[サクラ大戦BBS]

MAKING APPEND NOTE
如月紫水 への返事
第一幕その2

暗転で場面は変わり、舞台はリトルリップシアターの楽屋へ。
舞台上には昴、ダイアナ、サジータがいるのですが
3つ繋がった赤いソファの端に座るサジータと左側に一つ離れたソファに座るダイアナさんは互いにそっぽを向いて何やら険悪ムード。
昴さんは壇上に腰かけ、膝に肘を置いて頬杖をして傍観モード。
そこへ、リカがいつもの調子で黄色いお菓子の箱を持って昴の背後へ登場。
遅れてティーセットを乗せたワゴンを押しながら杏里とプラムも上手から登場。

リカ「見て見て〜〜!これ、レニとおりひめからの差し入れだって!
   プチ・チーズタルト!」
杏里「わぁ!ちょうど今お茶を入れてきたところなの〜」
リカ「わーい!(階段を駆け下りて二人のそばへ)箱もすっごいかわいいぞ〜!」
プラム「え〜どれどれ見せて〜(箱を受け取って)
    きゃっふ〜〜〜ん!!最高きゃわいいぃ〜〜!!」

おお、それは今回の公演グッズのプチ・チーズタルト!
たしかに、箱可愛いですよね〜おかげで買っちゃいました!(笑)

リカ「(タルトをかじり)ん〜〜!おーいしーい!!
   はい、サジータにもあ〜〜ん…してあげな〜〜い」

ぱくっとそのまま全部食べる無邪気なリカには一切反応せず…というか、三人の盛り上がりなんて全く耳に入ってない様子のサジータ。
とうとう、しびれを切らし声を荒げて立ち上がる。

サジータ「分からず屋にもほどがあるだろ!!」
リカ「ん?」
サジータ「なぁ、どうして新しいビジネスチャンスが、悪い影響を与えることになるんだよ!」

リカを無視し、ダイアナに食って掛かるサジータ。
ここで遅れてやってきた三人もこの空気に気づき顔を見合わせる。
一方、怒鳴られたダイアナもひるむことなく、サジータと目線を合わせないままさらに背を向けて反論

ダイアナ「金は人の心にとって、毒よりも恐ろしい毒と言います」
サジータ「はん、またシェイクスピアか。一生言ってな」
ダイアナ「何ですって!?」
杏里「ま、まぁまぁお二人とも…!」

ティーカップを手にした杏里がとっさに仲裁に入りますが、二人の怒りは収まらず火花散る空気のまま。
プラムがサジータの様子を伺う中、リカが「どーしたんだ?」と今まで黙っていた昴に尋ねる。

昴「サジータが顧問弁護士を務める映画プロデューサーが
  ジェミニを新作のトーキーに起用したいと言ってきたそうだ」
リカ「トーキーってなんだ?」
昴「だがダイアナは、金儲けのために歌ったり踊ったりするのはジェミニの意志に反するとサジータに食ってかかって」
リカ「なぁトーキーってなんだ?」
プラム「なるほどね……(リカに向かって)だって」
リカ「ぜんっぜんわかんない!」

事を把握したワンペアに対し、やっぱりマイペースなリカ。
事情を把握したプラムが二人を交互に見つめる中、なんとか和まそうと二人にお茶を勧める杏里。
でも杏里の方は振られつづけ、結局自分で一口カップに口をつけていたところで、下手から私服に着替えたジェミニ、新次郎、ラチェットが登場。

ジェミニ「ねぇそういえば、カリプソってどういう意味?」
新次郎「カリプソって言うのはね、カリブで生まれた音楽のジャンルの一つなんだ。
    リズムは4分の2拍子」
ラチェット「それと、ギリシャ神話に登場する海の女神もそう呼ばれているのよ」
ジェミニ「へぇ〜!カリブに、女神かぁ!ロマンチックだなぁ〜〜!」

先ほどまで行われていたやり取りの当事者登場にサジータは早速話しかけに行こうとしますが、
ダイアナが両手を広げて立ちはだかり、またも火花が…
でも、ジェミニたちは全くそんなことに気づかず、妄想タイム突入(笑)

