[サクラ大戦BBS]

MAKING APPEND NOTE
如月紫水 への返事
第一幕その2


拍手が響く中、すぐさま暗転して次のシーンとなるのですが……

織姫「ついたでーーーす!」

客席下手通路から駆け込んできた人物に会場が揺れるどよめき!!
織姫!織姫ぇぇぇ!!!!
取っ手にスカーフが巻かれたボストンバックを手にした夏服に身を包んだ織姫が駆け込んできました!!

レニ「ついたね〜織姫」

それに遅れて、ゆっくり入ってきたのは黒のシンプルなスーツケースを持った冬服レニ!
先を行く笑顔の織姫に、レニも歩みを進めながら声をかけます。

レニ「織姫、元気だね」
織姫「あったり前の真ん中で〜す!
   旅行なんて久方ぶりでーす!
   せっかくなんですから楽しまなきゃ損でーす!」

手を広げて辺りを見渡す織姫に追いついたレニが、ちょっと顔を険しくして上手の客席通路へと先に進んでいきます。

レニ「織姫、今回の旅行はただの遊びじゃないんだよ。
   イタリアやドイツ、日本との違いを肌で感じて
   今後の舞台の糧にする事が目的なんだから
   だから隊長やかえでさんも許可してくれて…」
織姫「そんなことはわかってまーーす!
   まったく、レニってばよく喋るようになったな〜と思ったら
   お説教ばーっかり。ちっちゃいマリアさんみたいでーす」
レニ「そんな…マリアだなんて…」

眉を寄せて先に舞台上に上がるレニですが、階段を上りきるかというところで振り返り…

レニ「オンリーマン〜♪」

歌いだした!!(笑)

レニ「ららら〜らららーら〜…」
織姫「レニ?」
レニ「オンリーマン〜〜♪
   ららら〜らららーら〜〜…」
織姫「レニ?!」
レニ「オンリーマン〜〜♪…
   あはは、歌詞はオンリーマンしかわからない」
織姫「も〜〜!それに似てないでーす」
レニ「ボクもちょっとうかれてるのかも」
織姫「そのようですねー」

なんか、すごく…安心するこういう雰囲気!帝都だ!!(笑)
二人が舞台上に上がると、幕も開いてそこは紐育の街。
舞台上段にビル街の背景、舞台には四つの柱があります(電柱イメージでしょうか)
その街の様子を見る二人。

織姫「それにしても、想像していたよりもちょっと人が少ないですねー」
レニ「うん、そうだね…活気がないっていうのかな。ちょっと寂しい感じ?」
織姫「自由と希望の街、紐育も大したことないですね。
   期待しすぎたみたいでーす」
レニ「そうかもね」

お互いに、こんなものかと目を合わせる。
確かに、今回は車の音や街の雑踏の音が少ない気がします。
ですが、すぐに織姫の興味は自分たちの身の回りのことへと変わります。

織姫「…っていうか、迎えのリムジンはどこですかー!?」
レニ「たしか、約束ではこのあたりのはずなんだけど…」
織姫「このあたりって…レニ、ホントにここで合ってるですか?場所間違えたんじゃないですかー?」
レニ「(ポケットから懐中時計を取り出して)約束の時間も過ぎてるし、もしかしたら間違えたかも」

レニのあっさりした物言いに、織姫が「もーー」と呆れたように言葉をまくしたてようとした瞬間
舞台中央の空いている部分からサニーさんが「やぁやぁやぁやぁ!」と登場!登場ついでに下手の柱でポーズを決めるのがサニーさんらしいです(笑)

サニー「お待たせしました。織姫くん!レニくん!」
レニ「ああ…!誰でしたっけ?」
サニー「(ガクッとコケてから)わたくし、リトルリップシアターのマイケル・サニーサイドです」
織姫「サニーさん!(足早に下手へ向かい)…遅いでーーーす!!
   (腕を組んでそっぽを向く)アメリカは、レディに優しい国だと聞いてましたけど?」
サニー「もちろん!オフコース!
    私としてもお二人を待たせるような無礼はしたくなかったのですが
    手配していた車が来なくて…」
織姫「よくある言い訳ですねー
   …って事は、リムジン無しですか!?」
サニー「リムジン?」
織姫「超一流のレディーたちを、歩かせる気ですかー!?」

