とりなべ への返事 |
人型の魔物、魔物化した人 おそらく意思のない怨念の群体である降魔と、個体として意思のある「魔物」は、サクラ世界ではかなりはっきり別れています。 そのために「降魔と上級降魔は本当に同じ系統の魔物なのか?」という疑問も出て来る訳ですが、とりあえずは歌謡ショウの魔物について。 まず、幽霊、そして祭られている土着の神。元は人か動物であり、怨念や功徳によって死後に霊力を得た思念体、といった所でしょう。 基本的に、礼を尽くした説得が可能なので、平和的な解決が望めます。 相手の仕方によって、悪にも善にもなりうるので、対処を間違えなければ花組が魔に取り込まれる恐れは少ない、といった所でしょうか。 根来衆の頭領・幻夜斎は果たして人だったのか、それとも既に生身を失った何かだったのかははっきりしませんが、元は人である事は間違いない所でしょう。 霊力を必要とし、アイリス誘拐を目論む時点で花組との利害の一致はないので、折伏するしかなかった、という展開です。 この場合、妖術に長けた相手から操られたり取り込まれたりする可能性はそれなりにあります。 しかし、建物内にも容易に侵入してくるため、甲冑では戦い辛い相手ではあります。 逆に言うと、最終的に戦闘場所は帝劇近辺に限られるため、夢組の霊的防護が使えるケースでしょう。 舞台上では「霊剣・荒鷹」の破邪の力で封じていました。程度問題ですけど、二剣二刀だけでもある程度の霊的防御は可能だと思われます。 モンスター。ダグラス・スチュワート社とはまた違う方法で作られた、人型降魔の一種。 ただし、体技に優れていた事や、早い段階で自我を持っていたから考えて、元になる軍人ないしは格闘家が存在した、と考える方が自然でしょう。降魔の肉片を使ったという説明ですが、むしろゾンビに近かったのではないでしょうか。 花組にとって替わる「兵器」を目指していましたが、降魔にしろ死体にしろ、製造上のモラルの点で政府に正式に採用される事はなかったように思います。 サイズはやはり等身大ですが、霊的に戦うというよりは純粋に体力や防御力や反射神経が強化された人間という感じ。 マリアの銃程度の火力ではヒットしてもまったく効かないため、最終的には花組の霊力を集めたさくらが倒しましたが……むしろ、対魔用の重火器で狙撃して倒すのが正解だったんじゃ? 舞台では見栄えの点で剣技になる訳ですけども。 小型降魔もそうですが、個体のサイズが小さく小回りの効く魔物には、甲冑による集団戦は適さない、といった事情があるように思えます。 小型で強力、という特性があると、花組・奏組のどちらも対処しきれなくなりますが、現時点でサイズと霊力はだいたい比例するために役割分担ができている、という事ではないでしょうか。 つらつらと考えるに。 山崎真之介の魔物化、そして(経緯は不明ですが)あやめの魔物化は、「敵も味方も強すぎた」事から起きた悲劇なのではないか、と思うのです。 魔は、本来は死者であるはずです。自らの死が魔の条件の一つでもあります。 生きて魔となるために必要な事は、大量の死の中で生き残る事、もしくは自分自身が死を量産する事。 それは、強者でなければ為しえない条件です。 より強い魔物をより大量に倒す、という状況は、「最強の小隊」であるがゆえに起きた事ではなかったでしょうか。 幸か不幸か、奏組は最強ではありません。いずれにしても魔になる前に死ぬ運命でしょう。 限界を常に感じながら任務を遂行する、その事が奏組に独特な現実感を与えている、という気がするのです。 さて。 テニミュの一部を、Youtubeで見てみました。 おお、確かにテニス感の再現は予想をはるかに上回っています。 躍動感といい、舞台の使い方といい、画期的なのがよくわかりますが…… すみません正直歌ってる事自体にすごく馴染めない感じがどうにもこうにも! ……男性観客に、イケメン俳優でドキドキしろというのが無理だと思うんだ。 テニミュに関しては、女性向けに特化して進化してきたものでしょうし、毎回作られる歌、そしていろんな俳優さんが演じるのを楽しむ事も定着しているようです。 ビデオではなく、生で見ると迫力があるのも充分予想はできる所。 うーん、しかしやはりテニミュはテニミュであり、サクラの太正世界な舞台とは、方向性がかなり違いますねぇ…… 三ツ矢演出ではないかと自分で書いたものの、この路線そのままというのは考えにくいというか、それなりに男女両方のファンに合う形で来るんじゃないかな、と予想します。 奏組の舞台が、もしもテニミュのように、楽器演奏をせず、代わりに歌いまくる人々だったらどうしよう。 今、自分が最も心配しているのは、舞台見ながら爆笑しないだろうか、というその一点です。 ……ああ、まるでその期待と不安は、最初に歌謡ショウを見に行った時に似ている気がします。 |