照明もジェミニにスポットを当てて暗くなり…どこからか波音が。

ジェミニ「白い砂浜…青い海…黒い瞳の君が、波音よりも優しく、耳元で囁く…!!
     「待ってたよ、ぼくの女神…」(みー みー とセルフエコー)」

妄想タイムに入ると同時に、昴さんは立ち上がってヤシの木
杏里が横歩きでカニ、プラムが魚、リカが海藻…からのラチェット新次郎と混ざって波と背景になりきるのが絶妙に面白かったです(笑)
(杏里とプラムが最終的に抱き合ってラブラブだったの可愛かったです)
そしてダイアナさんが妄想に乗っかってふわふわしてる間に、サジータはジェミニの背後に回り込み

サジータ「待ってたよ、ジェミニ」
ジェミニ「きゃー!!なんちて、なんちてー!!」(ここで妄想タイム終了、速やかに全員元の表情に戻るのでした)
サジータ「ちょっと話がある」
ジェミニ「え?」

状況を把握できないまま、右手を引かれるジェミニでしたが、二人が動くよりも先に現実に戻ってきたダイアナが慌てて駆け寄り、空いてるジェミニの左手を必死につかむ

ダイアナ「サジータさんの言うことなんて聞くことありません!
     私と一緒に、向こうでシェイクスピアを熱く語り合いましょう!」
ジェミニ「ええ?」
サジータ「ダイアナ、いい加減にしないと本気で怒るぞ」
ダイアナ「私はもうとっくに怒っています!」
ジェミニ「ちょっどうしたの二人とも!落ち着いて」
サジータ「いいから、こっち来い」

後から合流してきたメンバーも、いつもと様子が違うことに気づき、とにかく仲裁に入ろうとする新次郎とラチェット。
けど熱くなっている二人は構わずお互いにジェミニを引っ張り合い、このまま大騒動かと思われ時また新たな人物が

ラッシー「そこまでです。
     相も変わらず、恋のから騒ぎの尽きない
     レディース アンド ジェントルメン!」
リカ「ラッシー先生!タルト食べる?」
ラッシー「リカ、おだまりなさい。客人の前ですよ」

全員が口をそろえて「客人?」と首をかしげる中、下手奥から現れたのは銀色の服に身を包んだ長身の女性。
ヘアバンドでまとめられた髪が、遠目からシルエットで見るとハートの形のように見えてHPにある写真とは変えてきましたね。
大半のメンバーが首をかしげる中、サジータだけは別の驚きに目を見開きます。

サジータ「ミス・ロイス・ハート!」(右手を軽く上げて応えるロイス)
新次郎「誰ですか?」
ラッシー「ミス!ロイス・ハート!!(ラッシー先生の紹介にあごに手を添えてポーズをとるロイス)
     サジータが顧問弁護士を務める、今!アメリカ一の敏腕映画プロデューサーです!」
ロイス「ロイーッス!」

リカがそのハートシルエットに見える髪型に興味をしめして後ろをちょこまか動く中、当人は「おいっす!」のノリで親指を立てて挨拶。
…どうしよう、この人も面白い人のにおいがする…!(笑)
思わぬ挨拶に面食らう中、サジータとラッシー先生はさすがに慣れてるようで、そのまま話を続けます。

ラッシー「…おいっす。
     現在も、三本のトーキーを製作中でして
     わたくし、その内の一本の振付を担当しております、ボブ・ラッシーで―――」
ロイス「YOUがミス・ジェミニ・サンライズかー!」

ラッシー先生の自己紹介を遮る勢いで両手を広げて、満面の笑みでジェミニに歩み寄るロイス。
突然名前を呼ばれ、首を縦に振りつつもその歩みに合わせて数歩後ずさるジェミニ。
でも、当人も周りも関係なく、ロイスはそのまままくしたてる。

