[新しく発言をつくる] [EXIT] [サクラ大戦BBS]
SS『来られない理由(ワケ)』使用上の注意

  SS『来られない理由(ワケ)』使用上の注意 まじょきち 2005/10/17 12:46:17
  SS『来られない理由(ワケ)』 まじょきち 2005/10/17 12:46:52
Re: SS『来られない理由(ワケ)』使用上の注意 [返事を書く]
SS『来られない理由(ワケ)』

のどか。
ひたすらのどかな帝都は銀座、大帝国劇場。
その支配人室で、更にのどかな新任支配人が、大きな机に突っ伏していた。


「うーむ。想像を絶するほど暇だ。」


事務員問題も乙女学園から野々村姉妹を引き抜き解決。
副指令も熟練の域で仕事をそつなくこなす。
花やしき支部も紅蘭の元に団結を誇っている。
資金面では神崎重工業以下神崎グループが
「これからも20万人が作るものづくりにご期待あそばせ」を合言葉に万全の体制。
賢人機関も幾多の政変を経て花小路体制が磐石を誇っている。

そして何より、事件がない。

もちろん、喜ぶべき平和なのだ。
謡い、踴り、舞台が跳ねるの繰り返し。
だが、治に居て乱が忘れられない我等が大神一郎は、酒も飲めずにゴロゴロとする毎日。


「むー、そうだ、花組のみんなでも呼んでモノチェリーでもするかー。マリアー!」


暫くすると、黒い淑女が支配人室に飛び込んでくる。

「どうしたんです?!敵襲ですか!」
「マリア。モノチェリーしよーかー。みんな呼ぶも良し、二人きりでも良し。」


大神の言葉に、マリアは一瞬表情が空白になった。
しかしその直後、血液が色々回るうちに表情が険しくなっていく。


「隊長!・・・・んん!支配人、今度の公演は何だか覚えてますか?」
「ああ。なにせ俺が脚本したからね。」
「もう一度ココでお話いただいてもいいですか?たい・・・・支配人。」


にっこりと微笑むマリア。
まさに聖母の笑みといっても過言ではないだろう。
裏側はともかく。


「宇宙からの侵略者に対抗するべく怪盗紅蜥蜴と明智小次郎が手をくんで・・・」
「ええ、合体チルチルミチルと成長した青年レッドがそれに合流するんですよね?」
「そうだ!そして大恐竜島の探検隊が海神公子と海から援護して・・・・」
「女の敵は少々欝になりながら、宇宙に帰っていくラブロマンスでしたよね。」
「宇宙人役には30代後半の独身男を公募。完璧だ!我ながら才能が恐ろしいよ!」


「どこがですか!」


支配人室の温度が激変し、温度差で硝子製品が次々と吹き飛ぶ。


「まったく、舞台装置の製作で紅蘭は徹夜18日目、本も六百頁前後巻、衣装だって特注ばっかり。
思わせぶりなプレス発表ばっかりして演劇雑誌の取材で稽古も進まない!それもこれも!」

「マリアが魅力的なせいかな?」


その瞬間、大神の頭部が2メートル以上の高度を上昇した。


「殺しますよ!?」

「あ、あんまり殺されたくないなあ。」

「じゃあちょっとは真面目な振りでもしててください!後は私が何とかします!」
「はぁい。」
「まったく・・・・本当に隊長は・・・・」
「マリア?」
「なんですか!」

「・・・・隊長はキミだ。僕には別の呼び方があるだろう?」
「あっ・・・・申し訳ありません!・・・・支配人。」
「おいおい、ココじゃ僕を支配人と呼んじゃだめだろ。」
「え?は、はぁ。では何と呼べと?」

「ア・ナ・タ♪」





「失礼します!」



マリアが木製のドアに怒りをぶつけて部屋を去る。
大神一郎は奇怪なオブジェとして天井に頭を埋めて釣り下がっていた。


「うーむ、やはり暇だ。なんかないかなー。」


「いよぅ大神〜♪お前もとうとう天井の良さが判る様になったか〜♪持つべきは親友だなあ〜」
「いや、些か不本意ではあるし貴様の顔も見えないんだが。」


片や天井に革靴を固定して釣り下がる男、片や天井に頭を埋める男。
恐らくこの瞬間世界で一番奇怪な部屋となっていた。


「大神ぃ〜♪暇なお前にビッグニュースだぞ!」
「どうした?とうとうサクラ大戦もアルゼと提携したしNE●GE●進出のゲーセン大戦格闘ってか?」
「んー、それは親会社の都合で不可能だぞ大神。もっといい話だ。耳を貸せ。」
「いや、貸すも何も天井から抜けんのだがな。」
「しかたない、俺がそちらに合わせるか。トゥ!」