憤慨して、遠慮なくサニーさんに詰め寄る織姫。
その勢いのまま上手にいたレニの方へと逃げるサニーさん。

レニ「何が超一流かと言うと…」
ラチェット「織姫」

レニが織姫のフォローを入れようとしたのと同じタイミングで、舞台中央からラチェットが現れ、先に声をかけます。
すると、振り返った織姫がぱっと笑顔を見せて近寄って行き、抱きついたのですが

織姫「ラチェット!久方ぶりでーす!」
ラチェット「レニも、久しぶり。元気そうね」
レニ「…うん。久しぶり」

レニは、少し堅い表情で挨拶。
いや、堅い…というよりは、驚いて声がつまったという感じでしょうか。

ラチェット「サニーを責めないであげて。車の件は本当に想定外の事なの」
織姫「想定外ですか…それじゃあ、仕方ないですねー
   (両手をパンッと合わせて)さ!紐育の街を案内してくれる約束でーす!
   …歩きになっちゃいましたけど(サニーさんの前に二人分の荷物をドンっと置く)
   ちゃっちゃといくでーす!」

サニーさん、有無を言わせない荷物持ちに…!(笑)
誰もそれを否定しないので、そのまま荷物を持って舞台中央へと歩いて振り返るサニーさん。
ちなみに、日によって「想定外」で笑いがおきていたのですが…これは、時期的な問題でしょうね。ニュースでよくききましたものね、想定外。

サニー「はい、ちゃっちゃとね!では、紐育一の名所へご案内しましょう!
    我がリトルリップシアターへ!」
ラチェット「そうね!星組のみんなにもぜひ会ってほしいわ」

それは名案!とばかりに二人に笑顔を向けるラチェット。
それを、織姫は普通に笑顔で受けるのですが、レニはやはり少し戸惑って目線を動かします。

レニ「星組……」
織姫「レニ、どうかしましたか?」
レニ「う、ううん、なんでもない。
   そうだね、織姫。お言葉に甘えてお邪魔しようか」

レニが笑顔で織姫に同意を示すと、織姫もすぐにそれに乗って再びラチェットに顔を向けます。

織姫「そうですねー!あ!でも途中で紐育名物も食べたいでーす!」
レニ「紐育名物って?」
織姫「知らないでーす!」

さすが、織姫の勢い!(笑)
レニはちょっと驚いたように目を見開いていましたが、ラチェットは華麗にスルー…いや、乗っかってくれました。

ラチェット「そうね、途中でなにか美味しい物を食べましょうか!」
サニー「では、ちゃっちゃと行きましょうか!ちゃっちゃとね」
織姫「ついて来るがいいでーす!」

案内される立場なのに、さすが織姫!(笑)でも、先頭はもちろんサニーさんのままですよ。
連れだって下手へと歩いて行く四人ですが織姫が「紐育まんじゅう?紐育まんじゅう?」と言っているのがすごくかわいかったです。
しかし名物というと、やっぱりおまんじゅうなんでしょうか(笑)

しばしの暗転の後、場面は変わってリトルリップシアターのステージ。
左右に割ってあった階段が中央に出て、大階段となっていました。
照明も降りて、黒のTシャツを着たスタッフの皆さんが大道具のチェックをしています。
現れるダンサーの皆さんもシンプルな稽古着。
そんな稽古中のステージに最初に現れたのは掃除服のジェミニ。
下手から、発声練習しながら歩いてきます。
一度目はイマイチだったようですが、二度目の発生は満足したのか、小さくガッツポーズを作っていました。

