[サクラ大戦BBS]

MAKING APPEND NOTE
とりなべ//歌詞サイト更新しました への返事
6/27に発売された、紐育の歌曲CD"Review In Little Lip Theater II"についての感想ツリーです。


 まず、私の最初の感想は・・・

これがッ!歌謡曲だッ!

 …というものでした。


 帝都の歌曲が歌謡曲を再現したものだとしても、それは70年代前半くらいまでの、ワリと大人しい感じの曲だったと思うんですけど、これはつまり、広井さんが青春時代だった頃かそれより少し後くらいの歌謡曲、だと思うんですよね。

 しかし。
 現在サクラファンをやっている人々にとっての歌謡曲とは、70年代後半、80年代、90年代にまたがる、かなり広範囲のものになります。
 場合によっては、新世紀になって「復刻」された歌謡曲しか知らない、という場合すらあるワケです。

 とりあえず、「ちびまるこちゃん」に出てくるTVの歌謡曲が、70年代中盤の言わば全盛期だとするなら、今度のCDは、ちびまるこちゃん以降の歌謡曲、と言えるのではないでしょうか。

 でもって、この、80-90年代の日本の歌謡曲は、モロにアメリカンポップスの影響下(というかパクリというか)にあったワケです。青春時代の歌がそのままアメリカ由来だとするなら、今回の歌曲はまさにそのものの、日本ナイズされたアメリカを表現したもの、ということになります。
 80-90年代に青春を送った者たちにとって、この紐育の歌たちは、懐かしくて新しい歌になっている、という事に他ならないのではないでしょうか。
 
 青春の歌謡曲が、いまここに!
 リッスン・トゥ・ナメリカン・ポップス!



 …えー、前置きが長くなりました。

 以下、各曲の感想です。


LOVE is
 
 サニー!
 いや、サニー音域とでも言うんでしょうか?いままで隠してたのかと思うくらい、実に艶のある美声が堪能できます。
 ワンペアとサニーはいつもいっしょに歌う、というイメージがあるので、音域も合ってるような錯覚がありますけど、実はそれぞれの得意な音域がぜんぜん違う(音域自体は広いのですが、魅力的というとまた違う)ので、この三人を一曲にまとめるのはけっこう大変なんじゃないのかな、というのが今回あらためて思った事です。
 今回は特にサニーの魅力が大爆発。そんな作りだと思います。
(歌詞カードに載ってないサニーのパートって、アドリブなんでしょうか?もともとの音域を越えて裏声を使ってたりするのは、作曲の時点でそうなってたとは思い難いんですが、あのパートがないというのも想像しにくいような、絶妙な収まり方になってます。)
 そのぶん、いつもは張りのある声のプラムさんが、やわらかい感じに収録されてます。むしろ杏里が「鋭い声」で前に出てきてますね。
 とりあえずこの歌は、iPodでヘビィ・ローテーションで聞いてます。聞いてて心底から笑顔が漏れ出すような歌、というのもなかなか無いのですが、この歌のサニーはまさにそんな感じなんです。
 いや、ハタ目からは歌聞きながらニヤニヤしてるヤツってのもかなり気持ち悪いのかもしれませんが、そのくらい私は気に入ってます。


タブー

 タイトルだけ聞いた時は、加藤茶か、と思ったんですが(年齢踏み絵?)そういう訳じゃなく、会話を歌にしたミュージカルな歌ですね。
 ゲーム本編からして女装にミョーに理解を示していたダイアナさんの本領発揮というか、「私がこれほどいいと思うのですから、絶対にいい事なのです!」とプッシュしまくる感じで、ダイアナさんのキャラ付けがまた濃くなった感じでしょうか。
 あと率直に、新次郎は歌うまくなったなぁ、とか思いました。もちろん、もともと歌手だったりする人々と比較するのはまだまだ酷なのかもしれませんが、ちょっと男らしさが見える気がしました。いや、女装の歌ではあるんですけども。


ブラックペッパー

 ゴージャスなホーンセクションが特徴的なブルースの曲です。いままでのサクラ大戦では(マリアさんの歌の一部を除いて)ほとんどなかったジャンルですね。
 ブルース・ペンタトニックと呼ばれる独特の音階で、ただのマイナーコードではなく微妙な音のズレがあります。「ブラックペッパー」の「ペ」の音を1/4音高く歌うと、それっぽい感じが出るかと思います。
 ただ聞いてるだけだと耳馴染みのいいアレンジですが、歌詞はブルースにしてもちょっと大げさというか、マルコムXみたいな人権闘争を感じさせる内容になってます。とは言え100年前の、しかも架空の世界の話ですから、歴史背景の重さよりはストーリーの一種として聞く方がいいように思います。
 アメリカ音楽でも、ブラックミュージックの幅広く奥深くパワフルな系譜を、サジータさん一人で毎回担当してるのが大仕事なんじゃないかと思いますが、実に「らしい」仕上がりになってます。


夜明け

 元歌は「アニー」の「Tomorrow」でしょうから、意図は完全にミュージカルソングという事でしょうね。
 でもなんていうか、こういう悩みを一見しなさそうで過去にいろいろあったらしい二人が歌うことで、ミュージカルのように楽観的にはなり切れない、より深刻な印象があります。
 こういう歌を歌わないといけない時点で、かなり落ち込んだ状況ではあるのでしょうけど、さらに叙情的なジェミニの声で歌う悲しみを無機質(というか架空キャラ的?)なリカの声で励まされる、という組み合わせが現代的な空虚さや閉塞感を生んでいるのかもしれません。アニーの子役の高音とはかなり異なる聞こえ方になってます。
 ただ、これは動いてるキャラやストーリーと一緒になって聞く歌だと思いますので、ライブではまた違った感じに聞こえるんでしょうね。楽しみにしています。