ロイス「サジータから話は聞いてるな?
    そういうわけで、YOUを次の新作トーキーに起用することが決定した!
    撮影は明日から―――」
サジータ「ちょ、ちょっと失礼ですが…!
     すみません、ちょうど今からその話をしようとしていたところで…」
ロイス「(サジータに止められ)Oh…勇みFoot!」(サジータにさりげなく手を添えて支えにし、右足をビシッと伸ばす)
ラッシー「…勇み足」
ロイス「(もどかしい様子で下手へ歩きながら)MEがいつも言ってるだろ。
    この世で誰もが平等に手にしているのは
    T、I、M、E!時間だけだと」
サジータ「は、はぁ……」

TIMEを全身で一文字ずつ表すロイスの勢いに気圧され気味のサジータ。
いつも強気のサジータですが、クライアントにはすこし遠慮気味?
(その背後で、話はわからなくてもTIMEの動きを真似るリカがかわいかったです)

一瞬の途切れを見逃さずラチェットが「あの、なんのお話をされてるのかしら?」ロイスに事情説明を求めると
杏里が素早く近づき、腕をとって耳打ち。
同時に、同じく事情が呑み込めていなくて困り顔の新次郎にはプラムが耳打ちして説明。
その間に、ロイスは再びジェミニに迫る。

ロイス「いくら欲しいんだ?」
ジェミニ「は?」
ロイス「一万ドル?二万ドル?いっくらでも好きな額を言うといい。
    MEにはYOUの言い値を用意するだけの準備がある」
プラム「マ、マジ…!?」

ロイスの勢いに後ずさり、背後にいたダイアナに肩を支えられるジェミニ。
そんなロイスに、ダイアナは警戒心を隠さず険しい目を向ける。
一方、背後で聞いていたプラムが思わず大きな声で反応すると、隣に立っていた新次郎に軽く諌められる。
プラムに限らず、突然の申し出に互いに近くにいた仲間と顔を見合わせる中、優雅にソファに座ったロイスに詰め寄るダイアナ

ダイアナ「失礼ですが、ミス・ロイス・ハート。
     そのお話でしたら、お断りさせていただきます」
サジータ「ダイアナ!」
ダイアナ「ジェミニさんは、お金のために歌ったり踊ったりなんかしません!
     ね、ジェミニさん?」
ジェミニ「ゴメン、ちょっと待ってよ!
     ホントにボクには何の話だか……」

主張を曲げないダイアナに、サジータとロイスから鋭い視線が飛ぶ。
そして当事者なのに事態にまったくついていけていないジェミニが首をかしげるとロイスが
「この世に金で買えないものはない!」とソファから立ち上がる。

ロイス「Love、だって金で買える時代だ。
    そして、夢も!希望も金で買える。
    それが新しいビジネス…シネマ・ファンタスティック!!」

ロイスの主張と共にフィルムが回る音がし、照明と音楽が変わる。


♪シネマファンタスティック

今回随一のミュージカルナンバーと言っても過言ではない曲。
フーレイ・フォー・ハリウッドを彷彿とさせるような映画賛歌。
とにかく、歌はもちろん、周りもみんな動くので目が足りない!!

ロイス「♪シネマシネマシネマ 新しい世界
     シネマシネマシネマ 新しい力
     映画スターになれたら」
ワンペア「♪映画スターになれたら」
ロイス「♪明日から君は」
三人「♪億万長者」

ロイス「ああ人生は」
ワンペア「♪人生は」
三人「♪シネマファンタスティック」

メインパートはロイス、そしてコーラスにワンペア。
この三人に代わる代わるいろんな人が絡んでいき、周辺もそれに合わせて動く。
まず下手側でラッシー先生を加えた四人で並び、踊る。

一方、上手のソファ周りに集まったシアターメンバー。
同じタイミングで長ソファに座ったサジータが隣に座らせた新次郎とラチェットに自分の主張を説明。
けれど、すぐにジェミニを引っ張ろうとするダイアナの反対側に立ち、負けじと引っ張る。
間になってしまったジェミニを心配して新次郎や昴がなだめようとしても状況は変わらず。
リカは楽しそうな音楽に気持ちが乗ってきたのか、笑顔でノリノリ。
そんな状況を把握しようとソファに座ったまま全体を見渡すラチェット。