続いて、サジータが上手から舞台に入ってきて、大道具をチェックするスタッフに声をかけてそのまましばし雑談。
ほぼ同じタイミングでクレオパトラのマントを身にまとった私服のダイアナが台本を読みながら下手から入ってきて
大階段で「アントーニオ、あなた国を捨て妻子を捨てこの私を愛せるのですか?」と台詞の練習。
それを追うように昴さんも下手から現れ、下手でアップをしていたダンサーさんたちに声をかけて振りの確認。

リカ「なーい!ないない!ゾウがないぞぅーー!!」

最後に、リカが下手から駆け込んできて、舞台中央で叫んでます。
全員がそれに動きを止めて注目。どうやら、これから稽古で使う小道具が見当たらない様子。

サジータ「ああ、あっちで見たぞう」

それにサジータが上手を指して答えたのですが初日は「見たぞ」だった気がするのですが。公演が進むごとに「ぞう」になっていきました(笑)

リカ「あったぞーーーう!!」

サジータに言われた通り、上手へと走って行き、ほどなくして戻ってきた満面の笑みのリカの手には、ピンクの象の帽子が!
これで舞台上にスターファイブが勢ぞろい。
そして、タイミングを見計らったかのように上手からラッシー先生が踊りながら登場。

ラッシー「ワンツースリーフォー!ツーツースリーフォー!
     スリーツースリーフォー!ポーーズ!!
     (それをじっと見つめる面々に)唖然としてないで、集合です!
     さぁさぁ時間ですよ。急いで!」

ラッシー先生の声に、それぞれの場所にいたスターファイブとダンサーさんたちが舞台中央に集まって並び、きちんとご挨拶。

ジェミニ「ラッシー先生!」
全員「おはようございます!」
ラッシー「はい、おはようございます!
     (下手へ歩きながら)一人一人の能力を上げる事で、スターファイブのクオリティーもアップ!させましょう」
全員「アップ!!」(ラッシー先生が人差し指を高く掲げたので、同じ動きをする面々)
ラッシー「今日は、ショウのワンシーンであるメドレーの稽古をします。
     その前に一人一人に注意しておきたいところがあります。
     (中央に近づき)まず、ダイアナ」
ダイアナ「はい!」
ラッシー「クレオパトラは気高く、美しい女性です。
     しかし、傲慢ゆえに孤独でした。その複雑で深い心の内を表現してください」
ダイアナ「はい!」
ラッシー「ジェミニ!(呼ばれて、一歩前に出るジェミニ)
     君は、勇敢なカウボーイの役です!
     物おじしない、自信に溢れた表情でね。OK?」
ジェミニ「OK!」

この時、確認するラッシー先生の動作を真似るジェミニの笑顔が本当に可愛くて…!
バキューンポーズだったり、片足を上げたジャンプだったり、日によって変えてました。

ラッシー「リカは子守唄のように優しく、心地よいリズムでね」
リカ「はーい!リカは、やさしい〜子です!」(象の頭をなでながら)
ラッシー「それは、よ〜〜くわかってますよ(ラッシー先生も象の頭を軽くなでる)それを、歌に注入してください!」
リカ「はーーい!ラブ注入〜!
   ドドスコ―――」
ラッシー「ドドスコはいりません!」

まさかの時期ネタにビックリしました!(笑)
しかし、ラブ注入が可愛い!!その横でジェミニが同じようにハートマークを作っていたのもかわいい(笑)

ラッシー「それから、サジータ、昴!(はい!と返事をしてお互いに前へ)
     君たちは、歌詞をもっと語ってください」
サジータ「語る?」
ラッシー「そう!ショウの歌は、ミュージカルのように話の流れで歌うものではなく
     その歌一曲で意味、背景を伝えなくてはなりません。
     これは皆さんにも言える事ですが、歌は数分間のドラマです。
     そのドラマがまるで、ジェットコースターのように展開して行く!
     それがショウの醍醐味です!」

ジェットコースター!で舞台を右へ左へと身体をくねらせながら歩くラッシー先生。
その後を、面白がってついて行くリカとジェミニ(笑)
ダイアナもノリでついて行こうとするのですが、すぐによろめいてサジータに支えられていました(笑)
その様子を締めるのは、やはりラッシー先生でした。

