよく下手へと駆け出したその背中をしばらく見つめるボスに、西村が耐えきれず訊ねます。

西村「ボスいいんですか?」
ボス「何がだ?」
西村「武田のことですよ。舞台の事は口実で、本当は武田にダンディ団に戻ってこないかって言うつもりだったじゃないですか」

西村の口から零されたボスの真意。
ああ…ついに!?と思ったのですが、ボスは薄く笑って小さく首を振ります。

ボス「…ブラジルでコーヒー農園やるって出てったのに
   あっちこっち流れついちゃ、パシリみたいな仕事して。
   だったら花の帝都でギャングやってたほうがちったぁマシかなぁと思ったんだが
   …どんだけズタボロになってるかと思いきや、なんでぇ、イイ面してるじゃねぇか。
   戻ってこいなんてのは、大きなお世話だ。
   アイツが自分の足で歩いている以上…俺たちは、黙って見守るだけだ。
   アイツが足をくじいて立てなくなっちまったら
   手ぇ差し伸べてやろうじゃねぇか。
   それが俺たち、ダンディ団の絆ってやつだろ」

ボス…!!!
さすがの男気を見せたボスに、西村もそれ以上言葉を重ねることはしませんでした。

ボス「…ぽてと。じゃなかった、さてと(笑)
   俺たちも、居場所へ帰るとするか!」
西村「スターファイブさんのブロマイド買いに行くんじゃなかったんすか?」
ボス「ああ、スターファイブさんのブロマイドは欲しい〜〜…
   けど、またあいつと顔を合わせる事になるだろ」

陽気な声を出していたボスですが、最後はやっぱりどこか気まずそうで。
それを察した西村は、また口をつぐんでその背中を見つめます。

ボス「男に未練は必要ない。
   (バッと扇子を広げて)……行くぞ!!」
西村「はい!!」

そのまま真直ぐ、一度だけ少し立ち止まりましたが下手の階段を下り、客席を抜けて下手の扉へと去っていく二人。
この二人に、ダンディのメロディーはピッタリすぎて…!!!
男を見せてくれた二人に、自然と客席からは拍手が。

その間に、舞台上では転換が行われて、次なる場はリトルリップシアターのロビー。
BGMとして静かに流れるのはレニと織姫が歌ったあの曲の前奏。

♪心の置き場所

この時点で舞台上にいるのはテーブルに腰掛けてそれぞれおしゃべりを楽しむ二組の女性(ダンサーさんたち)
その女性たちに飲み物を運ぶ杏里。ドリンクバーの中で笑顔で働くプラム。
そして、カウンターでプラムと言葉を交わしながらグラスを傾けるサジータ。

この曲、前奏がすごく長いので(90秒ほどある)こういう使い方は大いにありだと思いました。
そしてさらに前奏に合わせて舞台に様々な人が現れます。

まず、下手からお皿に乗せたホットケーキを幸せそうに頬張るリカ。
同じタイミングで、上手からドリンクバーのカウンターでくつろいでいたサジータさんはおもむろに束ねた髪に手を伸ばし、一気にほどいて髪をかきあげます。
おおお、仕事じゃなくてプライベートモードに…!!

リカは近くにあったテーブル席に座る女の人たちにもおすそ分け。そのままカウンターの方へ歩いて行き、サジータにも勧めますが、サジータはやんわり首を振って断ってました。
ニコニコ笑顔でリカは上手へ。

そのリカを少し目で追ったサジータさんは、プラムに目配せして上手へ。
このあたりでテーブルが一つ空き、続けてもう一つのテーブルで談笑していた女性たちも立ち上がって下手へ去って行きました。
空いたテーブルを片付ける杏里。
すると、下手から台本を読みながらダイアナが入ってきたのですが
台本に没頭していたため前が見えず、舞台中央からエア乗馬して半分妄想の世界へ旅立っていたジェミニとぶつかってしまいます。
即座にごめんなさい!と頭を下げて台本を拾い、ダイアナに返すジェミニ。
それを笑顔で受け取ったダイアナは、今度は前を注意しながら上手へ。