かくして天井に大の男が2人で頭を支点に釣り下がるという奇妙な画が出来上がる。
宇宙でも有数の危険な部屋になったのは間違いなかった。


「今度紐育に華撃団が創設される。向こうの司令は、大神、貴様を隊長に迎えたいそうだ。」
「なにー?じゃあまた華撃団の隊長になれるのか?」
「ああ。今度も五人ながらも美女美少女の揃い踏み。しかもな、現隊長はあのラチェットだ。」
「な・に?するとラチェットくんと隊長争いをしろというのか?アレで中々ツワモノだぞ?」
「はは、抜かりはない。彼女は最近過食気味でな、もうそろそろ戦闘服に体が合わんのだ。」
「そうなのか?結構華奢な方だと思ったんだがなー。」
「紐育はいいぞー大神〜♪世界中から集まる料理は絶品だ。そして注文より量が増えて怒る人間はいない。」
「お前まさか・・・・・」
「更に整体も充実している。乳がでかくなるのは西洋じゃステイタスらしいからなー♪」

「そういえば最近見ないと思ったら・・・加山、お前・・・・」

「服がきつくて苦しいのを霊力の衰えと勘違いしても、それは決して不自然な事じゃない。そうだろう大神?」
「・・・・・・・・・・・・で、ラチェットくんは隊長を退くとどうなる?」
「うーん、若くてグラマーな副指令はいいだろうなあ?大神〜♪」
「加山、お前って奴は!」
「なんだ?辞退だったら俺が知らせてこようか?」

「いい奴だなお前!ふはは、新華撃団が俺を呼んでるぜ!」

「くれぐれも自重しろよ大神。ばれたら元も子もないからな。」



天井裏の密談はこのあと数時間に及んだ。






翌日。
我らが大神一郎は思いの外早起きし、寝巻きをモギリ服へ着替えていた。


「あ、隊長。お早いですね。最近は起きるの遅かったのに。」
「ん?マリア、起こしちゃったかな?いや、今日は気分が良くてね。少し見回りでもしてくるよ。」
「はぁ、まぁ隊長がそう仰るなら・・・あ、いけない。支配人でしたね・・・」
「なーに!その名前にもまた慣れ・・・・いや、なんでもないなんでもない。じゃ!」

「・・・・・・???」



大神は朝のやわらかい光の中、帝劇をすたすたと散歩する。
サロンも、螺旋階段も、大神には紐育行きを祝福してくれているように感じていた。



「うーん、今日は気分がいい!なんかこう、外に出かけたくなる陽気だなあ。」
「お、大神はん!ちょうどよかった!」
「どうしたんだい紅蘭?」


軍手につなぎ姿の紅蘭が階段の下から手を振っていた。


「あんな、光武改をなARMS仕様に改造したんや。慣らしせえへん?」
「へえ。光武改は思い出深い機種だからなあ、うん、つきあわせてもらうよ。」
「でな、大神はんが心配ならARMSについて説明しよ思うんやけど?」