ラッシー「じゃあ、音響さん、照明さんよろしくお願いしまーす!
     (この声を合図に、降りていた照明が上がって、ダンサーの皆さんも小道具を手にスタンバイ)
     小道具は本番と同じものを使っていきます。
     (階段を上るダイアナに声をかけて)ダイアナ、昨日の稽古のように
     マントは優雅に扱ってください」
ダイアナ「(マントを広げて)はい!」
ラッシー「(前に向き直り)特に帽子は扱いがあるので、ちゃんと使いましょうね。
     (袖に向かった面々を見て)人のを見るのも勉強です。
     袖から見てていいですよ」
ジェミニ・リカ・サジータ「はーい!」

三人は上手。昴は下手へと入って行きました。昴も、返事をしないだけでちゃんと頷いていました。
さて、いざ始めようとしたところで、金のショールを肩にかけ、階段の左右で俯いてスタンバイしていた下手のダンサーに向かって「逆!」とポーズ修正。
「はい、では集中して!よーい!!」と声をかけて手を打ち鳴らしラッシー先生は下手の演出席へ。
トップバッターであるダイアナは小道具の手紙を握りつぶして怒りをあらわにします。

ダイアナ「殿方はどうしてこう自分勝手なのでしょう
     私が愛するのは、このエジプトと、そして富と栄光です!
     シーザーはそのどちらも私に与えてくれた…ですから私は、シーザーを愛するのです」

♪モノクローム

台詞は「クレオパトラ」公演時と同じものでしたが、振付はもちろん変更がありました。
歌は一番とラスサビのみの短縮版。
ラッシー先生が強調していたように、マントをふわりと優雅に扱うダイアナは普段着なのにクレオパトラの雰囲気をきちんと纏っていました。
最後は、階段の上でポーズ。
そして、間髪いれずに上手の舞台上段から現れたジェミニにスポットが
(ダイアナは入れ違いに静かに上段下手へ)

ジェミニ「ひらめいた!レディーファーストだ!」

♪淑女たちよ!

ジェミニの服装は、掃除服のまままのですが、男性役ということでいつも結んでヘソを出している部分をほどいて、お腹を隠していました。
あと、いつものテンガロンハットをかぶっていました。
こちらも転調部分を抜いた一番とラスサビのみの短縮版。
赤いロングストールをスカートのように巻いて、テンガロンハットをかぶったダンサーさんとのダンスがかわいらしかったです!
「♪さぁおらの嫁になってくれ」の前で上手のダンサーさんに投げキッスするのがかわいいのにちゃんとカッコいい!!

そのまま二人を侍らせたままポーズを決めて、下手へ。
入れ違いに上手から登場したのはピンクの象の帽子をかぶったリカ!

♪ピンクエレファント

舞台上段からピンクのふわふわの羽ショールを持って現れたダンサー二人から同じ羽ショールを受け取って、一緒にダンス。
こちらも一番とラスサビのみの短縮版。
サビの部分で、ショールを象の鼻のようにゆらゆらと揺らす仕草が曲の雰囲気と相まっていました。
曲の最後で、ダンサーがリカの羽ショールを持ってひと足早くはけて、リカは上手で夢見るように右手を顎に添えてポーズ。
そのまま上手へとはけ、入れ違いにサジータが上手から階段の真中へ。

♪ブラックペッパー

とにかく聞かせる系の歌が多いサジータ。そのためか、ダンサーの数も4名と多い。
貧困にあえぐ、歌の背景をダンサーの皆さんが情熱的なダンスで表現してくれました。
こちらも、やはり一番とラスサビのみの短縮版。

ちなみに、ここまでラッシー先生は下手の本当に舞台端にあった演出席に座って、台本を膝の上にのせてずっと舞台を見ていたのですが
この曲が終わると同時に、立ち上がり下手へ。
サジータが歌い上げると、階段を上り上段へ。ほぼ同時に下手から山高帽をかぶった昴が舞台に入ってきて、すれ違いざまにサジータとハイタッチ。
サジータはそのまま上段上手へはけて行きました。