壇上にはさまざまな映画スターに扮したダンサーさん6名が登場し、華やかな映画の世界を表現。
今回、ダンサーさんはずっと壇上〜階段で踊っていました。
(皆さん、それぞれ実在したスターの役を演じていたそうです。私、このあたりの知識が疎くてジーン・ケリーぐらいしかわかりませんでした…)

そんな楽しげなリカに目をつけ、指でこちらに来いと合図するロイス。
勢いよく返事をしたリカはロイスのそばへ。
その後ろでは、ダイアナの手を振りほどくことに成功したサジータがジェミニを壇上へエスコートし、映画の世界に触れさせる。
(ここから、基本的にサジータはロイスの歌詞や動きに合わせてジェミニを乗せるように行動)
そしてこの状況について話すラッシー先生とラチェット。そして新次郎と昴。
しばらくジェミニをはらはらした様子で見つめていたダイアナですが、やがて憤りを隠さずソファに座り、左右に座った昴や新次郎に自分の主張を伝える。

ロイス「♪若者よ どんなに貧乏でも」
ワンペア「♪みんな貧乏よ」
ロイス「♪顔が良ければ、歌が上手ければ」
ワンペア「♪それでどうなるの」
ロイス「♪チャンスとラッキーがあって」
ワンペア「♪あるかしら」
ロイス「♪映画スターになれたら」
ワンペア「♪映画スターになれたら」
ロイス「♪君は」
ワンペア「♪君は」
ロイス「♪君は」
ワンペア「♪君は」
三人「♪億万長者」

すっかりノリノリのリカ。ぴょんっと跳ねると今度は壇上へ行き、ダンサーさんたちとダンス。
そこにラッシー先生も加わり、4人が銀幕の世界へ。
次にロイスと目が合ったのは昴。
中立的立場にいようとしているように見えていた昴は、とりあえずそのままロイスのもとへ。
その行動に驚いて立ち上がったのはダイアナ。
引き留めようとしますが、タイミングが合わず行ってしまった昴に小さく頭を振って、今度はラチェットの手を取り自分の隣に座ってもらい
新次郎との間に入り、二人に自分の考えを訴える。
それを、うんうんと聞く二人。

ロイス「♪若者よ、どんなに働いても」
ワンペア「♪働くしかないし」
ロイス「♪手にするお金 少ないと嘆く」
ワンペア「♪そう少ないよね」
ロイス「♪豪華客船に乗れない」
ワンペア「♪無理無理」
ロイス「♪若者よ 毎朝鏡を見ろ」
ワンペア「♪見てどうする」
ロイス「♪甘い微笑み」
ワンペア「♪ナルシスト」
ロイス「♪誘惑の瞳 映画は君を待ってる!」
ワンペア「♪本当に?」

サジータにエスコートされていたジェミニが舞台に戻ってきたタイミングを逃さず、再びダイアナがジェミニを奪還しようと腕を引き、また引っ張り合いに。
それを止めようとするラチェットと新次郎ですが、ロイス、サジータ、プラムがするりとダイアナの手からジェミニをスポットの当たる場所へと誘導する

三人「♪ああ シネマファンタスティック
    ああ 君こそスター」
ロイス「♪そこに立てと監督が命じると」
杏里「♪ライト照らし、衣装とメイク」
プラム「♪みんなで」
三人「♪スターに仕上げる」

三人「♪銀幕に君の姿が映る 熱狂の拍手」
杏里「♪しびれる客席」
ロイス「♪明日君は巴里に遊ぶ」

ここでダンスタイムを兼ねた長めの間奏に。
昴を含む映画チームは下手で群舞。センターではロイスとワンペアが踊り
上手に残るは三人。新次郎はもともと映画に好意的なので、階段に広がる映画の世界に目を輝かせますが、それを止めるダイアナ。
ラチェットも決して否定的ではないため、実質事態を止めようと躍起になってるのはダイアナだけに。
その勢いのままロイスと踊るジェミニを奪還するべく歩を進めようとするダイアナの肩に手を置き、とりあえず落ち着かせようと座らせる新次郎。