ここで、舞台中央から織姫とレニが現れて最初に空いたテーブルに座って、杏里にドリンクをオーダー。
舞台に残ったジェミニが振り返ると、上段に新次郎の姿を発見してそちらへ向かうのですが
一足違いで上段上手から現れたダンサーのみなさんが二人の間に入り、先に新次郎と話を始めてしまいます。

輪に入れないジェミニ。そうこうしている間に話がまとまったのか、ひと足早く下手へと行ってしまう新次郎。
タイミングを逃したため、ダンサーさんたちに向かってもう!と頬を膨らませてからその後を追うジェミニ。
杏里が織姫の前にティーカップ。レニの前にアイスティーが入ったガラスのコップ(星のストロー付き)を置いて、杏里はそのまま上手へ。
それと入れ違いに昴が現れ、テーブルに座る二人を見てからプラムへ視線を合わせ、お互いに小さく頷くとプラムも杏里を追って上手へ。

ここで、織姫とレニは歌に入り、昴はそのままカウンターの近くから見守っていたのですが
「♪過ぎた時を想い〜」でそっと微笑むと、上手へ静かに去って行きました。

もともと、花組で得たものを二人が歌う歌だったのですが、今ここで聞くと…さらに沁みるものがあります。
立ち上がり、心をこめて歌う二人。途中、手を取り合う振付が、かなり印象に残っています。
「♪あなたがいる〜」の辺りで、舞台中央からラチェットが現れ、二人の歌を微笑みながら見守っています。
歌が終わり、再びテーブルに座った二人に向かい、声をかける。

ラチェット「変わったわね、あなたたち」
織姫「ラチェット」
ラチェット「(隣のテーブルに座りながら)どう?リトルリップシアターの居心地は」
レニ「うん、悪くないね」
織姫「それよりラチェット、わたし達が変わったってどういうことですかー?気になるでーす!」

質問を投げかけられたラチェットは、テーブルに頬杖をついて、足を組み遠くを見つめながら口を開きます。

ラチェット「言葉で言い表すのは難しいけれど…
      そうね、強いて言うなら
      あたたかい。とってもあたたかいわ」

そう口にしたラチェットの顔に自然と笑みが浮かんでいるのを見たレニと織姫も一瞬目を合わせて言葉を返します。

レニ「そういうラチェットも、ずいぶん変わった」
織姫「そうでーす。前は(立ちあがって、真顔で一歩前へ)
   効率的に。とか(さらに一歩前へ)合理的に。とか
   能面みたいな顔をして難しいことばーっかり言ってたでーす」

扇子を手に、中腰で能の型のような動きをしてテーブルの周りを回る織姫に、ラチェットは頬杖から顔を上げて反論。

ラチェット「まぁ、心外ね!それは、レニと昴でしょ。
      私は、よく笑ってたわよ」
レニ「ううん…あの頃のラチェットは、笑ってたけど、笑ってなかった。
   少なくとも、ボクたちに見せていた笑顔は本物じゃなかった」
織姫「そうでーす!
   偽物の笑顔は、能面と同じでーす」
レニ「でも、今の笑顔は本物だ…優しい笑顔だ」
織姫「いったいぜんたい、何があったですかー?」

レニと織姫の指摘に、言葉を重ねないラチェット。
それは、自分でも感じていたことだったのでしょうね。
そして、二人の疑問に、笑みをさらに深くして答えます。

ラチェット「…出会ったの。
      関わった人の考え方や、生き方まで変えてしまう
      サムシングエルスを持った隊長さんに」

それがとても幸せで、とても有意義なものと表情で語るラチェットに二人は目を見開き、素直に驚きを交わして声を上げます。

レニ「…大河新次郎?!」
織姫「ええーーー!?あのとっちゃんボーヤがですかー?!!」

とっちゃん坊やって!!!!(大笑)
思わず立ち上がってしまった織姫の相変わらず突き抜ける叫びに、笑わずにはいられませんでしたが
(ちなみに、「とっちゃん坊や」とは「大人でありながら、容貌やしぐさに子供っぽい一面のある人」という意味だそうで…使いどころとしては合っていますね)
話は真面目に続いて行きます。