♪舞台-playing-

これは元の曲が短いためか、フルコーラス歌いました!ダンサーも7名全員参加の群舞。
間奏ではラッシー先生も下手から山高帽をかぶりダンスに参加。
(初日ではラスサビで「きり紙の舞踏会」と歌ってしまうハプニングがありましたが)
やっぱりこの歌の昴は文句なしにカッコいい!!
中央でラッシー先生とポーズを決めたところでメドレーも終わりだったのか、舞台照明が明るくなり、
左右からスターファイブが入ってきます。

ラッシー「はーい、お疲れ様でしたー!」

スタッフやダンサーの皆さんが小道具を片付ける中(昴さんも、帽子をダンサーの一人に渡していました)
ステージの前方ではスターファイブがお互いのパフォーマンスに大興奮。

ジェミニ「やっぱり昴さんカッコいい〜!!」
リカ「うん!豆電球カッコ良かったぞー!」
昴「豆電球がカッコ良かったのか?」

昴を両脇からキラキラした目で見るジェミニとリカ。
リカは若干ずれてますが(笑)三人は纏まって上手の方へ。
移動した先ではジェミニの投げキッスについて話しているようでした。

反対の下手ではサジータがダイアナの肩を掴んで感心した様子で真直ぐに見つめていました。

サジータ「ダイアナ、さっきの歌本当にクレオパトラに見えたよ!」
ダイアナ「本当ですか!サジータさんの歌も、とっても心に沁みました!」
サジータ「そうかい?サンキュ」

お互いに褒め合うスターファイブに頷くラッシー先生ですが、中央に出てきて言葉を紡ぎます。

ラッシー「そうですね、それぞれの個性、そしてスターとしての魅力が出てきましたね。ただ…」
全員「ただ?」
ラッシー「先程も言いましたが、まだまだ、ドラマが見えてきませんね。
     技術に、感情が追いついてないというとわかりやすいかもしれません
     もっと、心の奥深くからわき上がる情念のようなものが出れば
     一皮むけた役者になると思うのですが…」

ラッシー先生の、一歩上を求めるコメントに、全員が目を見合わせる。
特にリカは話自体が難しくわからないようで、左右にいるジェミニや昴に訊ねます。

リカ「じょうねん?じょうねんってなんだ?」
昴「情念とは、理性で制御できない、愛憎の感情のことだ」
リカ「ん〜〜〜ぜんぜんわかんないぞー!」(くるくる回りながら、舞台の中央付近へ)
ダイアナ「つまり、一生懸命頭では落ち着こうと思っていても
     どうしても押えられない喜びや悲しみ、憎しみや愛情のことよ」
サジータ「情念かぁ…」
ジェミニ「ラッシー先生!どうすれば情念は湧きいでるでございますか?」

ジェミニの真直ぐな質問に、ラッシー先生は少し悩みつつも、舞台の中央へ。
その後ろ、ほぼ同じタイミングで上段上手から軽い足取りで双葉さんが登場!
…これは、波乱の予感(笑)

ラッシー「そうですね…たとえば、身を焦がすほどの恋でもすれば
     湧きいでるかもしれませんね」
双葉「なんだなんだ?色っぽい話をしてるじゃないか」
ラッシー「さて、誰が一番最初に一皮むけた役者になるんでしょうね。ね?」

ね?って客席に聞かないでください(笑)

ラッシー「さぁさ、ダンサーのみんなは別室で特訓ですよ!」

で、言うだけ言ってラッシー先生はダンサーの皆さんを引き連れて下手へ。
さて…アドバイス(?)を受けたスターファイブはそれぞれ足元がふわふわ浮足立ってるようで。
でもそんな中「こい」を「恋」ではなく「鯉」と判断したリカは右手を左手を前後でバタバタ揺らしてコイが泳ぐ真似をしています(笑)
そんなリカに「コイじゃない」と手を振るサジータ。

もちろん、お年頃組は正しい意味を受け取ってダイアナは本格的に夢見るモード
そんなダイアナをコイで背中からつつくリカ(笑)
ジェミニは妄想入って、なんちてなんちて〜〜の動き。
一人普段と変わらない昴は、リカを止めてました。
そして、この空気にニヤリと笑う双葉さん。

双葉「新くんの嫁候補たちも、なんだかイマイチ奥手で物足りなかったところだ。
   これはまたとないチャーーンス!」

びしぃっと指を高く掲げて煽る気ヤル気満々です!(笑)
一気に階段を下りてスターファイブのもとへ!