けれどその前に下手で踊っていたサジータ、ラッシー先生、昴、リカがステップと共にやってきて
昴がラチェットを、サジータが新次郎を、リカがダイアナを映画の世界へ誘う。
仲間の手を取る二人に対し、頑なにソファから立ち上がらないダイアナ。
そして下手にいるジェミニも、すっかり映画の華やかさに心惹かれている模様。

三人「♪シネマシネマシネマ 新しい世界
    シネマシネマシネマ 新しい力」
ロイス「♪映画スターになれたら」
ワンペア「♪映画スターになれたら」
ロイス「♪明日から君は」
三人「♪億万長者」

とうとう一人になってしまったダイアナは、センターへ逃げ、頭を抱える。
(この間に、ダンサーの皆さんはそれぞれポーズを決めてから舞台奥へはける。最後の紳士淑女のペアのリフトターンが優美で本当に目が足りない)

ロイス「ああ人生は」
ワンペア「♪人生は」
三人「♪シネマファンタスティック」

ロイス「ああ人生は」
ワンペア「♪ああ人生は」
ロイス「ああ人生は」
ワンペア「♪ああ人生は」
三人「♪シネマファンタスティック! ヤー!!」

最後はくるくると全員で踊りながら立ち位置を変え
壇上センターにジェミニ、それを囲むワンペア、ロイス。
下手で昴、ラッシー先生、リカ、サジータがポーズ。
落胆した様子でソファに座るダイアナ。
長ソファに一人分間を空けて腰かけたラチェットと新次郎はとにかく事態を見守るようにステージ上を見つめる。

曲が終わると同時に「みなさん!しっかりしてくださいよ〜!」というダイアナの叫びがようやく耳に届き
ちょっとばつが悪そうに我に返るワンペア。
昴にはラッシー先生が、リカにはサジータが話しかけフォロー。
そしてジェミニはすっかりノリノリの笑顔。その表情にさらに話を進めようとしたロイスですが、それよりも早くソファから立ち上がったラチェットが冷静に語りかける。

ラチェット「ジェミニを新作の映画に起用したいというお話はわかりました。
      しかし、明日からの撮影というのは無理です。(同じく立ち上がり、頷く新次郎)
      この劇場では明日もいつも通り、ショウの上演がありますし」
サジータ「ジェミニが抜けた穴だったら、みんなで埋めればいいじゃないか」
ダイアナ「埋めるだなんて、そんな簡単に言わないでくださいよ!」

なんとか話をまとめたいサジータの申し出に、目を見開いて食って掛かるダイアナ。
けれどサジータも負けじとこれがどんなに良い話かを主張。

サジータ「これはジェミニにとってもビックチャンスなんだ!
     収入だって、ここで働くより何倍も多く手に入る!」
     ビジネスなんだよ」
ダイアナ「ほぉ〜ら、やっぱりお金のためじゃないですか」

二人のやりとりを当人であるジェミニ含め、全員が心配げに見つめていましたが
ダイアナの言葉に、それは言い過ぎよとばかりにラチェットが視線で諌める。
どこまで平行線なやりとりに、イラつきを隠さないサジータ。

サジータ「埒があかないね」
新次郎「ああ、でもだからと言って突然明日からジェミニが舞台に立たないなんて、やっぱり困るよ」

そこには思うところがあるのか、新次郎の言葉に目線は合わせず沈黙で答えるサジータ。

ラチェット「とにかく、今はオーナーが留守です。
      今日のところは、どうぞお引き取りを」

なんとかこの場を収めようとするラチェットの言葉を「ちょっと待った!話は全部聞かせてもらったよ」と止めたのは、そのオーナー。
下手奥から登場したサニーを、全員がそれぞれの期待を込めて見つめる。
(ロイスは下手でラッシー先生にあれが誰かを尋ねている)