>>>LIPS
「よろしく頼むよ」
「RMSってティターンズのMSのシリーズ型式だよね?」
「サンデー?」



『うーん、何か出てきそうだし待つか。』



「よろしく頼むよ」
「ARMSは俺のほうが歴長いんだけど」(ぴよ)
「RMSってティターンズのMSのシリーズ型式だよね?」
「サンデー?」



「ARMSは俺のほうが暦長いんだけど」
「暦?・・・さよか?・・・・・???????」
「なんだ?ま、いいか。さて、光武改、光武改っと♪」


大神が地下格納庫に降りるとそこには、懐かしい白い機体が二刀流で屹立していた。
座席に座ると、昔と同じ安心感が背筋を駆け上る。


「光武改、今からお前に命を吹き込んでやる!」


充実した気分が霊力となって光武の機体に駆け巡り、滑らかに動き出す。
とりあえず、二刀流で決めポーズ。


「さて、じゃあその辺ぐるっと一回りしてくるか。」


足取りが軽い。帝劇の裏手から道路に入り、
銀座から虎ノ門方面へ光武を走らせる。


「うーん、今日はいい気分だ。実に体が軽い!」

『そこの人型蒸気、止まりなさい。』
「ん?なんだ?」


気が付くと、警察車両が光武の横にぴったりと着く。


『運転手、降りてきなさい!』
「あ、はいはい。」


大神が光武を降りると、2人の警官が大神を囲む。


「あの、なんでしょ?」
「名前は?」
「え?あ?はい、大神一郎です。」


一人が入念に手元のメモに書き込んで、もう一人が質問を続ける。


「で、何キロで走ってたか判る?」
「え?いや、速度計見てなくて。」
「はぁ?前方注意義務違反とるよ?」
「いえ、あの、その。」
「85km/hだよ。85。ここの制限速度知ってる?」
「あの、いえ。」
「30だよ30。55超過。じゃ、免許見せて。」
「え?」
「人型蒸気免許だよ。まさか持ってないの?」
「ええと、コレしかないんですが。」
「・・・・花組隊長一種か。まぁこれなら大型人型蒸気でも免許になるわな。でもね。」
「でも?」


「免停だよ免停。90日。あとで公安委員会から出頭命令行くからね。」

「・・・・・・・・・・・・・・えええー!こ、困りますー!」

「困るって言っても、だったら速度超過なんかしなきゃいいだろ。」
「いえ、気がつかなくて、その、見逃してもらえませんか?」
「あんまり駄々こねると罪重くなるよ?」
「はううううう、はい、判りました・・・・・」



「・・・というわけなんだ。加山、すまんが紐育行き少し伸ばしてもらえないか?」
「大神〜!だからあれほど自重しろと言ったじゃないか〜。」


さすがに毎回天井に頭を入れる訳にいかないので、今回は大道具部屋での密談だった。


「判ってる!・・・だが、どうしても俺は紐育に行きたいんだ!」
「で、何日伸ばせばいい?」
「・・・・100日。」
「3月かぁ。・・・・・しょうがない。ただし、今度伸びたら司令職も支配人職も無くなるぞ?」
「ええ?なんで?」
「そりゃあそうだろ。免停で帝撃の面子潰したとなれば、賢人機関も見逃さないだろ?」
「ううううううむ。」

「大神、別な人間を行かせたっていいんだぞ?帝都だって楽しいだろうに。」

「・・・・いや!やっぱり紐育に行きたい!何とか100日伸ばしてくれ!」
「そうか。じゃあ3月1日に出発になったと向こうには伝える。いいな?」
「おう!」














しかし、実際に手元に帝都公安委員会の書状が届いたのは1ヶ月以上過ぎた後だった。
そして出頭日当日。


「ええと、鮫洲ってのはここか。出頭して残り46日。一ヶ月以上足りないが・・・」


大神はその書状の補足分に注目していた。


「この『短縮講習』ってのを受ければ最短45日。ギリギリだ。ギリで行ける!」


そう、免停者は短期講習を受けると最大半分に短縮できるのだ。
意見陳述も早々に済ませて、大神は講習の集合場所に向かった。


「では、まず26円40銭分印紙を貼って、と。よろしくお願いします!」
「はい、それじゃ、二日間よろしくね。大神君。」



短期講習の教官は右から左に流れる前髪の麗しい、ポニーテール女性だった。
陸軍服のタイトスカートから溢れる太腿が眩しかった。



「あれ?あやめさん?なんでここに?」
「馬鹿ね。ここは有名な天下り組織じゃない。真之介も別棟で教鞭振るってるわよ?」
「そ、そうなんですかー。」

「で、まずは適性検査をするわよ。ペーパー試験で40分。筆記用具は持ってきた?」
「ええ。でも、試験って最終日にやるんじゃ?」
「それは考査よ。コレはただの適性検査。知能検査みたいなもんね。」
「へぇー。」



適正試験
次の四角の中に線を書き入れなさい。
出来るだけ急いで、ただし、点になってはいけません。
時間終了になったら 』 を記入する事。



「ほ、ほんとに知能テストだった・・・・・・・」
「さて、次は『光武趣味レーター』での教習よ。」
「シミュレーター?あの帝撃地下にあるやつみたいな?」
「違うわよ。真之介が趣味で作ったから『趣味レーター』なの。画像がリアルで凄いのよ?」
「へぇー。でも、機械には巻菱って書いてますけど?」
「巻菱は『納入』よ。ここは天下りの組織だから業者選択も豪勢よー♪」


座席も本物そっくりに作ってあり、ほんとに人型蒸気に乗ってる気分になる。
欲を言えば振動とかもあれば文句無かった。



「うーん、刹那戦での子供の飛び出しに反応が遅いくらいで、問題ないわね。」
「あれはちょっと迷いましたよ。・・・・って他の一般人にも見せてるんですか?」
「馬鹿ね。今やってるのは花組隊長一種の短縮講習だからよ。」
「はぁ」