双葉「恋はいいぞ〜〜!!」
リカ「しんじろーママだ〜!」

驚く面々の中、一番最初に笑顔を向けたリカに、ニッコリと笑い返す双葉さん。
ですが、ルールに厳しい二人はすぐに立ち直って、ツッコミ。

昴「ここは関係者以外立ち入り禁止のはずだが」
サジータ「不法侵入!」
双葉「相変わらず君たちは頭が固いなーー!!
   (スパーンとよく響く声で言ったため、スターファイブの動きが止まる)
   そんなことより、恋の話だったな。恋!コーーイ!!
   ならばこの、恋愛経験豊富な私が恋の素晴らしさを伝授してやろうではないか!」

でも、それでひるむようなら……ここにまずいませんよね(笑)
そのまま有無を言わさず流れてくるイントロ

♪それから

前奏の間、でさらにまくしたてます。

双葉「いいか、恋は良いぞ。恋は人を豊かにする。恋は人を幸せにする!
   (昴に向かって)さ!君も一緒に!!」

スターファイブの間を抜けつつ、みんなを歌に引き込んでいきます。
そんな中、昴だけは手を前に出して拒否して去ろうとするのですが…その手を逆に掴んでそのまま舞台にとどめました(笑)

一番とラスサビのみの短縮版ですが、歌の最中舞台中央の階段で双葉さんを囲んで歌(話)に聞き入る四人の可愛いこと可愛いこと。
ちなみに、昴さんは一人輪から外れたところ、階段の下手側でそれを聞いていました。
個人的ツボは「♪それから未知なる冒険」でサジータだけが頷いた所。
それと双葉さんが立ち上がり前に出ながらの「♪子供が産まれるでしょ」でキャッと顔を手で隠して照れるジェミニとダイアナ。

いや、なによりのツボはラスサビでさらに引っ張られて振付にも強制参加の昴が終始怪訝そうな顔をしていたところですが!(笑)
本当に、振付が可愛い分余計に際立つ!!
最後は、舞台の中央で六人で大きなハートマークを作る決めポーズ!
リカがうつ伏せに寝そべり、サジータ、昴が少し身をかがめて中間。
ジェミニ、ダイアナがハートの頭頂部を作り、その間に双葉さんが入るという感じでした。

双葉「(寝そべっていたリカに手を差し伸べて)女の子は、いつだって素敵な王子様の御迎えを待っている
   しかーーーし!!!(すごい勢いでリカの手を弾く、その勢いでリカはくるりとターン)
   待ってもっ待ってもっなかなか行動に出てくれない!
   奥手で、だからちょっとほっとけなくて。でもそんなところがとっても可愛い新くん!!
   …じゃない。(上手へ移動しながら)そんな男の子には、ぜひとも女の子の方から積極的に
   そう!積・極・的・に!!!」

名前言っちゃった!!(笑)
でも、まぁ…そこにいる面々には間違いではないからいいか(笑)
双葉さんの勢いに押されて、言葉が出ない面々に、最後のダメ押し。

双葉「さぁさぁ、恋せよ乙女!」

すっごく可愛い声で、両手を顔の下に添えて、可愛くウインク☆
照明もピンクになって“キラリン”という効果音まで入れて、ダメ押しにダメ押しを重ねて
言いたいことを言うだけ言った双葉さんはそのまま軽い足取りで上手へ。
残されたスターファイブは完全に足元ふわふわ(笑)
特に、サジータとダイアナとジェミニが…