リカ「オーナーが帰ってきたぞ〜!
   (サニーの顔を覗き込んで)あれ?顔色が変だぞ。お金でも落としたのかー?」

リカにしてみれば単なるたとえ話なのですが、本気で洒落にならない状況のサニーはその場に崩れ落ちてしまう。
オーナーのいつもならあり得ない反応に驚き、慌てて駆け寄る面々。
ラチェットも駆け寄り「サニー、しっかりして」とその手を取って立たせると「ラチェット……」と勝手に良い声を出すサニーさん(笑)
それで何とか気を取り直したサニーはロイスの前へ。

サニー「ミス・ロイス・ハートとおっしゃいましたね」
ロイス「ロイッス!」

親指を立ててグーのポーズをとるロイスに、サニーも同じように答えて、先に進む。
ここのポーズ、日替わりでした(笑)
30日昼・いわゆるアイーンのポーズ
30日夜・いわゆるキャイーンのポーズ
31日昼・両手を挙げて右足も上げて鳥の威嚇のようなポーズ

サニー「この件につきましては、明日の朝必ずお返事させてもらいます」
ラチェット「サニー!?」
サニー「ですから!今日のところは、これで」

サニーの口から出た思わぬ言葉に、ラチェットの驚きの声が響きますが今更どうすることもできずそのままロイスの返事を待つ。
真摯に対応するサニーに、ロイスも納得する。

ロイス「いいだろう。良い返事を期待している。行こう」

念押しのためサニーの目をもう一度見て、ラッシー先生とサジータを連れて下手奥へ去るロイス。

ジェミニ「サジータさん…!
     (ため息を一つついて)突然のことで、ボクには何が何だか…」
ダイアナ「ジェミニさんは考えることないです!
     (笑顔でジェミニの手を取り)明日のショウも、一緒にがんばりましょう」
昴「サジータの言うことも一理ある」
ダイアナ「え?」

突然降ってきた声に、驚いて振り向くとサジータ達が去って行った方向を見つめていた昴が振り返りダイアナを中心に語り掛ける。

昴「綺麗事だけではこの世の中生きてはいけない。
  金は、人生において重要なファクターの一つだ」

それだけ告げて、下手奥へと去っていく昴。

ジェミニ「昴さん…!?」
ダイアナ「私は…私は……間違ったことなんか言ってません!」
ジェミニ「ダイアナさん!」

震えながらも、そう叫んで下手へと走り去るダイアナ。
どちらも誰も追うことができず「あぁ〜もう〜〜…」と途方に暮れるジェミニに、
それまでマイペースに忘れ去られてたお茶を飲んでいたリカが明るくワゴンの上に置いてあったチーズタルトの箱を手に駆け寄る。

リカ「ほら、ジェミニ元気だせ!タルト食べるか?」
サニー「リカ、ジェミニくんのこと頼んだよ」
リカ「はい!」

サニーに頼まれたリカは、そのままジェミニの手を取って元気よく上手へ。
そんな周りの様子を見つつ、ワンペアの二人もワゴンを片づけるために上手へ。
三人になった舞台上ではサニーが「大河くん、ラチェットくん、ちょっと…」と小さく手招き。

大河「どうされたんですか?」
ラチェット「サニー、何があったの?」
サニー「実は………かくかくしかじか」
ラチェット・新次郎「破産寸前!?!?」

下手で身を縮めて事情を説明したサニーさんですが、二人の声は驚きのあまり大きく…
ワゴンを片づけて、聞き耳を立てるためにひそかに上手に現れたワンペアに耳にも届いてしまい…

プラム「破産………!?!?」
杏里 「破産寸前…!?!?」

実際は同時の言葉ですが、近くで見たときにプラムが破産だけで口が止まっていたので。
ショックのまま天を仰ぐ二人。クラシックの「運命」が響く中、暗転。

シアターに思わぬ暗雲が立ち込める中、一方夜の紐育の街はいつも通り。
オーバー・ザ・レインボウのBGMが響く中、明るい笑い声が三人分。
1セットのテーブルとイス、とオープンテラスに見立てられた壇上に舞台奥から現れたのは昴と夏服のレニと織姫!
(レニの手には紐育の地図が握られていました)

昴「覚えていないな。僕がラチェットに?そんな事言ったかな」
織姫「言ったでーす!私の記憶力はパないですよ、パないでーす!」
レニ「言われてみれば、そんなこともあったね」