舞台 - Playing

 いかにもシャッフルビートのジャズ、というのも今までのサクラの歌曲にあまりなかった気がします。「恋の発車オーライ」以来でしょうか。
 これもホーンセクションが豪華です。帝都や巴里ならストリングスやシンセが入る所を、ビッグバンドジャズ風にホーンの掛け合いで聞かせています。
 1番の歌詞がやや斜めから見た舞台の姿なら、2番はさらにそれを斜めから見た、「うそぶく」という言い方が当てはまるような歌詞になっています。
 昴の持つ二面性に、舞台の虚実を重ねたような、激しさと冷静さを交互に出すような歌い方も特徴的ですね。昴の新たな魅力を見た気がします。
 

モノクローム

 耳に心地好い流れるようなメロディ、かっちりしたリズムセクション、きらびやかなシンセ、伸びやかな歌声、内面的で意味のない歌詞。完璧です。これこそ歌謡曲。
「1983年に安全地帯が提供した歌を久保田早紀が歌ったコラボです」とかテキトーな説明を言うと信じる人が居るかもしれない、そのくらいアレンジが「らしい」雰囲気に仕上がっていて、これもおもわずiPodでヘビィ・ローテーションしてます。
 余談ですが、この歌はライブの時には手拍子しない方がいいと思います。リズムが中庸なのでつい手を叩いてしまいそうですが、手拍子が合わないタイプの歌だと思います。


ピンクエレファント

 ピンクの象、というのはいわゆるアメリカの酔っぱらいに見える幻なワケですが、「空とぶピンクの象」となると、これは杉並区西荻窪商店街のランドマークで、空中に浮かぶ象の下には深夜2時くらいになると三件くらいハシゴした酒飲みどもが徘徊している・・・というローカルな話はおいておいて。
 リカちゃんの歌うワルツ。こどもなのに酔っぱらいで、しかも時間は昼間、象が笑うってどんな表情なんだ、とか、ホントによくわかりませんが、そういう状況のようです。それはたとえば「サザエさん」で、ワカメちゃんがヒロポンのんでウィーってなってるような、そんな光景なのかもしれません。ってどんな例えだそれ。


それから…

(母さん・・・また鏡の前で踊ってるよ・・・)
 と、柱の陰からのぞいてる新次郎。
 母さんは小さい頃、歌手になりたいと本気で思っていたそうです。今でも、誰も見てないな、と思ったらこっそり、歌ったり踊ったりしてしまいます。もちろん、家族はみんな知っているのですけど。
 とかそんな微笑ましい光景が浮かんでしまった、双葉姉さんのアイドルソング。
 こわカッコいい女性にも、女の子な一面はある訳で、双葉さんも旦那さんの前ではいきなり可愛い人になってたりするのかもしれませんね。
 歌自体は歌謡曲というか、「新世紀になってから企画されたアイドルの歌」、みたいな感じのビートが効いたアレンジです。
 たぶん、歌手の声に比べてBGMが大きいミックスダウンのバランス、とか、ラジオで流すのに適したシングルレコード特有の高低音の強調がなくて聞きやすい、とか、そのあたりのビミョーな感じが、昔の歌謡曲とは違う新しい感じがするんじゃないかと思います。
 歌詞は、よくある女の子の独り言、みたいなものですが、なんていうか、粉砂糖で作られたお菓子のはずが時々ザラメが混じってる、みたいな、微妙にひっかかる所があります。アイドルソングはアイドルソングで、その当時の売れっ子作詞家が作る職人的な分野だった訳で、真似するのはけっこう大変なのかもしれませんね。いや、実は「2番の歌詞がよくわからない」というのもアイドルソングらしい事、なのかもしれませんが。


ポアゾン〜「クレオパトラ」より〜

 サクラVのゲーム一話で上演されてるのがこの「クレオパトラ」。OVAではキャストが変更されて再演ということで、紐育でも人気のある演目なんでしょう。
 多数のキャストによるお芝居のようです。混声合唱によるコーラスが付いてるのも、この豪華キャストを反映してるんでしょうね。
 歌詞からはお芝居の内容はよくわかりません。カエサルとアントニウスが歌う歌なんでしょうか。この二人は同時期にクレオパトラの情夫や夫だった訳ではないとか、当時アラーは唯一神じゃなかったのでインシャラーと唱えたのかどうかわからないとか、今回のクレオパトラはそんなに鼻が高くないけど問題ないのか、とか、クレオパトラと言えばギリシャ風のセクシーな薄物の衣装だがどう対処するんだボディースーツか?とか、いろいろと気になるところではあります。
 ただ、なにしろ2000年も前の話ですし、歴史ものに脚色は付き物(というかサクラでの改変は付き物)でしょうから、気にしないのがいいのかもしれませんが。
 歌はスターファイブでも設立当初から舞台に立つ二人、サジータさんと昴のデュオですが、歌が上手いのはもちろんのこと、声質が解け合うので一体感がありますね。
 ライブで歌うと、かなり盛り上がるんじゃないでしょうか。

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