サジータ「アタシが認めるような男じゃないとね。
     …そういう男に育てるって手もあるな!」

ニヤニヤと笑いながら、上手へ歩いて行ってしまいました!さすが、年上!(笑)
それを怪訝そうな顔で見送った昴は、続いて前に出てきたダイアナにも同じ顔を向けます。

ダイアナ「恋愛小説のような、障害のある恋や…
     時には失恋だって、情緒があって素敵かもしれない…!
     勇気を出すのよ、ダイアナ。
     ダイアナ、ファイト!」

勇気を出すのよ、で自分に暗示をかけるようにしているダイアナの動きがまるで“鏡よ鏡…”と問いかけるようでした(笑)
盛りあがりすぎて、上手に去っていくとき少しよろけてました(笑)
次に心情が声に出てきちゃったのは下手にいたジェミニ。その周りに、終始“よくわかんないけど、楽しそうだ〜くるくるくる〜!”と動いていたリカが近づきます。

ジェミニ「どうすればいいんだろう…好きな人は……いやいやいや!(両手を前に突き出して下がる)
     でも、もしかして…」
リカ「なにニヤニヤしてるんだ?」
ジェミニ「な、なんでもないよ!
     …リカは、好きなひといるの?」
リカ「いるぞ!しんじろー!!」

ハッキリキッパリ言いきった、まさかのリカに、ジェミニだけじゃなく昴さんも驚きの顔を向けます。
でもリカはお構いなしに上手へ向かいながら笑顔全開。

リカ「ハンバーグやホットケーキとおんなじくらい好きだ!」
ジェミニ「食べ物と同じ…」
リカ「あ〜〜お腹すいたー!ホットケーキ!ホットケーキ!ホットケーキ!!」

そのまま両手を交互に突き上げながら、軽い足取りで上手へ。
いやでも、リカにとって食べ物と同等ってことは、実は相当ですから!ジェミニ、わかってます!?(笑)
そして、残った昴さんにも声をかけ…

ジェミニ「昴さんは?」
昴「僕も好きだ」
ジェミニ「えええええーーーーーーーーーーー!!?」

リカ以上の素早いアッサリハッキリした答えに、舞台の上手側にいたのに、一気に下手まで後ずさるジェミニ。
絶対騙し系なのはわかっててもやっぱり驚き!!

昴「…ハンバーグや、ホットケーキがな」

案の定の付け足しに、愉快そうに笑って上手へ歩き出す昴さん。

ジェミニ「も〜昴さん!待ってよ〜!」

それに、やられたジェミニは、駆け足でその後を追って上手へ。
全員が去ったところで、舞台が暗転…したまま、場面が代わりシアターのロビーへ。
(スタッフさんが暗転の中、上手にドリンクバーを設置します)
そこへ、下手から難しい顔のプラムと、しょんぼり落ち込んだ顔の杏里。そして、それに困り顔でついていく大河がやってきます。

プラム「ねぇ杏里…これは、リトルリップシアター始まって以来の大ピンチね」
杏里「にゃうん…前は、休演期間中だってドリンクバーや売店にはそこそこお客さんが来ていたのに
   今は一日中だーーーれも来ないなんてしょっちゅう!」
大河「一体どうしちゃったんでしょう…
   なんとなく、紐育の街全体が元気や活気がないような…」
プラム「あら?タイガー知らないの?今紐育ではコール・ポーターっていう作曲家のシニカルな曲や
    失恋映画が大ヒットしてるのよ」

ここまでを喋りながら移動して中央付近へ。
ここで舞台の全体に薄く照明が入り、ロビーだという事がハッキリしました。
そして、このプラムの一言で今の紐育の現状が透けて見えましたね。
コール・ポーターの曲がヒットしたちょうどその頃、紐育は世界大恐慌の真っただ中だったはず。
つまり、本当に世の中が沈んでいた時代でした。

杏里「みんなこぞって映画館に行っちゃって、ブロードウェイの劇場はガラガラ!
   新聞の特集も今、一番泣ける映画とか
   しっとり聞きたい、この一曲。ってのばっかりなのよ」

