[サクラ大戦BBS]

MAKING APPEND NOTE
とりなべ への返事
一回目クリア(ラストまでバレあり)

 え、7話でおわりなの?!
 ……というのが6話の後の予告編を見た時の感想です。
(後半にもし真のラスボスが出るなら、5〜6話くらいで仮ボスを倒しておかないと話数が足りないので、これはプレジデントGを倒しておしまいだろう、という意味で。)
 実際は最終話がありましたが「真のボス戦」はありませんでした。
 初代サクラ大戦をなぞるのなら、全10話で降魔皇を倒すところまで行かないと、いろんな意味で「足りてない」ものになりますね。

 何が足りてないか、は後でまとめて書くとして。
 一回目クリアした感想はこんな感じです。

サクラ大戦である、ということ
 新しいサクラ大戦をプレイした、という実感がありました。
 会話で信頼度を上げて戦闘で成果を上げるシステムは、現代でも充分通用します。
 イベントの数も豊富で、各話更新の読みものも多く、プロマイド集めにはクイズの要素が足されています。
 ミニゲームはこいこい対戦だけですが、キャラ数が多いのでボリュームがあります。

ボイスが多くある
 フルボイスではないんですが、かなりの会話シーンに音声がついています。
 サブキャラや悪役にも声が豊富につくのがうれしいところ。

キャラの好感度は高い
 10年後に集まった新たな華撃団、他の都市の強力なメンバーも含め、各キャラの魅力は充分発揮されてると思います。
 私はまったく忍んでない忍者娘・あざみを推してます。太正帝都と一見安直な忍者設定の相性が、いざやってみると意外なほど合う、というのも発見ですね。霊力がある世界ではすごい忍術が実在できる訳で。
 サブキャラも、本郷ひろみの怪しさが気に入りました……じゃぱーん、は無茶だなぁ。 ←4話くらいまでなぜ口癖がじゃぱーんなのか気づかず、意図が分かった時に衝撃を受けた

3DCGをメインにしたグラフィックは、二次元の絵ほど単体で完成していない
 3Dのキャラは、動きを止めると「人形」に見えるため、特有のフラフラしたモーションが付けられています。
 ちょっと落ち着きがない感じですね。立って会話する人間は表情や手以外はあまり動かさないものなので、動かない2Dの立ち絵の方が人間に近い感覚があります。
 キャラを動かしてるうちにだんだん慣れてくるので、プレイしてる間はそれほど気にならないんですが、アップになったり止まったりした時の絵は情報量が不足していて、2Dつまり「絵描きの作品」にはかないません。「萌え」が足りないのです。
 技術力の話なのか、デザインの話なのか、あるいはキャラゲーに要求されるキャラ造形のレベルが他ジャンルに比べて高いということなのか。
 これは、かつてサクラ3の立ち絵の印象が薄く、後に雑誌に発表された松原氏の魅力的なキャライラストによって補完されたことを思い出させるものがあります。
 松原氏がほとんどの絵を描いたサクラ大戦2がゴージャス過ぎた、というところでしょうか。このあたりは、サクラ3やVをプレイした時と似た感想ですね。

謎が解明されない
 10年前に消滅した華撃団たちは現在でも生死不明のままで、どうなったのかの解明は先送りされています。
 常識的に考えれば、補給も食料もなく、とっくに全滅しているシチュエーションです。
 このため、被災地で行方不明者の安否を気遣う家族みたいな心理状況に陥った旧作ファンが「遺体を出せ」とばかりにネットで暴れてるのを目にするんですが……いや、次回作で出てくるに決まってるだろ、ちょっと落ち着け、と言いたいところです。
 もっとも、シナリオ上で未帰還をうかがわせるところがあり、このあたりが「本当に戻ってくるとは思っていない」「薄情」だ、というのはありました。旧華撃団が帰ってくると思ってるのなら、いま自分たちが住んでる部屋を開けるのか、みたいな話が出るはずですが、すみれさん以外は旧華撃団が居たという実感がないんですね。

降魔皇は封印されたまま
 サクラ大戦には疾走感があるんですが、今回はありませんでした。降魔皇が退治されてないからです。
 7話+最終話で終わりではなく、あと三話で降魔皇に挑み、絶体絶命のピンチに旧華撃団が勢揃いしてラストバトル!となればそれこそまさにサクラ大戦なんですが、話が解決してないため、後日談で表示される「大団円」とか、決め台詞の「絶対正義」といった言葉がかなり虚しく響いています。
 もう1作品作るために温存してるんでしょうけど、それは悪手でしょうねぇ。
 このあたりは、ゲーム単体ではキャラの魅力が伝わらず、OVAまで見ないと良さがわからないサクラVを思い出させるところがあります。ゲームひと作品にぜんぶ詰め込むべきですね。

降魔皇と、聖魔城や武蔵との違い
 おそらく構成作家が「聖魔城」や「武蔵」あるいは「オーク巨樹」の位置づけとして設定したと思われる、降魔皇。
 ところが、そこにはかなりの違いがあります。
 聖魔城や武蔵はそれ自体に意思がなく、破壊に使うには悪役の意思を必要とする「遺物」です。
 オーク巨樹は絶対悪ではなく、鎮魂・祈祷によって味方になりました。
 しかし降魔は違います。能動的に活動して人を襲い、説得も不可能な、人類の敵です。
 このため、サクラ1や2のラスボスが「大きな犯罪」なのにくらべ、完全に退治することができない降魔皇は「天災」の位置づけになるんですが、そうなると華撃団単体で挑むものではなくなってくるんですよね。

 華撃団は都市を悪から守る警察の役割です。悪の意思を持った者が相手で、なおかつその敵に「勝てる」からこそ絶対正義が成り立ちます。
 天災に対処するのは科学者や国の指導者たちの役割です。すぐには勝てないとしても、いつかは克服すべきものとして、人類の叡智を集めて最大限の対処を行います。
 
 降魔皇は天災として描かれています。対処を考えるのは、サクラ1なら花小路伯爵の役割なんですね。長期にわたり予算を確保し、巨大プロジェクトを地下で計画実行します。
 この役割の人物が、今回の作品内には出てきません。天災に対抗するために国の総力を注ぎ込んだ切り札が用意され、それが使われる、というところまでを描いて、そこでやっと話が終えられるわけです。
 今回はそこがまさに「足りていない」のです。

まとめてみると
 新サクラ大戦は、雰囲気はサクラ大戦を再現していて、正統な続編だと思わせるものがありました。見どころもいろいろあります。
 しかし話はまだ途中であり、ストーリーのサクラ大戦らしい展開は、次回に期待、というところでしょうか。

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