[サクラ大戦BBS]

MAKING APPEND NOTE
とりなべ への返事
科学より来たりてオカルトを経て絶望に至る
 その道筋には果たして如何なる事件があったのか。

 想像するしかないのがもどかしいのですが、山崎真之介の辿った道筋こそ、サクラの持つ「魅力」を並べるものなのではないか、と思うのです。

 科学としての霊力。
 新たに科学の俎上に載せられた、この未知の力に魅入られ、技術者として天才的な才能を発揮しました。
 その発見や発明の多くは世界の先端であり、霊力物理に発見者として名を残しています。
 しかしその大いなる才能をもたらした原動力は、魔との戦いの場で仲間を守ろうとする「愛」だったのです。

 そして、オカルト。
 科学が知識の解放であるなら、オカルトは「隠す」ことで力を発揮する技術体系です。
 社会的にタブーとされ一般には知らされない知識や、実在しないのに実態を隠す事で実在していると思わせる手法、恐怖や怒りといった幸福の対極にある感情を利用する方法、など、アンダーグラウンドならではの強い力を発揮できる反面、連鎖的に破壊をもたらし自己崩壊をも招き易い危険な方法でもあります。
 
 真之介の場合はオカルトにもう一つ独自の分野を加える事ができました。
 それは、「いままで誰も発見していないがゆえに自分だけが使える技術」です。
 彼にとっては科学、世界にとってはオカルト。それは単に理論のみならず、技術者としての能力によって機械を作る事によって、科学とオカルトの境をなくしてしまったのです。

 彼は強い力を持ちました。それは不安定で危険な力でもありました。
 それでも、目的が都市防衛であり、愛によって支えられている間は、人間社会の一部として機能していました。
 やがて、降魔戦争によって判明する、都市の防衛に含まれる矛盾、魔の発生に潜む秘密、そして仲間の死・・・

 彼は目的を失いました。
 そして、力を使う方向を変えたのです。
 かつての仲間にとって、そして都市を守る者にとっての、最強最悪の敵として。

 彼の戦いは優勢でした。
 しかし、最後は彼が残した「技術」と「愛」を受け継ぐ者たちによって倒されるのです。
 隠蔽されたオカルトは、開けているがゆえに発展の早い科学には勝てませんでした。
 一人の孤独な怨念は、多くの愛に支えられた正義には敵わなかったのです。
 それが間違った正義なのではないか、という疑問は、表に出ることなくオカルトの淵に沈んでいきました。

 彼が闇の中に残した怨念は、その技術と共に再び浮上して来ます。彼自身を生け贄として取り込み、力を拡大しながら。
 そしてサクラ大戦2が始まります。


 彼の生きた道程は、そのままサクラ大戦のストーリーになっています。
 彼の生まれた日。それは科学とオカルトが一体化しはじめた日、なのかもしれません。


 遅ればせながら、山崎真之介の誕生日を祝わせていただきます。
 彼の生き様を考える事はつまり、サクラ世界を掘り下げる事だと思うのです。 

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