杏里が髪をかきあげて、見返り気味に言う所が、ちょっと大人っぽくて良いです。
でも、話はますます深刻。新次郎も、二人の話に少なからずショックを受けているようです。

プラム「大人のエンターテイメントも良いけど、やっぱり紐育は明るくなきゃっふ〜〜ん!
    悲しいことがあっても、辛いことがあってもこれを見れば元気なれる!笑顔になれる!
    それこそが紐育のエンターテイメント〜!!……なのにね」

笑顔でターンを決めたプラムですが、最後は表情を暗くして、肩を落としてしまいます。

杏里「ねぇ…もうずっとこのままなのかな。
   紐育は、このまま寂しくて暗い街になっちゃうのかな…」
プラム「そうは、思いたくないけど…」

二人の不安げな表情にはどこか諦めがにじんでいるようでした。
そんな二人の話をずっと俯きながら聞いていた新次郎ですが…

大河「そんなの……そんなのダメだ!」

弾かれたように顔を上げて叫ぶ新次郎に、ドリンクバーのカウンターで沈んでいたプラムと杏里も驚いてそちらに向きます。

大河「ぼくがでっかい男になるために降り立ったのは
   夢と希望の新天地、紐育だ!
   そびえ立つ摩天楼!眩しく輝く劇場のネオン!
   さまざまな国の人が集まり、人種の坩堝と呼ばれ
   そしてその誰もが、夢と自由を掴むために切磋琢磨している!
   活気にあふれ、笑顔にあふれ、次々に新しい何かが生まれて行く!
   それが、ぼくの大好きな紐育だ!」

新次郎の心からの叫びに、感銘を受ける二人。
目に輝きが戻っています!

大河「ぼく…紐育に元気を取り戻したい!」
プラム「タイガー…!
    きゃふきゃふきゃふ〜〜〜ん!!(興奮して、くるくる回って、大河の手を取る)
    もちろん!あたしも同じ気持ちだわ!」
杏里「私もです!」(プラムの勢いに呑まれつつも、杏里も下手側から手を掴む)
プラム「(再び、興奮に任せて大河を自分の方に向かせて)それで
    具体的にはどうしちゃうのかな?」

新次郎の襟元や髪を整えながら期待を込めた満面の笑みを向けるプラムに、新次郎も晴れやかな笑顔で応えます。

大河「はい!今だからこそ、みんなが元気になれる、明るい舞台をやる!」
杏里「それって、いつものリトルリップシアターと変わらないじゃないですか!」

でも、その内容を聞いた杏里が即座に怪訝そうな顔を向けますが、それでも新次郎の表情は変わりません。

大河「それでいいんだよ。
   流行や世間に流されず、ぼくたちに出来ることを一生懸命やる!
   それがいま、一番大事な事なんだ」

リトルリップシアターのBGMが流れる中、当たり前だけど見落としていた事を語る新次郎に
二人も今度は心からの笑顔をお互いに浮かべます。

プラム「そうね!よく考えたらあたしも、周りに雰囲気に引っ張られて
    せっかく気合の一杯を飲みに来てくれたお客様に、ベストなスマイルを見せてなかったかも」
杏里「わたしも…前は、劇場の前に出て新商品をアピールしてたのに、最近は全然やってなかった…
   これじゃあ、お客さんが来なくなって当然よね」

元気を求めるのなら、まず自分から!という気持ちを思い出した二人に、新次郎は胸の前で手を握って笑顔を向けます。

大河「まだまだこれから!二人とも、協力してくれる?」
プラム「もちろんよ〜!
    あ!切らしてたドリンク、買いに行かなきゃ〜!」
大河「あ、ぼくも行きます!街の様子を見てみたいし!」
杏里「にゃうん!わたしも行きます〜!」

三人、笑顔で連れだって上手へ。
このスタッフトーク…というか、新次郎がこの二人の話から「今の紐育をどうにかしたい!」と思う所がすごくすごくらしくていいなと思います。
こういう一面からも、新次郎の自主性が育っていることが見えて嬉しいです。

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