織姫「なよなよしてて、いっつも困り顔ばっかりで、そんな人には見えないでーす!」
(レニも、無言ながら同じような気持ちでラチェットを見つめる)
ラチェット「たしかに、あなたたちにはそう見えるかもしれないわね。
      でも、彼だからこそできるやり方があるの。
      他の誰でもない、彼だからこそ語れる言葉。
      彼だからこそ、伝えらえる思い。
      そして、彼だからこそ描ける夢があるの。
      (静かに立ち上がり)…その夢を共に描きたい。そう思える、仲間」

台詞の、立ち上がった所から曲のイントロが入り、そのまま歌へ。

♪夢よ

こんなに良い流れで、ストーリーの中でラチェットさんの曲が聞けると思ってなかったのですが…本当に、この歌の生は迫力があってすごい。
毎回毎回、鳥肌が立つ歌なんて早々ない。
「♪いつも夢を追うわたしを 笑いなさい」の後のラチェットのテーマが響く間奏部分で、織姫とレニが立ち上がり上手へと移動したラチェットに声をかけます。

織姫「笑ったりなんかしないでーす」
レニ「うん。とっても素敵だと思う」

振り返り、微笑みを交わす三人。
そこへ、上手上段からノートを抱えて現れた新次郎。
それに気づいた二人は、それぞれに手を振って軽い足取りで下手へ去って行きました。
新次郎はそのまま残り、ラチェットの歌の間ずっとそこでラチェットを見つめていました。

二日の夜は、珍しく「希望と喜びを与えてくれる」の歌詞が飛んで「私に…喜びを与えてくれる」とあやふやに歌ってしまうハプニングがありましたが
最後は全日淀むことなく歌い上げ、くるりと振り返り、新次郎に軽く指先でエールを送ると、そのまま舞台中央の奥へ去って行きました。

大河「ラチェットさん…ぼく、やります!」

期待を背負った新次郎は、レニと織姫が座っていたテーブルにノートを置き、二人が飲んだカップやグラスをカウンターへ片付けながらさっそく舞台プランを考え出します。

大河「ん〜〜…やっぱり、子供から大人まで楽しめる舞台がいいな。
   うーん、じゃあやっぱり演目は…(カウンターからテーブルへ戻りつつ)
   まずは、スターファイブそれぞれの個性を見せるシーンが欲しいなぁ」

真剣に悩む新次郎のその後ろ、舞台上段の上手から昴さんが通りがかり、その姿を目にとめると同時にジェミニ、サジータ、リカ、ダイアナも上段に現れ
昴さん以外がそれぞれ新次郎を呼ぼうとしますが、それを昴さんが鋭く制してスターファイブ全員で新次郎を見守ることに。
そんな五人のやり取りには一切気付かない新次郎は、考えている事をどんどん口にしていきます。

大河「ジェミニは一生懸命さが伝わってきて、見てるこっちも元気になってくるんだよね
   (パチン、と指を鳴らして、席に座りノートを広げて、ペンを走らせる)
   じゃあきっと、この役がピッタリだ!」
ジェミニ「新次郎…」
大河「サジータさんの歌声はパワフルで、聞いてると勇気が湧いてくる!
   だから、こんな感じの曲を歌ってもらって」
サジータ「新次郎…!」
大河「リカはやっぱり元気が一番!
   この役で、劇場中を走り回ってもらっちゃおう!」
リカ「しんじろー…」
大河「あ、ついでにノコにも出てもらおうかな。(リカ、にししと笑って肩のノコに頬を寄せる)
   …ダイアナさんは、演技派だからなぁ
   普段のダイアナさんと正反対の、力強い情熱的な女性も似合うんだよね」
ダイアナ「大河さん…!」
大河「昴さんは個人主義
   ……に見えて、大人数のダンスのときはちゃんとみんなを気遣ってくれるんだよね。
   じゃあやっぱりダンサーさんとの群舞がいいかな」
昴「大河…」