その後テキストを舐めながらの座学が進む。


「3ページ8行目と10ページ5行目でるわよ。知覚、判断、操作。コレ問題にでるからね。」
「あの、ほとんど答え教えてる様な気がするんですが。」
「ええ。教えてるもの。」
「ええええええええ?」
「ぶっちゃけちぇば、26円40銭貰った時点でほぼ終わってるのよ。」
「でも、考査のテストで点数によって日数変わるって。」
「つまり、真面目に全部聞いてるかどうかを考査するの。一種の拘束刑ね。」
「はー。」



翌日。



「さて、大神君には実際に光武を運転してもらいます。用意はいい?」
「え?でも俺もう免停なんですがいいんですか?」
「大丈夫よ。このセンター内だけの軽―い運転チェックだから。出ればいいだけで、考査には関係ないわ。」
「なんか蒸気免許試験みたいですね。」
「それ以下よ。アクセルとブレーキ間違えても減点されないから。」



「次は機械を使った反応判断テストよ。あ、コレも別に考査関係ないから。」
「・・・・じゃあ何の意味があるんですか?」
「時間が余るのと、高い診断機械導入したけど利用されてないのの誤魔化しかな。」
「そういえばこの施設けっこう機械類多いですよね。いくらくらいなんですか?」
「ざっくりで翔鯨丸1機分くらいかしら?」
「ぐは!」


「大神くんは・・・・すこし焦ってLIPS選んでるわね?」
「ええ、確かにあんまり確認してないです。」
「ほぼ平均点だけど焦って周りが見えなくなるときがあるわね。判断するときは一息入れる癖をつけなさい。」
「うわ、なんだか占い機みたいですねえ。」
「まぁ似たようなものよ。じゃ、次はいよいよ考査試験よ?」
「はい。」



考査試験

光武は万能人型攻撃機械ではあるが操作するのは人間である。
だから「もしかしたら視界に見えない蒸気火箭がいるかもしれない」と
確認をしてから行動する事で未然にリタイアを防ぐべきである。
(正・誤)

マリアの過去が殺し屋だとしても、そんなネタでマリアは誘き出されないだろう
と判断して、その日はぐっすり眠った。
(正・誤)

レニはいつ影山サキに催眠術をかけられ帝劇を飛び出してしまうか判らないので
危険をあらかじめ予知して花の冠を用意しておくべきである。
(正・誤)



「おめでとう大神君。42点満点中40点よ。45日に短縮されたわね。」
「ありがとうございます!残り二点はなんだったんですかね?」
「えっとね、『聖魔城攻略の為なら仲間は犠牲にしてもよい』で正にしたわね?」
「ええ、事実そうですし。」
「隊長法の改正で『仲間を見捨てる行為等の禁止』が追加されたのよ。」
「ええー!?いつの間に?」
「去年の11月よ。違反すると罰金なしの2点。しっかりしなさい。」
「知らなかった・・・・・」
「そういえば大神くん、まさかと思うけど速度超過以外に何もしてないわよね?」
「え?」



大神の脳裏にとある光景が浮かぶ。
確か、大久保長安戦の時・・・・・・・・



『そこの双武あなたの?』
「え?なんですか?」
『免許証見せなさい。』
「あ、はいはい。これ。」
『あのねえ、ここは駐停車禁止区域よ?ハイ切符。』
「ええー?ほんのちょっとなのに?」
『不服があるなら帝都公安委員会へ提訴も出来るけど?』
「・・・・・いいえ。」



「やば、そういえば駐禁切られてた・・・・・」
「駐車禁止よね?まさか・・・・・駐停車禁止?」
「あはは、その、まさかなんですけど・・・・まずいですか?」
「免停明けるまでは累積加算だから、15点になるのよ!意味わかる?」
「いえ、あんまり。」



「免取、よ。」



「・・・・・・・・・・・・・・・え?」

「免許取り消し。大神くん、あなたもう隊長資格消えるわよ。で、一年間の取得禁止。」
「そ、そんなー!それじゃ俺の人生おしまいですよー!」
「しょうがないでしょ。そもそも違反する大神くんのせいなんだし。」
「ああーどーしよー!このままじゃ賢人機関も気がついちゃうし!」

「え?まさか、紐育に隊長として行くってのは・・・大神くん?」
「はい。」
「まずいわねー。平和続いてるから支配人の仕事だけで誤魔化すっていう手もあったのに。」
「ど、どおしよお・・・・」
「誰か代理に行かせちゃえば?」
「いや、自分が行く気満々だったし、加山は隊長だけど月組でもう行く予定になってるし。」
「誰かいないの?」