和やかな雰囲気の中、椅子に腰かけダンサーさん扮するウエイトレスに昴はコーヒー、
レニと織姫は紅茶をオーダー。
(30日昼は織姫のマイクが不調で声が届きにくかったですが、それでも響く織姫の声量)

昴「懐かしいな、欧州星組か…あの頃があったから、今の僕がある」
織姫「右に同じ。わたしたちもそうでーす!」
レニ「織姫は昔からなんっにも変わってないけどね」
織姫「(思わず立ち上がり)レニ!!失礼ですねー!変わったでーす!!
   …(目を泳がせてゆっくりと座りなおす)…どこかが…」

もう、相変わらずの織姫とレニのやり取りに、笑顔の昴を見ているだけで謎の感動が…
そういえば、前回二人が紐育に来た時は到着からの登場でしたが、今回はするっと登場してきましたね。
ここで壇上の照明が落ちて談笑する三人は背景に。

ストーリーはステージへと変わり、下手から上体をそらし、お腹に手をそえる双葉さんと、相変わらずの成金歩きの武田が登場。

双葉「あ〜〜食べた食べた、もう食べらんない!」
武田「あんた、人の金だからって一流ホテルのはしごはねぇだろ」
双葉「(センターで立ち止まり)それよりも、本当なのか?
   ガッツとかいう科学者が発明した、その〜…」
武田「シャドウストライカー」
双葉「そう、そのシャドウストライカー!
   …どうも信じられんなぁ〜そいつを使うと、一人の人間が二人になるだなんて」

普通の声で話す双葉さんに、大慌てで駆け寄り、人差し指を口元に充てて「静かに!誰かに聞かれたらどうするんだ!」と制する。
そこへ、上手からところどころが汚れた白衣を羽織ったガッツが現れるのですが
レンズやレバー式のハンドルが付いた大きな正方形の箱のようなを抱えています。

ガッツ「誰かに聞かれても別に問題はない」
武田「おい、隠せ隠せ!」
ガッツ「大丈夫だ、凡人には決して真似出来ない発明品なのだ」
双葉「もしやこれが、シャドウストライカー!?」(近づき、興味津々に目を輝かせる)
ガッツ「こいつを使うと人間の影が切り取られ
    そいつがもう一人の自分になるのだ」
双葉「ほぉ〜!お?(首をかしげる)影が、もう一人の自分に?」
ガッツ「説明してやろう!」

嬉々として双葉さんの手をつかみ、上手側の階段に向かうガッツ。
もちろん、武田もそれについていきます。
やっぱり科学者は研究内容について語るときはイキイキするものなのですね。

ここで照明が入れ替わり、再びオープンテラスへ。
運ばれてきた飲み物を手にさらに話は盛り上がってる様子。

昴「…とにかく、また会えて嬉しいよ」
レニ「だってラチェットがステージに立つって言うんだもの」
織姫「見逃すワケにはいかないでーす!」
昴「せっかく来たんだ、ラチェットだけでなく
  ぜひ、スターファイブのこともじっくり見てってくれ。
  星組の先輩として。ぜひ、アドバイスとサポートを」
レニ「アドバイスだなんて…」
織姫「任せるでーーす!!史上最強のサポートを、見せつけてやるでーす!!」

昴さんが愛おしげにスターファイブを語ってる姿に謎の感動が…!
昴の言葉に、レニは謙遜して照れるだけですが、さすが織姫はノリにのって立ち上がり、なぜか準備体操(笑)
ここで暗転…なのですが、構わず動き続ける織姫にひとしきり微笑んでから座らせるレニ。

初日はそこまでだったのですがだんだんエスカレートしていき(笑)
30日昼は初日より長めに体操する織姫でした
夜は夜で、さらに長くなってました。
31日昼はとうとう織姫の勢いに押されて、昴も立ち上がって一緒に体操(笑)
立ち上がらなかったレニに止められて、地図に目を向けていました。

メッセージ :

名前:
メールアドレス:
確認キー :
URL:
以後ステータス情報をブラウザに保存する(cookie)

書き込み