一人一人をきちんと見て、理解して、適材適所にあてこんでいく新次郎の姿に、全員が感激して名前を呟く。
それぞれに目を合わせ、上段下手に集まるスターファイブ。

大河「…必ず、紐育に元気を取り戻してみせる。
   よし!やるぞ!!」

拳を握り締め、瞳を輝かせる新次郎の言葉をキッカケに、また聞きなれないメロディーが。

♪この道は

ついに、新次郎念願のソロ曲…!!!
スターファイブに見守られる中歌うなんて思ってなかったから、初日は新次郎の前向きさとスターファイブの温かな視線に胸が熱くなりました…!
個人的には、成長物語…というかロードムービーの挿入歌的なイメージのある曲でした。
以下、耳コピですが…最後だけどうしても一か所だけ聞き取れませんでした…

この道を ぼくは歩いてきた
誰かに言われて歩いてるわけじゃない

この道は ずっと続いている
だけどぼくの意思で歩き続けている

ときどき歩き疲れる そんな時は休もう
山を歩く時も 川を渡る時も

この道を ぼくは歩いてきた
誰かに言われて歩いてるわけじゃない

この道は ずっと続いている
だけどぼくの意思で歩き続けている

なんで歩いてるんだと 自分に問うけど
自分の足で歩かなくちゃ 未来に向かえない

そこにぼくの夢がある 落ち込むこともあるけど
それでも夢を描くと 勇気がわき上がる

ああ そしてまたぼくはまた歩きはじめる
(     ) ぼくの選んだこの道を

朗々と歌い上げると、ここでようやく振り返りスターファイブに気づく新次郎。

大河「みんな!いつからいたんですか?
   あ!聞いてください、舞台構成なんですけど…」

またもや新次郎が本題を話し出す前に、上段から階段を駆け下りてきたジェミニが頭を下げます。
続けて降りてきた他の四人も、新次郎を中心に舞台に散って(ちなみに上手側にダイアナリカ。下手側にジェミニ、サジータ、昴)ちょっと気まずそうな顔をしています。

ジェミニ「新次郎、ゴメン!!
     (ゆっくりと顔をあげて)新次郎がボクたちや紐育のみんなの事を考えてたときに
     ボク…自分のことしか考えてなかった」
サジータ「アタシも悪かったよ。
     誰よりも早く役者として一皮剥けたくて…ちょっと焦ってた」
ダイアナ「私も、頭ではわかってるんですけど上手く表現できなくて…
     情念と言う言葉に、つい惹かれてしまいました」
リカ「リカもごめんなさい!!
   みんなのおやつ、つまみ食いしちゃった!」

にしししし、と笑うリカの毛色の違う謝罪に全員が「え?」となりますが、次の昴さんで話題持ち直し。

昴「それはともかく。
  大河の話に耳を傾けようとしなくて、悪かった」

改めて全員でごめん!!と頭を下げるスターファイブに、新次郎も「ぼくの方こそ…すみませんでした!!」と同じか、それ以上の勢いで頭を下げる。
予想していなかった返しに「え?」となるスターファイブ。

大河「ぼくも、舞台の事で頭がいっぱいで…
   でもみんなも、ぼくに何か伝えたいことがあったんですよね?」

うわぁ、この新次郎…邪気がなさ過ぎてみんな眩しそう(笑)
というか、気まずそうに全員苦笑いを浮かべてやり過ごそうとしたのですが
「何ですか?遠慮なく言ってください!」と新次郎にダメ押しされてさらに目が泳ぐ。
が、一人思考回路がずれてたリカが思い出した!!と手を叩いて、再びコイの動きで新次郎達の前を横切って下手へ。