その時、横の建物で歓声が上がる。
ここは免許センターも兼ねているので、合格者発表らしい。



「あら、あの子、大神君のお姉さんに似てない?」
「え?・・・・・あれは新次郎!」



花組隊長一種合格者掲示板の前で小躍りしているのは大河新次郎少年だった。



「そ、そうだ!新次郎を期待のニューフェイスということで紐育に送り込めば!」
「いいの?向こうは大神一郎を待ってるんじゃなかったの?」
「大丈夫ですよ。花組隊長一種の資格さえあれば何とかできますって。俺もそうでしたから。」
「じゃああとは取り消し期間明けの1年後に再取得ね。でも、厳しいわよ再取得って。」
「大丈夫です。何とかしてみせます!」
「ふふ、頑張りなさい、大神くん♪」




こうして、大神一郎は紐育に行かず、甥っ子がその代理となるのであった。
そして後日談。



「た・・・支配人。これから横浜に行きますけど・・・一緒にいかがですか?」
「え?」
「蒸気鉄道もいいですけど、たまには光武で行こうかと思うんですが。」
「いやいやいや、光武は重要機密だからな、それはいかん。免取中だし
「???大丈夫ですよ。最近は街中の人型蒸気のほとんどが光武のレプリカなんですから。」
「マリア・・・・どうしてもと言うなら、俺は運転はしない。それでもいいか?」
「・・・・・???判りました。」



がっしょんがっしょん。



「やっぱりこの体勢は少々無理がありましたね、隊長♪」
「そ、そうだな・・・・」



光武は元々一人乗りだが、大神がマリアにしがみつく形で狭い操縦席に入り込んでいる。



『そこの光武、止まりなさい!』

「ひぃ!やばいマリア!このままじゃキミも違反を切られてしまう!」
「大丈夫ですよ隊長。」
「そうじゃないんだ!色々まずいんだって!」

『その人型蒸気は一人乗りだろう?定員外乗車は違反だぞ。』
「いいえ。この光武は二人乗りとして神崎重工の蒸検証にも記載されています。はい。」
『・・・・たしかに。しかし同乗者の座席シート装着義務違反があるな。』
「いいえ。この光武は運転席以外は後部座席扱いで記載がされています。見えませんか?」
『ただ、この姿勢では安全に留意するという帝都公安委員会遵守義務事項違反がある』
「そうですね。青切符を切って頂ければ然るべき入金をします。違反点は無しですよね?」
『ああ、そうだ。あんまり悪質だと安全運転義務違反とるからな。いってよし!』



「マリア・・・・」
「ど、どうしたんですか隊長、目を潤ませてっ」
「やはり俺には君が必要だ!今確信した!」
「ちょっと、・・・・今脇に止めます。ここは駐車禁止ないですから。」



脇に停まる黒い光武は、30秒ほどのちにまた動き出した。
一路横浜を目指して。



「んー、愛はいいなあ。これで大神もスリル溢れる毎日、マリアも幸せそうだし、万事解決だなあ。」
「せやなあ。ウチも光武改の改造した甲斐があるちゅうもんやな。」
「そしてヒヨコ同然の甥っ子が紐育に行き、俺が影で発言力を増す。んー、陰謀はいいなあ〜♪」


教訓:めんきょはたいせつにね♪
まじょきち <ombpiflfhu> 2005/10/17 12:46:52 [ノートメニュー]
   ├結局のところ……(追記) 夢織時代 2005/10/18 06:53:12
   │└予定していた公演は(追記) まじょきち 2005/10/18 15:12:37
   ├大神san おうか@ふとーカー 2005/10/18 13:20:57
   │└ふとかー! まじょきち 2005/10/18 15:24:29
   ├三○秒 ○三七 2005/10/18 22:41:17
   │└三○秒の意味。 まじょきち 2005/10/22 00:14:27
   ├転んでもただでは起きない男。 フェル 2005/10/20 18:00:19
   │└SSに必要なのは まじょきち 2005/10/22 00:30:43
   └DELETED  つづら  2005/10/21 15:11:35
    ├お大事に。 まじょきち 2005/10/22 00:33:02
    │└ねえ。 まじょきちさん@ゴーゴーゴーゴー 2005/10/27 01:57:36
    └消しちゃいました(TT) つづら 2005/10/31 06:35:58
     └そっか、修正回数出ないんだっけ(滅 まじょきち 2005/10/31 13:09:21

[サクラ大戦BBS] [EXIT]
新規発言を反映させるにはブラウザの更新ボタンを押してください。