リカ「コイだぞ〜〜〜!!」
大河「こい?」
リカ「デートだぞぅ!!」
大河「デート!?」

ダイアナが叫ぼうが、ジェミニとサジータが止めようとするがお構いなし!(笑)
ですが、ここですかさず昴さんがポケットからラムネを取り出して、それで釣って終息(笑)
でも、話題投下された新次郎はきょろきょろとメンバーを見渡し答えを探すのですが…

サジータ「違う…違うぞ。
     ほら、なんか言いたいことがあったんだろ?」

ごまかし笑いを浮かべるサジータに促され、ダイアナとジェミニがそれにたたみかけます。

ダイアナ「次の舞台の話!」
ジェミニ「紐育を元気にする舞台!」
リカ「い〜〜っぱい踊って、い〜〜っぱい歌うと楽しいぞ〜〜!!」

ラムネを食べ終えたリカが走って新次郎の手を取り、そのままくるくると回っていると、昴さんが笑顔交じりに話をまとめます。

昴「まぁ、待て。まず、大河の話を聞こう」
大河「はい!じゃあみなさん、あちらに集まってください!」

ということで、ふわふわ恋に浮かれていたスターファイブは落ち着きを取り戻し、全員が仲良く連れだって
新次郎が舞台プランを考えていたテーブルに集まってさっそく相談。
そこへ、舞台中央から入ってきたラッシー先生も自然と加わっていきます。
一方、同時にサニー、プラム、杏里、双葉さんもやってくるのですが、こちらは恋の話題を上手でひっぱります。

プラム「もう、奥手なタイガーを心配するのもわかるけど
    恋は人に急かされてするものじゃないでしょ!」

物足りない、とちょっと不満げな表情の双葉さんに腕を組んで諭すプラム。
それに杏里も乗っかって声をあげます。

杏里「そうですよ!急かすのはんたーい!」
プラム「はんたーい!」
双葉「だぁって!このままではいつまでたっても孫の顔が見れないではないか
   だから、新くんの嫁候補たちに積極的になってもらってだな」
杏里「そんな、積極的だなんて…いやらしいです」
双葉「ん?何がいやらしいんだ?ん?んん??」

おっと、さらなる嫁候補!?とニヤニヤと笑って照れて髪をいじる杏里のせっつく双葉さん(笑)
そんな杏里がかわいいのか、面白そうと乗ってしまうプラム(笑)
そのまま新たなる悪乗りが始まるのか!?となりましたが、ここでサニーさんが会話に入ってきました。

サニー「まぁまぁ、ミセス大河。いや、双葉さん。
    大河くんはまだ若い!そしてあなたも、若くてお綺麗だ。
    まだまだおばあちゃんなんて早いですよ。
    それに、かわいいベビーは見られます。いずれね」

この台詞、初日でサニーさんがやらかしました(笑)
「ミスター大河。いや、ミセス大河!!」って言ってしまったんです(大笑)
でも、このフォローに双葉さんは満足したのか浮かれた笑顔で頷きます。

双葉「そうだな、まだおばあちゃんと呼ばれるには早いか。
   なんたって私は、若くて…綺麗なんだから」

んっふふふふという具合に笑う双葉さん(笑)
こっそりサニーさんに近づいたプラムと杏里が、肩を寄せ合って小声で会話。

プラム「ナイス、マスター」
サニー「ミセスの相手はお任せを」

そうですね、ようやく双葉さんの矛先が完全に落ち着きましたものね(笑)
と、完全に話が一つ決着がついた所で、サニーさんが改めて下手へと向かい、新次郎に声をかけます。

サニー「大河くん!どうだい、良い企画はできたかい?」

その声に舞台構成組がそろって顔をあげます。
みんな楽しそうな良い顔です。

大河「まだ構想途中ですが、みんなのおかげで良い舞台になりそうです!」
ジェミニ「新次郎のおかげで、いまボクたちがやるべきことがわかったんです!」
サニー「ほう?それはなんだい?」
ジェミニ「力を、合わせること!」
サジータ「心をこめて歌う事!」
リカ「元気い〜〜っぱい!踊ること!」
ダイアナ「お客様に、笑顔を届ける事」
昴「そして、それを絶やさぬこと」

淀みなく、すらすらと自分たちの向かう先を言葉にする面々に、サニーさんも満足げに頷きます。

サニー「素晴らしい!それでこそ、スターファイブ!
    それこそがリトルリップシアターだ!
    …ああだけど、ブロードウェイ全体に元気を取り戻すこと。
    これは、容易なことではないよ」
大河「はい…難しいことだとわかっています。
   でも、みんなの力を合わせれば、必ずできる!
   そう信じています!!」

今一度釘をさすサニーさんに、それでも新次郎はどこまでも前向きに、スターファイブ始め全員を見渡して言いきりました。
その様子に、サニーさんも満足げな笑みを浮かべます。
その流れのまま、曲の前奏が流れ歌へ。

♪シンフォニー・ウィズ・フレンド

振付は、一部だけ前回と同じでした(ジェミニの「♪君と僕がいれば」の部分で、高くVサインを掲げるのが好きだったので、それが残ってて嬉しかった)
これはフルコーラス歌ってくれました!
間奏部分で、それぞれが手をつないで立ち位置を順番に変えて行く振りでは最上手と下手になったメンバーの動きがそれぞれらしくて毎回そこを気をつけてみてました。
(リカはぴょんっとジャンプしたり、昴さんは静かに微笑んでいたりと一人ひとり違っていたんです)
そのときの立ち位置は下手からプラム、ジェミニ、杏里、昴、大河、サジータ、双葉、リカ、ラッシー、ダイアナ、サニーという感じでした。

そして「♪手をつなごう」の部分ではスターファイブ以外が客席に降りてそれぞれ握手。
スターファイブのみんなも舞台上から手を伸ばしてくれて二階席や一階席とエア握手してくれました。
「♪そのぬくもりこそが世界」では下手から
ダンサー、プラム、サジータ、ダンサー、杏里、ダンサー、昴、大河、ダンサー、リカ、双葉、ダンサー、ダイアナ、ダンサー、ジェミニ、ラッシー、ダンサー、サニーと
舞台上にいた全員が手をつないで、その手を高く上げる姿に絆を感じて、本当に今回の紐育は心に沁みると感じ入りました。

最後はダンサーの皆様が後列に下がり、下手から双葉、プラム、大河、ダイアナ、サジータ、ジェミニ、リカ、昴、サニー、杏里、ラッシーと並んでポーズ。
拍手が鳴りやむ頃、大河が左右を見て声をかけます。

大河「じゃあみなさん!さっそく稽古に入りましょう!!」

その声に、すぐさまみんなが笑顔で返事をし、全員が下手へ向かう中、一人足を止めて立ち止まる昴。
如月紫水 <rxqkycrwxn> 2011/08/06 15:58:57 [ノートメニュー]
  第二幕その2 如月紫水 2011/08/06 15:59:29
  千穐楽ダイジェスト 如月紫水 2011/08/06 15:59:56
   ├待ってましたァッ! とりなべ 2011/08/07 13:06:41
   │└待っていてくれてありがとう!! 如月紫水 2011/08/08 23:50:44
   ├これがなくては!! 朱天 2011/08/07 16:03:13
   │└いえいえ! 如月紫水 2011/08/08 23:52:57
   └脳内再生! 夢織時代 2011/08/10 01:38:52
    └二つの星組! 如月紫水 2011/08/12 21:00:03

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